第十七話 この拳に懸けて

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二匹のルカリオと再び出会ったリュカたち。気合十分で戦おうとしたフレイだったが、相手のルカリオから交代しろと言われて激昂。リュカのポフレを譲るという条件で何とか交代してくれて、やっとバトルが始まる。
さっそくバトルが始まろうとした瞬間、相手のルカリオがまた驚愕の言葉を告げる。

「先制打はお前に譲ってやるよ。その方がいいハンデになるだろ?」

そう言ってルカリオはその場で棒立ちになる。明らかにこちらを見下した態度に、他のポケモンたちからブーイングが飛び交う。さすがに僕も少し怒りが湧き上がるが、一旦深呼吸をして抑える。

「…ならお言葉に甘えて、僕の攻撃からいきますよ」

右手に力を込めた僕は、そのままルカリオに向かって走り出す。一見相手は何も身構えていないように見えるが、恐らく僕の攻撃に備えて、正面に意識を向けているはず。このまま前に攻撃を当てても、大したダメージにはならないかもしれない。それなら…

(攻撃をあえて外してルカリオの横を通り過ぎ、そこから反転して背中にはっけいを叩き込む!)

僕の作戦通り、攻撃を外したように見せかけることに成功。相手の油断を誘う。

「おいおい、せっかく先制を譲ってこのザマかよ。攻撃すら当てられねぇのか?」

横を通り過ぎた後に、すかさず右足で地面を蹴る。少し飛び上がった状態から、がら空きの背中に全力のはっけいを当てる!

「ぐあぁっ!!馬鹿な…外したはずじゃ…」

「わざと外した振りをしたんですよ。誰だって死角からの攻撃には弱いはずですから」

見事な一撃が決まり、味方陣営から大きな歓声が湧き上がる。それに応えるように、僕は右手を力強く振り上げた。
ここにきてようやく僕は、初めて皆の期待に応えられたような気がする。今までは自分の心の中に迷いがあったことで、本来の力が出せていなかった。
だけど今は違う。カルムの勝利の為、皆の成長の為、チャンピオンリーグに行く為、目標に向かって一生懸命に頑張るだけだ!

「おい、なに勝った気でいやがるんだ。ぐっ…俺はまだ戦えるぞ…」

うつ伏せになって倒れたはずのルカリオが、ゆっくりと体を起こした。やっぱりここにきて能力差が響く。しかし僕には、相手のルカリオにただならぬ執念があるのを感じた。

「…一度聞きたかったんですけど、どうして僕と戦いたかったんですか?強い相手だったら、フレイさんの方が僕より強いですよ」

「…お前に勝たないと意味ねぇんだ。俺には説教ばっかり垂れる兄貴が、お前に初めて会った時は褒め言葉を言いやがった。俺だって今まで兄貴と一緒に力をつけてきたはずなのに、お前と俺で何が違うっていうんだよ…」

ここにきて初めてルカリオの本心が聞けた気がする。彼の波動からも、競争心のような気持ちが感じ取れた。

「僕には一緒に戦ってくれる仲間がいる。僕の勝利を信じてくれる大切な仲間がいる。どんなやつが相手だろうと、僕は皆の勝利の為に戦う!」

「ふざけんなよ…俺は兄貴を超える為に、今まで一人でずっと頑張ってきた!仲良しごっこにすがるお前に、俺が負けるわけねぇんだ!」

ルカリオは最後の力を振り絞り、右手のグロウパンチが僕の顔面に迫る。
カルムの手持ち
リュカ(リオル♂) フレイ(テールナー♀) サラ(キルリア♀) リザン(リザード♂) ソラ(アブソル♀) コジョ(コジョフー♀)

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