第六話 憧れと現実

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リュカたちポケモンだけのミアレシティ観光。フレイの荷物運びをしながら、束の間の自由を堪能したのだった。そして5番道路の入り口で、リュカが憧れる姿、ルカリオが登場。
突然現れてカルムを値踏みするような表情をするルカリオを見て、不機嫌そうなフレイが火のついた枝を構える。

「何よアンタ気に入らないわね、私の火の粉で燃やしてやろうかしら?」

「あ、俺と勝負するつもりか?女相手でも容赦しねぇぞ?」

フレイさんとルカリオがバチバチと火花を散らす中、リザンがやる気満々な表情でフレイさんに駆け寄る。

「フレイ先輩、俺も助太刀するッス!あんなやつ、二人の熱い炎でイチコロッスよね?」

「いや、アンタは別にいらないわ。邪魔にならないように下がってて」

「ひ、ひどいッス先輩!シクシク…」

リザンが泣きながらこちらへ戻ってくる。僕は彼を慰めながら、二人が戦おうとしているのをジッと観戦する。しかし、ルカリオの後ろからもう一匹のルカリオが素早く止めに入る。

「鍛錬を急に抜け出したと思えば…こんなところで遊んでいる暇はないぞ弟よ」

「チッ、邪魔すんなよ堅物野郎。喧嘩売られたから買おうとしただけだ」

「この間もそれで怒られたばかりだろ。これ以上素行が悪くなるようなら…」

「…はいはいすみませんでしたー。ったく、手が早いのはどっちだよ…」

その後、真面目そうなルカリオがこちらに非礼を詫びる。フレイさんがそっぽを向いたままなので、代わりに僕が前に出て謝った。自己紹介を終えると、真面目なルカリオさんはこちらをジッと見つめてくる。

「ほう、君はリュカというのか。なかなかの素質がありそうだね」

「そ、そんなことありません!僕なんかまだまだ貧弱ですよ」

慌てて否定していると、もう一匹の乱暴そうなルカリオが僕を指差して嘲笑った。

「兄貴、こんな弱そうなリオルに素質なんかあるわけねぇだろ?俺ならこいつと百回戦っても負ける気がしねぇ」

「口を慎め弟。この間の合同鍛錬でも、最初から相手を見下すその傲慢が原因で、相性的にも有利だったバンギラスに負けたんだぞ?」

「なっ、あの時は調子が悪かっただけだ!次は絶対に負けねぇ!」

「…まったく、あの傲慢さと怠惰さえなければ、私にも負けない力が発揮できるのだが…」

出来の悪い弟子を憂う師匠のような表情を浮かべるルカリオ。そんな大人びた雰囲気に、僕は大きな憧れを抱く。
その後、ルカリオの持ち主であるシャラシティのジムリーダーコルニさんがやって来て、二匹のルカリオを連れて帰る。そんな中、僕は先程乱暴そうなルカリオに言われたことが頭に残っていた。

(…確かに僕はおくびょうだし、自分に素質なんかあるわけない。ハクダンシティのジム戦だって、僕の力で勝ったわけじゃない。全部フレイさんの実力があったからこそ…僕は何もしていない。


じゃあ、僕がここにいる意味って何?)

考えれば考える程、答えがどんどん離れていく。抜け出せない泥沼に飲み込まれるような気持ちを隠しながら、僕たちは改めて5番道路を歩き始める。
カルムの手持ち
リュカ(リオル♂) フレイ(テールナー♀) サラ(色違いラルトス♀) リザン(ヒトカゲ♂)

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