第2話・トライタウンの街案内

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時刻は朝の10時の頃、日はすっかりの空にあがり晴天の空の向こう側には大きな入道雲が目に入ってくる。カミナリの一室で何やら騒がしい声が聞こえてくる。

ケイト「ちょっとトト!早く起きなよ!」

トト「…うーん…あとちょっと…」

ケイト「ちょっとトトー!!」

アルト、ロイド、ケイトは先に目を覚まし準備を終えているのだがトトだけ一向に目を覚まそうとしない。根を切らしたケイトのミサイルばりがトトに直撃する。草タイプの技だけあってトトにはかなり効いてしまったようだ。ケイトと怒鳴り声とトトの悲鳴が空をこだまする。

トト「…イタタ…」

ケイト「起こしても起きないトトが悪いんだからね!」

トト「わ、悪かったって…」

アルト「ま、まあケイトさん…トトさんも反省してるみたいですし…」

アルトがなんとかフォローする。ただ、キレたケイトは怖いという考えがトトの中に芽生えたのは事実であった。

?「あらケイト君にロイド君も…これからお出かけ?」

ケイト「あ、アカネおばさん!うん、これから街に行くところなんだよ」

アカネと呼ばれたアローラライチュウ。この旅館の女将さんでありアルトのお母さんでもあるポケモンだ。

アカネ「…あら?そちらの子は?」

アカネがケイトの横にいたトトを目を向ける。

ケイト「あ、こっちはトトって言うんだ。この街に来たばっかりだから色々案内してあげよっかなって思って」

トト「あ、こんにちは、ポッチャマのトトです…」

アカネ「あら!そうなの!トトちゃんって言うのね。街に行くなら楽しんできてらっしゃい」

アカネに見送られて旅館を後にする4匹。旅館から街へとつなぐ小道を進んでいる途中、ロイドがあることを言い出す。

ロイド「…あ、そういえば…トトが人間だってこと…他のポケモンにはあんまり言わない方が…いいかもしれないね…」

アカネの時はケイトが人間だって言わなかったことが不幸中の幸いであった。たしかにトトが人間だって言ったらトトがどうなるか分かったものではない。第一、頭の固い大人たちには信じてくれそうにないと思ったからだ。

アルト「…そうですね…それがいいと思いますよ…」

ケイト「じゃあ、トトが人間だってことはぼくたちだけの秘密って事で…!」

そう締めくくって街の方へと歩みを進める。脇の木ではポッポやマメパトが木陰の幹で羽を休めている。



* * *



?「…ねぇ…ほんとにいくの…?」

不安そうにそう言うあるポケモン。

?「大丈夫!だからまってて…!すぐ戻ってくるから」

不安そうにするそのポケモンにそう言葉をかけるとそのポケモンは森の奥へと進んでいった。森の木々が陽の光を遮り暗さを増して一層怖さを引き立てている。そのポケモンは森の中へと消えていった。



* * *



ケイト「着いたー!ここがここがトライタウンの中心部 ウルペース広場だよ。で、真ん中にあるのがこの街のシンボル“アンセル時計塔”だよ」

広場だけあってかそれなりにポケモンが行き来している。真ん中にあるアンセル時計塔はそれほど大きいと言うわけではないが時計塔の周りには噴水があり噴水から噴射される水と時計塔が荘厳な雰囲気を醸し出している。

