一人ぼっちになっちゃう

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オレ「案外早く終わったな、ピカチュウ。」
ピカチュウ『そうだね。』

オレ達はトキワの森を歩いていた。お使いは案外早く終わった。トキワシティに届けにいった封筒は、どうやらママの知り合いへの手紙だったらしい。その人はオレにお礼と言って、手作りクッキーをくれた。
今は帰り道。その人が持たしてくれたバスケットからは甘いクッキーの匂いが漂っている。

オレ「早く帰って、皆で食べたいな!」
ピカチュウ『うん!』

ピカチュウは頷く。そして、足を速めたその時だった。

「ギャラドス、破壊光線。」
オレ「うわっ!?」

突然、どこからか破壊光線が飛んできた。
オレはピカチュウを抱えて横に転がることで、それを避けた。

ピカチュウ『サトシ、大丈夫!?』
オレ「ああ。何なんだ、一体!」
「ギャラドス、もう一度だ。」

また、破壊光線が飛んでくる。オレはさっきと同じように避けた。どうやら破壊光線は、オレ達の後ろから放たれているようだ。オレは後ろを指差し、攻撃の指示を出す。

オレ「ピカチュウ、十万ボルト‼️」
ピカチュウ『OK‼️』

ピカチュウから、金色のイナズマが放たれる。
それは、見事ギャラドスには命中した。
ギャラドスには…

「バタフリー、眠り粉。」
ピカチュウ『えっ!?』

オレはギャラドスばかりに気を取られて気づいていなかった。頭上のバタフリーのことに。
オレは急いでピカチュウに指示を出そうとした。するとそれよりも早く、オレに黄色の粉が降り注いだ。

オレ「ッ!?」

身体全体が痺れる。オレに降り注いだのは痺れ粉だったらしい。ピカチュウに指示を出そうとするが、顔まで痺れて、口が上手く動かせない。

ピカチュウ『サ…トシ…』

ピカチュウにも粉が聞き始めているのか、今にも眠ってしまいそうになっていた。

オレ「ピカチュウ…」

オレはどうにか口を動かし、相棒の名前を呼ぶ。そして抱くと、ピカチュウはついに目を閉じてしまった。オレは粉の効果が残りつつある口を動かし、叫んだ。

オレ「誰だ‼️なんでオレ達を襲うんだ‼️」
「そんな事、決まっているだろう?捕らえる為だ‼️」

すると、オレ達に向かってネットが襲いかかった。オレは、それに驚き叫んだ。そのお陰で、ピカチュウの意識が戻った。ネットが放たれた場所からは、男が出てきた。

「いらない物が入っているな。そいつを渡せ。」

どうやら、その男はピカチュウを連れていきたくないようだ。たぶん、抵抗されると思ったからだろう。オレは、ピカチュウを強く抱き締める。

オレ「渡すもんか‼️」
「そうか…ならば、力ずくで奪うまで‼️」

すると、男はオレに近づき、後頭部を殴った。オレの意識は遠のいた。




~ピカチュウside~
サトシは後頭部を殴られ、力なく倒れた。僕は彼を揺さぶった。

僕『サトシ‼️サトシ‼️』
「バタフリー、サイコキネシス。」

サイコキネシスによって、僕はネットから強制的に出された。僕は不味いと思い、もがく。
しかし、それで束縛が解ける訳がなかった。

「お前達、こいつを動けなくしろ。」
ギャラドス『おう。』
バタフリー『了解。』

何だって!?
二体は攻撃体制に入っている。対して、僕は束縛されたまま。だめだ‼️やられる‼️そう思った瞬間、眩い閃光が僕を襲った。

僕『ッ‼️』

僕は、後ろに吹っ飛ばされ、木に叩きつけられた。鈍い痛みが背中に走る。しかし、何とか持ちこたえた。だけど、気を抜いたらもうだめなほどだった。

「お前達、行くぞ。」

男は、バタフリーのサイコキネシスで浮かべたサトシと歩いていく。
ごめんね、サトシ…僕、守ってあげられなかった…

?『おい、大丈夫か!?』

ふと、誰かの声が聞こえた。何だか、懐かしいその声。

?『おい!!って、ピカチュウじゃないか!?何があったんだ。』
僕『ピジョット?』

仲間の顔を見てみたい気を抜いてしまったらしい。そう言った後、僕の意識は遠のいた。









~律花side~
ピジョットがボロボロのピカチュウを乗せてきたのは、びっくりした。どうやら、森で倒れていたらしい。サトシは周りにいなく、ピカチュウ一匹だけだったという。
今、一ヵ所に全員が集まっている。
サトシに何かあったんだ…どうしよう…
彼を一人で行かせてしまった事を、今更ながら後悔した。

