41話 影と光と希望と...

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読了時間目安:21分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「......どうしたんだ?」
「実はレン君に最初にみてもらいたくて。 ジャーン!」



「ジャーンって、ただの赤い布じゃん」
「これはただの布じゃなくて、マントなんだよ! ほら!」




「どお?」
「まあ、似合ってるよ。 でもなんで急に?」
「レン君、あたしはね...」

――――――――――――――――――――

俺の繰り出した『シャドーパンチ』を目の前のポッチャマは、左手で上手く受け流すと、右手で『カウンター』を繰り出す。
しかも、ただの『カウンター』によるパンチではなく『きあいパンチ』である。
格闘戦に秀でたポッチャマがいるなんて思いもしなかったが、現実として存在しているのだがら、そうも言っていられないだろう。
俺はその攻撃を影に半身を沈めることでかわした。普通のポケモンではできない、俺の種族、独自の回避方法だ。

「ヒカリ!」

と、『きあいパンチ』を避けたのも束の間、間髪いれずにピカチュウの『10万ボルト』がとんでくる。
俺は影から抜け出しながら、後ろにバグ転しつつ、電撃を避けた。
光を発する攻撃は、俺の影に潜るのを阻害してくる。
少し厄介だが、元々、影に潜るなんて芸当、できなかったんだから大した問題ではない。

「ハルキ! 今だよ!」

その掛け声と共に、電撃を避けて体勢が整っていない俺に向けて『バブルこうせん』を放ってきた。
これは避けられないな。
俺は腕を自分の顔よりも前に持っていき、相手の攻撃をガードした。

「チッ...!」

思ったよりも威力が強い。
舌打ちをしつつも、その攻撃を耐えきる。
攻撃が止み、視線を再び正面に向けると先ほど電撃を放ってきたピカチュウが消えていた。
俺は辺りを見回し、ピカチュウの姿を探していると、

「ここだよ! 『アイアンテール』!」
「チィ! 上かぁッ!」

自分の頭上より振り下ろされるピカチュウの尻尾による攻撃『アイアンテール』。
その攻撃を『シャドーパンチ』のオーラを纏った両手で、咄嗟にガードした。

「まだだよ!」

目の前のピカチュウは、俺がガードで受け止めている尻尾に電撃を溜めると、そのままゼロ距離で『エレキボール』をぶつけてきた。

「ぐっ!」

俺は『エレキボール』による爆風で少し後退させられたが、まだこいつらを倒すのには十分な体力が残されている。
なんとか体勢を立て直していると、爆風に紛れて、先ほどのポッチャマが『きあいパンチ』を繰り出そうとしているのが見えた。
ポッチャマはみずタイプ。
ならば効果抜群のこの技、『かみなりパンチ』で応戦してやればいい。
俺は『かみなりパンチ』で、突っ込んでくるポッチャマに応戦をした。
『きあいパンチ』と『かみなりパンチ』がぶつかり合う。
そう思った瞬間、目の前のポッチャマが急に遠ざかった。

「なっ!?」

俺の振りかざした拳は空を切り、そのまま体勢を崩した所に、奴の『きあいパンチ』が俺の腹部を捉えた。

――――――――――――――――――――

「がはっ!」

ハルキの放った『きあいパンチ』がシャドーの腹部に命中し、シャドーは膝から崩れ落ちた。
正直、シャドーが『かみなりパンチ』で対抗してきた時は、内心かなり焦った。咄嗟の事とはいえ、足の部分だけ『アクアジェット』を発動させて、瞬時に後ろに下がり、相手に空振りを誘ってから、また加速して敵に接近し、こちらの攻撃を当てる。
と文に起こせば、わりと簡単そうだが、タイミングや『アクアジェット』の出力を1つ間違えれば、逆に自分が隙を生む可能性もあった。

「くそ..お前達、救助隊なんかに...。 俺は、負けるわけには...いかないッ!!」
「うわっ!」

片膝を地面につきながらもシャドーは、ハルキを右手で思い切り突き飛ばした。
『シャドーパンチ』ではあったが、ちゃんとした体勢で繰り出したわけではないので、威力はそこまでなく、ハルキを少し遠ざける程度だった。

「ハルキ、大丈夫?」
「ああ、うん。 大丈夫。 ただ…」

シャドーは少しふらつきながらも立ち上がり、相変わらずこちらを睨み付けている。
まだまだやる気なのであろう。
しかし、ハルキは気になることがあった。
先ほどシャドーが放った『シャドーパンチ』を喰らった時、ハルキが感じたもの…
それはシャドーの思い。
前にアングと戦闘した際にヒカリが言っていた。