ケイト「で、ここが商店街。カクレオンの道具屋さんや預かりボックス木の実屋さんやポフレ屋さん、あと茶葉の専門店もあったりするよ」

商店街は人通りがそれなりに多く店主の声やお客さんのやり取りがワイワイガヤガヤ聞こえてくる。

?「お、ケイト達じゃないか…!今日はお使いかい?」

ケイト「あ、チャノキさん!こんにちはー」

チャノキと呼ばれたろうぼくポケモンのオーロット。紅茶の茶葉の専門店の店主さんだ。

ケイト「いや今日は街の中を回ってるんだ。あ、トト、こっちは茶葉屋のチャノキさんだよ」

トト「あ、初めまして、ポッチャマのトト…です」

チャノキ「おお、新しいお友達かい?…この辺じゃ見かけない子だけど…どこから来たんだい?」

チャノキの質問にケイトがあわわと言って慌てる。

ロイド「え、あ、と、遠いところから来たんだって…!」

慌てたケイトの様子を見てロイドが代わりに返答する。

チャノキ「おお!そうかいそうかい…お近づきのしるしだ。好きな茶葉をあげちゃうよ…!どの茶葉が好みかな?」

トト「え、ちゃ、茶葉…?うーん…あ、チャノキのおじさん…苦い感じの茶葉ってない?」

チャノキ「苦い感じの、ねぇ…そうだなぁ…ウバなんでどうだい?」

ウバの茶葉は渋みの深い茶葉である。深みの中に含まれる苦味はグリニッシュな風味を醸し出してくれる。子供が飲むには少々苦い気がするが…

トト「あ、それでいいよ」

チャノキ「子供が飲むにはちと苦すぎると思うんだが…」

アルト「そこは大丈夫だと思いますよ。トトさんコーヒーもブラックが好みですし」

アルトが横からフォローをしてくれた。

チャノキ「おお、そうかい…苦いのが好みだったらきっとこの茶葉は気に入ってくれると思うよ」

そう言ってウバの茶葉を瓶詰めして渡してくれた。それを受け取りチャノキにお礼を言って茶葉屋を後にする4匹。

商店街を抜けるとドーム型の大きな建物が見えてくる。

ケイト「ここは魔法探検隊の本拠地だよ。この街のメインの場所でもあるんだ」

トト「…魔法…探検隊…?」

聞きなれない単語に頭の中にはてなマークを浮かべるトト。

ロイド「…魔法探検隊は…この世界の未開の地を…魔法を使って探検していくものなんだ…僕たちは魔法探検隊を目指して…今は修行してるんだ…」

魔法探検隊…なんだか楽しそうなものだなぁ…と思うトト。

アルト「あそこにある掲示板…見えますか?」

アルトが建物の横に隣接している大きな看板を指差す。

アルト「探検隊といっても探検だけをするわけではなくて困っているポケモンの助けたりもするんですよ。あそこにある掲示板はそんなポケモン達の依頼などが張り出されているんですよ」

トト「へぇー…」

魔法探検隊、この世界に馴染みはないがどこか惹かれる魅力がある。ケイト曰くこの街に住むポケモン達のほとんどは探検隊のチームかそのサポートをしてくれているそうだ。アルトの両親の旅館もその一つだそうだ。

ケイト「それで魔法探検隊は…

?「た、たいへんだーー!!」

後ろから慌てたような叫び声が聞こえてくる。

ケイト「な、何…?!」

?「あ、ケイトにーちゃん!」

アルト「は、ハルト君ですか。どうしたんですか?」

ハルトと言われたぬまうおポケモンのミズゴロウは慌てた様子で息を切らしている。

ハルト「た、たいへんなんだー!ランタくんが森にいったっきりかえってこないんだー!」

ケイト「ら、ランタ君が!?どこの森?」

ハルト「“ヤドリギの森”だよ!」

ハルトがそう言うとケイトは分かったと言ってこちらを振り向く。

ケイト「みんな!ランタ君を助けに行こう!」

アルトとロイドはうん、分かったと言って頷く。

ケイト「あ、トトも大丈夫かな?」

トト「え、うん!困ってるポケモンがいるなら助けに行かねーと!」

よしっ!と言ってハルトに案内をお願いと伝える。ハルトはうん!と言って4匹を逸れたヤドリギの森にまで案内する。

ハルト「ここだよ!」

森の中は昼間だと言うのに鬱蒼とした木々に覆われて不気味な雰囲気を醸し出していた。ポケモンの通りが少なく道があまり舗装されていない。ヤドリギの森はそれほど大きな森ではないが迷子にでもなったら大変だ。

ケイト「行こう!みんな!」

ケイトの言葉に3匹ともケイト達は森の中へと入っていった。

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