Hopes and Dreams

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毎日ハロウィン企画:27日目のお話
 ここではないどこか遠く、同じだけれどまったく違う世界での出来事。 ルナアーラは、湖に浮かぶ祭壇にいました。先ほどソルガレオと出会って生まれたばかりの、愛しい我が子を翼で抱いています。生まれたばかりの星雲のような子は、キラキラと星のようにかがやいて、希望に満ち溢れています。太陽のように雄々しく気高くなるのか、月のように優しく愛溢れるようになるのか、まだわからないけれども。

たくさんの希望と、たくさんの夢を抱きしめて、これからこの世界を生きていく子は、まだまだ自分の役目がわかっていない様子。ルナアーラは愛しい子を抱いたまま、大空を飛びます。星の降る夜、満月が湖に溶けていくのを横目に、世界を見せてあげるのです。黄、赤、桃、紫の花畑や波の高い海。天まで届くほどの高さの山を巡っていくと、星雲の子は目を星よりもキラキラと輝かせています。かつて自分がニンゲンの少女にそうしてもらったように、ひとつひとつそれがなにかを教えていきます。

ルナアーラは月の光を喰らい、星雲の子に分けてあげました。これからはこうやって力を得るのだと教えていくのです。星雲の子は一生懸命光を受けて、すくすくと育っていきます。吹けば飛ぶようやもやもやから、ふわふわのわたあめくらいにはなりました。元の場所まで戻ってくると、愛しく一度だけ強く抱きしめて、ルナアーラは名残惜しいけども、星雲の子を置いて、飛び立ちました。どうかどうか この世界を 守っていけますようにと。

ルナアーラは第三の目を開き、月の力で空間に穴を開け、別の世界に飛んでいくのでした。

きょうのおはなしは、これでおしまい


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