( 「君の使う技は特別だ。特にあの技は思いを直接のせることに適している 」)


確かに『きあいパンチ』は自分の思いをのせることに適した技だ。
でもそれは、他の技に使用者の思いが全くのらないという事ではない。
先ほど、シャドーの拳からハルキは確かに強い思いを感じた。
その思いは...悲しみ。
怒りや憎しみではなく、深い悲しみの感情だった。

(あいつはアイトやヒビキ、そして救助隊のみんなを傷つけた。その事に、心から腹をたてた僕の気持ちに嘘はない。けど......)

ハルキが戸惑っていると、左手に暖かな感触を覚えた。
そちらに視線をうつすと、ヒカリがハルキの左手を握っていてくれた。

「わかるよ。 今のハルキの気持ち。 私も聞こえてる。 あの子は、ただ怒っているわけじゃない。泣き叫びながら怒っている。 どうしようもなく悲しくて、胸の奥がズキズキする......そんなあの子の心の声が...」
「ヒカリ...」
「私は、ハルキがどんな答えを出そうと最後まで付き合うよ。 だって、私はハルキを信じているから!」

その言葉を聞いた瞬間、ハルキは先ほど見ていた古い記憶の夢。
その続きを全て思い出した。



(「つまりどういうこと?」
「つまりだな、俺が言いたいのは、お前は、最後まで誰かを信じてやれる奴になれ」
「え? そんなかんたんなこと?」
「ハハハ、なるほど、簡単か~。 でもな、青希。誰かを信じるってことは、ものすっっっごく難しいんだぜ?」
「そうよ青希。 誰しもみんな信じ合っているわけじゃないの。 信じることよりも疑うことのが簡単だからね」
「そうなの?」
「ああ、悲しい事だが、俺らの世界はそうできちまっている。 だから、お前は誰かを信じてやれる奴になれ」
「だれかを、しんじれるひと?」
「ええ。そして、信じる人の中には、あなた自身も含まれているのよ? ハルキ」
「ぼくも?」
「ああ、そうだぞ。自分を信じ、相手を信じる。 そうやって、俺達は挫けそうな心を前へ、前へと進めてるんだ」
「へえーよくわからないけど、ぼく! 信じれるひとになるよ!」
「ああ、そのいきだ。 ただ全く疑わないのはダメだぞ。 世の中には騙そうとしてくるやつらもいるからな! 自分の頭で、自分の心で、信じたいと思った誰かが、辛そうな時に青希は傍にいてやれ」
「ええ。 疑うことは誰でも簡単にできる。 けど、誰かを思って、最後まで信じ通すことは難しいの。 それが例え、一人だけだとしてもね」
「わかった! ぼくきめたよ! しんじれひとになる!!」
「ハハハッ! これは父さんも母さんも安心だな」
「ええ。 そうね」)



そうだ。僕はあの時、父さんと母さんにそう言ったんだ。
すっかり忘れていた。
だけど、覚えていなくたって僕は、大切だと思った人を、いつも信じて、前に進んでたじゃないか。
ハルキは小さく笑うとヒカリに言った。

「ありがとうヒカリ。 でも、もう大丈夫」

いつか、森の中でザントに言った言葉。
―――僕は、僕なりの答えを見つける。
その答えが少しだけ、わかった気がする。
自分を信じ、相手を信じる。
自分の頭で、自分の心で感じた通りに。

「僕にできる。 僕なりの戦い方をするんだ...」

ハルキは自分の胸に手を当てながら、自分の考えを呟いた。
誰かを信じ抜くことは難しい。
自分を信じることはもっと難しい。
けど今は...今だけでも、ヒカリが信じてくれた僕を信じよう!

