結構前の伏線回収に向かいます。
結構前に、名前だけ出てきた子が出てくる部です。まあ、とりあえず故郷にもどります。
そして、次回作に出てくる予定の新キャラも出てきます~
「ア、アルト…?」
一緒にさらわれたハズのアルトが居ない。
それどころか、誰も居ない。
アルセウスも、居ない。
「どうしよう…。」
ありがとうございました。
辺りをキョロキョロしながら、ここがどこかを探る。
ここは…。
「ねえ、君、何しているの?」
急に背後から声がした。
きっとオスのポケモンなんだろうけど、声が高めだった。
声の方へ向くと、まず目に入ったのはお腹の辺りに存在している“ホタテの殻”みたいなものだった。
徐々に見える範囲が広がった。
全貌がみえると、そのポケモンは白いラッコのようだった。こちらを青い瞳で見つめている…。
「大丈夫?僕の顔にゴミでもついてる?」
その声でハッと我に返る。
まじまじと見すぎていたらしい。
「えっ、あっ、うん!大丈夫よっ!それより…。ここはどこなの?」
「え?ここは宿場町の下の海岸だよ。」
「え?シュクバマチ?」
「うん。…もしかして君、記憶無いの?」
記憶…。
あると思う。
ここがどこか、知らないだけ。
「ここがどこって言ってもなあ…。この大陸に名前なんて無いよ?だってここ以外に世界があるなんて聞いたことないよ?…そういえば君、名前は?僕はね、アクアだよ。ミジュマルのアクア。」
「私はルナ。アチャモのルナ。よろしくね、アクア。…。ところで、アルトっていうポケモンを見なかった?」
「ある…と?ポケモンの種類は?」
「ええと、リオルだけど…。」
「リオル…。聞いたことはあるけど、珍しいポケモンだから、見たら印象に残ると思うし…。僕は見てないよ?」
「そう…。」
あからさまに落ち込むルナ。
もしかしたらテンセイってやつをやってしまったのかもしれない。
だって、この世界には、他の大陸があるっていう認識が無い。
まあ、私たちの世界にも無かったから、私も私で戸惑ってはいる。
「…ねえ、アクア。この世界の地図とかある?あるなら見せてほしいんだけど…。」
「あるよ?トレジャーマップ。…はい!」
笑顔でトレジャーマップを手渡してくる。
私たちの世界にもトレジャーマップはあったなぁ…。
「ん?」
一か所の地名に、ふと目が留まった。
ここは…。
「シキ…サイの…。森…。」
一度、シャムと訪れたことがある。
そこは、
私の
両親がいる、場所…。
でも、なんで、私はあそこへ行けたんだっけ…?
「シキサイの森が、どうかしたの?」
「ここ…。ここに行きたい…っ!」
思い出した。
ここに行く道中、スラッとした全体が白く、美しい以外の形容が浮かばないような…。
サーナイトのルルア、というポケモンが、私たちを転送した…はず。
「…行ってくる。」
「待って、ルナ。そこは不思議のダンジョンだよ…一人で行くなんて…危険だよっ!」
「ううん、大丈夫。慣れてるしねっ!…それに。一人で行かなくてはいけないから…。」
ルナの意味深な言動に、アクアは首をかしげる。
ルナは短く「じゃっ」と別れの言葉を告げると、シキサイの森へと向かう。
アルトは多分この世界に居ない…。
だから、元の世界に戻らなくては…!
「…メル…。」
虚空にむかって、ぼそっとアクアが呟く。
メル。
アクアの相棒。そして、ニンゲンで、ポケモンになってしまった。
けれど、今はいない。
かすかな可能性にかけて、毎日この“宇宙律の丘”に来ているのだ…。
「…アクアさん…。」
「…サンドラ…。」
「今日も、来てるんですね…。」
「うん。…わずかな可能性、それにかけてるんだもん。」
「…そうですか…。」
サンドラと呼ばれた、三つも頭を持っているドラゴンが、四つの羽をゆらゆらとはばたかせながらアクアを見つめる。
「まっ、私もメルさんの帰りを待っているアクアさんの様子をたまに見に来ている物好きですけどねっ!」
「そうだね。…うん、サンドラが居てくれるだけでも嬉しいよ。」
「それはもったいないお言葉ですよーっ!」
「はは、そう?サンドラも大切な仲間だよー?」
「でも。」
アクアの言葉を、サンドラが遮った。
「また、メルさんと、みんなで、ごはん、食べたいですね。」
「…うん。」
虚空に言葉が溶けて消える。
その言葉が、メルに。メルさんに、届いていますように…。
アクア:おおー!僕が出てるー!
サンドラ:やっと我々も出てきましたねーっ!
アクア:次回!ポケモン不思議のダンジョン!相棒を探して!スタート!
アルト&ルナ:いや、まだなんも完結してないから!
うに:はい、次回もポケダン時の光と闇の声、お楽しみに~!