別世界の放浪者

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 ある夜の事。シャンデラが、街のおしゃれなチョコレートショップに堂々と入り込んで、いつものように店員を眠らせミントチョコを食べている時でした。尻尾に鈴のようなものをつけた、猫っぽい見た目のポケモンが一匹。石畳の上で倒れ込んでいました。普段なら放っておくのですが、この街では見たことのない姿に興味を持ったのか、つついて起こしてみました。

猫のようなポケモンはよろよろと身体を起こしました。どうやらお腹が空いていたようで、ぐうぅという音が聞こえます。シャンデラはちょうど隣の店からくすねてきていたパンを分けてあげると、猫のようなポケモンはちょっとだけ元気になりました。猫のようなポケモンは、首に古びてもなお光る金色の鍵をぶら下げていました。 話を聞いてみると、この街に鍵を使って開けられる扉があると聞いてやってきたのだけれど、どこにもそんなものはなくて、とうとう歩き疲れて倒れてしまったのだとか。

こんなに素敵な鍵で開く扉なら、きっとその先には宝石やアンティークジュエリーがあるはず。下心満載のシャンデラは、扉を一緒に探してあげる、という体で猫のようなポケモンについていくことにしました。尻尾のベルをガランガランと鳴らして歩いていく後をふわふわとついていくのだけれども近代化の進むこの街では、そもそも鍵のかかった扉自体あまり見かけないのでした。

やっぱりこの街にはないのかしら。額の三日月模様に月明かりを受けながら、悲しそうに空を見上げる猫のようなポケモンがなんだか可哀想になってきたシャンデラは、本当に扉を探してあげようと決心するのでした。とはいえ鍵しか情報は無く、あてもなく彷徨うだけでは何も掴めない どうにかならないものかと、一緒になって空を見上げていると、街の広場のヘオブジェの影が、三日月模様に反射した月の光を受けてどんどん伸びているのに気がつきました。影は石畳をまっすぐ伸びて、チョコレートショップの白い壁をするすると登っていき、ちょうどぴったり扉の形に収まるのでした。

あっ!これだ!とシャンデラが猫のようなポケモンを呼ぶと、振り返って扉が現れたことにびっくりしているようでした。急ぎ走って鍵をかざすと、壁の扉が開いて、まばゆい銀色の煌めきが辺りに広がるのでした。眩しくてシャンデラが目をつぶっている間に、猫のようなポケモンは扉の向こうへ行ってしまいました。慌てて追いかけていくと、虹色のカーペットが空の上からゆらゆらと揺れている、幻想的な世界が広がっていました。

ああ、思い出した。私こっちのポケモンじゃなかった。どうりでおかしいと思ったの。だって、草むら以外に世界が広がりすぎていたもの。親切なシャンデリアさん、ありがとう。といって、猫のようなポケモンは虹のカーペットを駆け上がっていくのでした シャンデラも続こうとしましたが、乗ることが出来ずずり落ちてしまうのでした。

きょうのおはなしは、これでおしまい

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