「やろう! ハルキの戦いを!」

ヒカリは満面の笑顔でハルキの言葉を肯定してくれた。
今はその言葉がとてもありがたかった。
ハルキはヒカリに頷くと、視線をシャドーに向ける。
相変わらず鋭い目付きで僕らを見ているが、先ほど感じたあの 悲しみの感情。
そこを紐解くことが、この戦闘の鍵になりそうだ。

「シャドー、1つ聞かせてくれ。 なぜ、君はそこまで救助隊を倒すことに拘るんだ?」
「それをお前らに言う必要はない」

やはり、そう簡単には答えてくれないか。

「えー、さっきあなたも質問してきて、ハルキに答えさせてたじゃない。 ケチー!」
「ケチ..って、ヒカリ...」

ヒカリの言葉に苦笑いしつつも、こんな言葉でシャドーが口を開くわけないかと思ったが、そうでもなかった。

「......救助隊は俺から何もかも奪っていった。 それだけだ」

救助隊が...奪った?
一体どういうことだ。
今のシャドーの言葉に対して、ハルキの嘘を見抜く力は、はたらかなかった。
つまり、嘘ではないと言うことになる。

「お喋りはここまでだ。 覚悟しろ!」

右手に電撃を纏い、接近してくるシャドー。
『かみなりパンチ』を使用していることから、狙いはみずタイプのハルキだろう。

「やっぱり、そう簡単には話してくれない、かッ!」

ハルキはシャドーが攻撃を当てられる間合いに自ら飛び込み、電気を纏ったシャドーの拳を直接、左手で受け止めた。
体中に電気が駆け巡り、鋭い痛みと強烈な痺れがハルキを襲った。

「ッ!」
「なっ!?」

この行動にシャドーは、一瞬驚いたがすぐに気持ちを切り替えると、空いているもう片方の手で2撃目の『かみなりパンチ』を放つ。
が、その攻撃もハルキは、空いているもう片方の手で受け止めた。

「くッ! はっ、離せ!」
「き、君に...どんなことが..、あったのか...ぼ、僕は..知らない...」

体中に電撃による強い痛みが駆け巡り、きつそうな表情をしながらも、シャドーの両手を離さないハルキ。

「でも、僕は....僕には...き、君が......悲しい想いをしていること..が....伝わっている。 だからッ!!」
「離せと...言っているッ!!」
「うわぁあっ!」

シャドーはハルキを蹴り飛ばし、ハルキの手を無理やりほどくと、後ろに下がってハルキと距離をとった。

「なんなんだお前はッ!?」
「はぁ...はぁ....」

ハルキは肩で息をしながらも、その小さな頭をフル回転させていた。
相手の心に踏み込むことは、とても難しい。
それは、よく知っている。


(「なんで....俺なんかに構うんだッ!!」)
(「俺の事は、気にせず放っといてください」)


過去に自分が相手の心に踏み込んだ時、相手に投げかれられた言葉が頭をよぎる。
でも、そこから目をそらさないで、真剣に言いつづける事は無駄じゃない。

「たとえ、君が僕を見ていなくても...。僕を拒絶して、冷たい言葉をぶつけてきても...。 僕は、君を諦めない。 諦めたくないんだ....」

シャドーからの返事はなくともハルキは言葉を紡ぎ続ける。

「同情心から出た上辺の言葉じゃなくて、 心から出た言葉や思いは、いつか必ず届く...。 そう僕は信じてる。......信じて.....いたいんだ」

ハルキはシャドーに微笑みかけながら自分の思いを伝えた。

「ハルキ..お前....」

怪我で体中痛いはずなのに、無理に笑って相手を安心させようとする。

「....ったく、あの時からお前は変わらないよな」
「アイト君?」
「いや、なんでもないさ。 ただ、姿が変わろうと、ハルキはやっぱりハルキなんだ」

少しだけ離れた位置で、戦闘を見ていたアイトが満足そうに口元を緩めていた。

「お前が何を言おうが今の俺は影。 そして、影に残された物は救助隊に対する憎しみだけだッ!」
「なら僕は、それを受け止めてでも、君の中の希望を取り戻すッ!!」
「ハルキ1人だけじゃない! 私もいる。 私達で、あの子の心にある希望の光を取り戻すんだッ!」

ハルキの横にヒカリが並び立ち、シャドーと向き合う。

「ハルキ。 わかってると思うけど、シャドーを止めるには、あのやり場の無い気持ちを押さえる必要がある」
「うん。わかってるよ」
「そして、この状況では君の意思を直接ぶつけた方がはやい」
「『きあいパンチ』だね。 でも、アングの時みたいに、ちゃんと溜められるとは思えないけど...」

あの時は、ザントが前衛でアングの気をハルキからそらしてくれていたから、ハルキも『きあいパンチ』を溜めることに集中できていたが、今回は足を止めて悠長に溜められるような状況ではなさそうだ。