ケンジ「ピカチュウ、回復したよ!」

そんな中、ケンジの声が響いた。

私「ピカチュウ!」
ピカチュウ『律花。』

ピカチュウは、私の腕の中に飛び込んできた。

私「ピカチュウ、何があったの?」
ピカチュウ『実は…』

ピカチュウは、先程あった事を話した。話によると、サトシは男に連れ去られてしまったようだ。
全て話し終わると、ピカチュウは泣き出してしまった。

ピカチュウ『皆、ごめんねっ…僕がサトシを守れていたらっ…こんな事にはっならなかったのに…っ』
リザードン『おい、電気ネズミ。泣く暇があったら、サトシ助けにいくぞ‼️』
ピカチュウ『リザードンっ…』
ブイゼル『サトポケのリーダーだろ、お前は。』
ヘイガニ『そうだぜ!皆で行こうぜ‼️』
ピカチュウ『皆…』

ピカチュウは、涙を拭きサトポケ達に向き直った。
その顔は、いつもの自信に満ちた笑顔へと変わっていた。

ピカチュウ『そうだよね…僕が挫けてちゃ、だめだよね…皆、今回は僕のせいでこんな事になっちゃったけど、僕はサトシを助けに行く‼️皆も行ってくれるよね?』
サトポケ達『『『おう‼️/ええ‼️』』』
ピカチュウ『ありがとう‼️皆で、サトポケの力を知らしめてやろう‼️』
ミジュマル『おう‼️俺のホタチもうねりを上げてるぜ‼️』
ツタージャ『ホタチはうねらないわよ。』
ミジュマル『例えだよ、例え‼️』

そんな話をしながら、サトポケ達は走っていってしまった。私は、一つの疑問があった。

私「サトシの居場所って、分かってるの?」
ケンジ「うん、ここには色んなネットワークがあるからね。元サトポケやら伝説族やら。」
私「ああ。」

そういう事か。

セレナ「サトシ、大丈夫かしら…」

ふと、セレナが口を開いた。

シトロン「きっと、大丈夫ですよ…きっと」

それに、シトロンは安心させるように笑顔で言った。けれど、その顔には半分不安も出ていた。
とても、重い空気になっちゃった。さっきまで、あんなに楽しかったのに、もう過去の事になっちゃった。
私は、その場を離れた。一人になりたかった。
目指すは、先程女子ポケモン達と女子トークを繰り広げた木の下。綺麗な白い花が咲いていて、強すぎず弱すぎず丁度いい香りがして、何だか落ち着くから。
そんな事を考えていたら、いつの間にか木の下に来ていた。私は、歌った。
意地悪すぎる人生を歌ったこの歌。今の私にぴったりだと思う。人生って何なの?本当…分かんないよ…っ
歌っていると、視界が滲んでくる。喉が苦しくなってくる。苦しくて、胸が張り裂けそうになる。不安だけが膨らんでいって、もう何も考えられなくなる。
涙で最後は声が掠れたが、歌い終わった。私の頬に涙が次々と伝っていくのが分かる。

?「綺麗な歌声だな。」

私は慌てて涙を拭う。この声はパルキアだ。
私が後ろを向くと、やはりパルキアがいた。
慌てて笑顔を取り繕う。私の悪い癖だ。
悲しい時、辛い時に、どうしても隠してしまう。

私「ありがとう…」
パルキア「大丈夫か?」
私「うん…大丈夫だよ。」
パルキア「大丈夫じゃねえだろ?」

彼にここまで粘られるとは思わなかった。私は冷静を装って問うた。

私「何でそう思うの?」
パルキア「だって、すげえ悲しそうな顔してるから…」

何で、皆こんなに私に優しくしてくれるの?苦しいよ…
私は、涙を必死に堪える。

パルキア「なあ?お前が何に引っ掛かってんのか、俺は知らねえけど、これだけは言わせてくれ。」
私「何?」
パルキア「一人でその空間に閉じ籠っても、解決しねえぞ?もっと、仲間を頼れ。」

そして、彼の手が頭に乗せられる。その瞬間、涙が決壊した。泣き崩れる私を、パルキアは強く抱き締める。

私「どうしようっ…サトシが戻ってこなかったら…っ…やっと私を分かってくれる人ができたのにっ…また、一人ぼっちになっちゃうっ…」

昔の記憶がフラッシュバックする。
誰にも助けてもらえなかったあの時の記憶が。
また、一人になるんじゃないかって。
また、一人暗闇の中でさ迷うことになるんじゃないかって。
そんな恐怖だけが、私を蝕んでいた。

パルキア「大丈夫だ…きっとサトシは帰ってくる…」

暫く、私は泣き続けていた。


ドリームズでございます。
さて、サトシさん連れ去られてしまいましたね。
サトシは無事帰ってくるのか。そして、律花が引っ掛かっているある事とは。
では、次回もお楽しみに。

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