「大丈夫。 今のハルキと私ならあれが使える!」
「あれ?」
「あれを使えば、ハルキは動きながらだろうと、『バブルこうせん』とかで牽制しながらだろうと、前よりも早く溜めることができるはず。安心して。 シャドーをハルキの元にはいかせないよう、私がなるべく抑えるから!」

あれ、とは一体何か気になるが、ヒカリが大丈夫と言っているし、ここは信じよう。

「......わかった。いこう! ヒカリ!」
「うん ハルキ!」
「「ぼくたちで......あいつを止めるんだ!!」」


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ハルキとヒカリの声が重なった瞬間、ふたりの首に巻いている深緑色のスカーフが微かに光はじめた。
それと同時に、ハルキとヒカリの体は、青くキラキラした、オーラのようなものを纏うようになった。

「よし! 使えたね。 完全ではないけれど、今はこれで十分だよ!」

この光を僕は知っている。
悪夢に落とされそうになった時に、助けてくれた存在も同じものを纏っていた。
なんだか暖かくて、ホッとするような優しい光。
体から、心の底から、力が沸いてくるような不思議な感覚だ。

「今さら何をしようとも、俺はお前らを倒すだけだ!」
「ヒカリ! くるよ!」
「うん! 任せて! 今回はちょとだけ本気を出させてもらうよ!」

ハルキは接近してくるシャドーに『バブルこうせん』を放ちつつ、後退し思いを右手に込める。
ヒカリは『エレキボール』をシャドーに向けて2発放った。
しかし、その『エレキボール』は普段とは違い、速さがほとんどなく、フワフワ浮く風船のような速度で進むものだった。
この攻撃を見たシャドーは、ヒカリの体力はもうないと判断し、フワフワ飛ぶエレキボールの隙間を突破し、接近してくる。

「ひっかかったね!」

ヒカリは、いつの間にか手に持っていた、電気の紐、『エレキネット』を勢いよく引っ張った。その『エレキネット』は、先ほど放った速度の無い『エレキボール』に繋がっており、ヒカリが思いきり、引っ張ったことでシャドーの背後から『エレキボール』が接近してくる。

「クッ!」
「逃がさないよ!」

シャドーが攻撃を避けようとした瞬間、ヒカリが手に持っている紐状の『エレキネット』に電撃を流し込み、導火線のようにその電撃は『エレキボール』に到達すると、眩い光と共に大爆発を起こした。
だが、高く飛ぶことでぎりぎり爆発の直撃を避けたシャドーは、爆風の中から勢いよく飛び出し、空中から落下の速度を活かした攻撃をヒカリに当てようとする。しかし、

「それも聞こえてるよッ!」

まるでその場に出てくるのを確信していたかのように、飛び出したシャドーの位置にピンポイントで『エレキネット』を事前に放っており、シャドーは『エレキネット』に捕らわれた。

「チッ! だがこの程度の拘束ならばすぐに....なっ!?」

拘束から逃れようとしたシャドーの目の前には、青いオーラを纏ったハルキが右手を大きく振りかぶったポーズでいた。

「きあい....パンチィィィッ!!」

ハルキの放った『きあいパンチ』は、シャドーに接触したと同時に青い光を放った。
光はキラキラと粒子のように辺りに降りそそぎ、まるで夜空を光で彩るようにも見えた

――――――――――――――――――――

「....うッ」
「目が覚めたみたいだね」

シャドーが目を覚ますと上から見下ろすハルキの姿が視界に入った。

(ああ、俺は負けたんだな)

視線を横にすると、ヒカリがヒビキと協力してアイトをこちらまで運んできている最中だった。

「....俺はどのくらい気を失っていた?」
「ほんの2、3分程度だよ」

ハルキがそう答えた時、ちょうどアイトがヒカリの肩を借りながら到着した。

「おい、ハルキ。 こいつ、縛り上げたりしなくて平気なのかよ?」
「そうです。 急に暴れるかもしれないです....」
「大丈夫だよ。 少なくとも今の彼には、それができるだけの体力とその意思は感じないから」

不安そうなアイトとヒビキにハルキは優しく言った。

「もし、暴れても私とハルキでまた取り押さえるから大丈夫だよー」
「ならいいけどさ....」

先ほどのヒカリの戦闘を見ていたアイトとヒビキはその言葉を信じ、地面に腰を下ろした。

「シャドー。 君はどうして救助隊をそんなにも憎むんだ? 僕には何か理由があってしているとしか思えない」

ハルキは仰向けに倒れるシャドーに問いかけた。

「......あいつらは、俺の大切なものを全て奪った。 そして、奴等は救助隊から来たと言っていた。 なら奴らを匿う、救助隊も悪だ! 悪は悪として滅ぼす必要がある!!」
「でも、みんながみんな、悪いやつの根拠にはならねぇだろ!」
「そうです! 関係の無い他の救助隊まで狙うのはおかしいです!」

話を聞いたアイトとヒビキがシャドーの言葉に反論した。 ヒビキにいたっては、未だに震える体を懸命に押さえながらの精一杯の声で。

「黙れ! あんなッ..! ......あんなやつらが所属する救助隊を野放しにしたら、俺のように苦しみ、そして悲しむものが出てくる! だから、俺はこの体を得てから誓ったんだ! 悲しみからみんなを守るために、救世主になって見せるんだと!! ポピーとの約束を果たすんだとッ!!」

倒れた状態で無理やり上半身だけ起こして叫ぶ、シャドーの頬には、一筋の涙がつたっていた。

「だから、俺はお前たちを許さない! 悲しみを生み出す救助隊をなッ!」
「なら、なんであたしも他の奴等みたいに幻覚世界に落とさなかったんだ?」

シャドーの言葉を遮ったのは、黒に赤いラインが入ったローブを身に纏う、マジカルズのラプラであった。

「ラプラさん! 無事だったんですね!」
「ああ、遅くなっちまってごめんな。 ちょっと、団長達を呼びに行ってたら、時間かかっちまった」

その言葉に反応して視線をラプラの先に向けると、ラプラの数メートル後ろからこちらに向かって歩いてくるカリムとサラの姿が見えた。

「ラプラが一大事だと焦って伝えに来るもんだから、急いできたんだが....まさか、お前達が戦ってくれていたとはな。 チームスカイ」
「それに相手は、救助隊狩りのクローバー改め、シャドー。 この強敵を皆さんだけで倒していたのは、素直に驚きました」
「驚いたというわりには、大して表情変わらないんだな」

アイトの言葉を完全にスルーし、カリムとサラはシャドーをみる。

「ハッ! ざまぁないとでも思っているんだろ? いいさ、捕まえるなり、処刑するなりするといい! だが、覚えていろよ! 俺は…
「あー、まてそういう事じゃないんだ。 確かにお前のした行為に関しては俺も腹が立ってはいる。 だが、その前に1つだけ聞きたいことがある」

シャドーが自嘲気味に捨て台詞を吐いたが、それを無理やり遮ったカリムは、サラから1枚の写真のようなものを受け取るとシャドーに見せた。

「お前、ここに見覚えはあるか?」
「!? 見覚えも何も、俺が昔、住んでいた場所だ! ポピー達と…みんなでなあッ!? 」
「やはりそうか。 お前の今つけているマントは、元はミミロルってポケモンがつけていなかったか?」
「なッ!? なんでお前が知っている!?」

カリムの言葉に明らかに動揺したシャドー。
その姿を見て、カリムとサラは何かを確信したかのように、お互い顔を合わせて無言で頷くと、シャドーにとって驚きの言葉を口にする。

「わかりやすく言う。 お前が暮らしていたというクローバー畑のポケモンの遺体を埋葬したのは俺とサラ、それとここにはいないがネロってやつの3匹だ。 そして、俺達3匹は、お前たちを襲ったやつを探している。 救助隊としてどうかとは思うが、俺達からしてもキリキザン、リザードン、ガオガエン。 この3匹は仲間の仇なんだ」
「な、なんだと…!?」
「しかし、まさかカリムの予想通りとは、驚きました。 あの惨事の中、生き残りがいたなんて」

サラの言葉をシャドーは鼻で笑うと今度はハルキ達が驚く言葉を口にした。

「フッ。 別に生き残ってなんかいない。 俺だってあの時、奴らに殺されたからな。 まあ、その時は今みたいにポケモンじゃなく人間の姿だったけどな」
「ッ!?」

(シャドーが僕達と同じ、元人間!? それに殺されたって….)

「これはお前に何があったか聞いておいた方がよさそうだな」
「ああ。 その代わりにお前らが知っている事も全部話してもらうぞ」
「わかった」
怒涛の急展開/(^O^)\
終盤の(個人的)衝撃展開にハルキ達の活躍とられていないか心配です(^▽^;)

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