十一話 温もり

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あらすじ
海底神殿から帰ってきた自分たちは、新たに発生し始めた異変、仮死現象を目の当たりにする。探検団全体が混乱状態になっている中、自分たちはギラティナに関して調べるためにブラッキーとともに機密古文室で調査を行った。その中で、見事にギラティナに関する資料を見つけだし、ギラティナのいる世界、ネザーに行くヒントを手に入れたのだった…
「…そうか、よく調べてくれた。」
ルカリオは自分たちが調べたギラティナに関する情報をルカリオに伝えた。その情報は、古文書の状態が状態であったので断片的ではあるのだが、それでも無いよりかはマシだ。
「一様、その古文書はここにあるぞ。」
ブラッキーは古文書の入っていた引き出しを、前脚を使ってルカリオに差し出した。ルカリオはその引き出しを手に取り、古文書の内容を読み上げ始めた。
「コノヨニハ、イノチトダ……モノノユク、メイドナル………ア………
クロキダイチニ………ヲアタヘヨ
サスレバギ………ナノオサメシメイド、ネ……ヘノミチガヒラカレン」
これが古文書の内容である。やはり、ルカリオといえども読めない文字は読めないようだ
「うーん。この文章はヒントではあるが、直接的に答えは分からないな。」
ブラッキーは言った。確かに、『メイド』という部分が冥土を示しているのならば、これはギラティナのいるネザーの世界を示していることとなる。しかし、ネザーの世界の入り口がどこにあるかはよく分からない。
(『クロキダイチニ』と書いてある部分がどこを差しているのかが分かればいいんだけどなぁ…。)
ピカチュウと一緒に考えてはいるのだが、全体的に黒い印象がある場所は暗い洞窟の中しか思い当たらない。洞窟を大地と言い表すのは少々無茶な話であろう。しばらく四匹で首をひねっていたが、突然ルカリオが大きな声を上げた。
「…う~ん、ああああぁぁぁ!分からん!こうなったらキリがない!ツタージャとピカチュウは、下に行って他のみんなの手伝いをして来い!ここは俺とブラッキーで考える!」
「けど、みんなで考えた方が速くないですか?」
ピカチュウがルカリオに対して反論した。
「君たちは、まだこの世界の地理に詳しくないだろ?詳しく知ってるところといったらマシトイ村とシューキタウンの周辺ぐらいじゃないか?今は、一匹でも労力を無駄にしたくはないんだ。だから、ここは俺とブラッキーに任せてくれ。」
ルカリオはピカチュウに対してこう言った。
「分かりました。」
ピカチュウもこう返事を返して、自分と一緒に一階へと向かった。

「皆さん!落ち着いてください!」
自分とピカチュウは階段を降りて、一階に来た。一階は相変わらず仮死状態となったポケモンたちが次々と運ばれてきていた。ぺラップが大きな声で誘導をしようとしているのだが、この大混乱のなかではあまり意味をなしていないようだ。自分はペラップのもとに駆け寄ると、ペラップはすぐに自分達を見つけたようだ。
「おお!ツタージャとピカチュウ!ここに降りてきたということは、資料での調査がようやく終わりましたか!」
「はい!ルカリオさんに言われてここに来ました。」
ピカチュウは元気良く返事をした。自分は長時間にわたって資料を読み続けていたため、かなり疲れている。
(どこにこんな元気が残っていたのだろうか?)
ぺラップは話を続けた。
「それなら話は早い。君たちは本部内に入ってきている皆さんの誘導をしてください。私だけでは誘導しきれなくてね…。」
(他の皆はどうしているのですか?)
自分は他のメンバーが何をしているのかが気になった。ロコンも自分の部屋で会ってから一度も目にしていないし、一緒に海底神殿に行ったカイリューの姿も見ていない。
「皆さんは外での誘導を行っています。中もそうですが、外はここ以上に混雑しています。更にシューキタウン外からもポケモンたちがやって来ますからね。それに加えて、最近の地震も大きく影響してましてね。街全体が大混乱なんですよ。」
(なるほど、本当に大変なことになっているのだな。)
周囲を見回して見ると次々と患者が運び込まれてくる。荷車で運ばれてくるポケモンたちもいるが、調査団のポケモンによって運び込まれているものもいる。
「ねぇ、君!大丈夫スッか?もうすぐ見てもらえるッスからね!」
「大丈夫だよ!ボクたちも傍に居るからな!」
異変調査班以外のポケモンたちもこの騒動に対応しているようだが、シューキタウン全体でこのような騒動になっていると考えると、冗談を言っていられない状況であるようだ。
「それで、私たちは何をすればいいんですか?」
ピカチュウはペラップに聞いた。
「先程も言ったのですが、本部内での誘導をやってもらいます。ピカチュウは北側、ツタージャは南側の方をお願いします。具体的には、道の中央に立っているポケモンたちを道の端の方に並ばせることです。中央に立っていると邪魔になってしまいますからね。順番に並ばせてくれたら後は私が対応します。お願いしますね。」
ぺラップは一階中央部に戻って誘導を再開したようだ。
「じゃあ、お互い頑張ろうね!」
ピカチュウは本部の北側に向かっていった。自分も持ち場につくため、本部の南側に向かった。
 本部の南側に行くと、そこには多くのポケモンたちが仮死状態になってしまったポケモンを連れて、診察してもらう順番を待っていた。そこには他のポケモンが通るスペースが全くといっていいほどなく、はっきり言って、他のポケモンの通行の邪魔となっている。列を作って並んでいるというわけでもないので、今すぐにでも誘導を始めなければならない。
(皆さん!道の中央にいると、探検団のポケモンたちの通行の邪魔になるので、できるだけ道の端に列を作って並んでください。)
自分は大きな声でポケモンたちにアナウンスした。すると、ポケモンたちは次第に道の中央から端の方に移動を始め、列を作り始めた。
(やれやれ、これでしばらくは大丈夫かな?)
そう思った時、いきなり赤と黒の縞模様が大きく目を引くワニのような容姿をしたポケモン、ワルビアルが自分の目の前に現れた。
「おい、おまえ!探検団のポケモンだろ!俺たちの順番はまだか!」
ワルビアルは大きな声で自分に言い寄ってきた。
(そういわれましても、順番に並んでください。しばらくすれば回ってきますので。よろしくお願いします。)
自分はそう返答すると、ワルビアルはさらに激しく自分を追求してきた。
「ふざけるな!俺たちは息子のメグロコのためにずっと待ってんだぞ!」
そう言って、ワルビアルは自らの背後を見ながらその方向を強く指差しをした。その先には母親とみられるポケモン、ワルビルがぐったりしているメグロコを抱きかかえて、列に並んでいる姿があった。
「だから早くしてくれよ!頼むよ!」
そう言って自分の両肩を掴んできた。ワルビアルとしては、息子のメグロコのことがかなり心配なのだろう。自分のことを本気で睨みつけている。
(うっ…。)
ワルビアルの迫力に圧倒されて何も言い返すことができない。
しばらくこの状況が続くと、ワルビアルの背後から、優しい声が聞こえてきた。
「あなた、落ち着いて。あなたがそう思っているのと同じように、他のポケモンたちも不安な気持ちでいっぱいなのよ。」
声の主は、ワルビルであった。ワルビルはメグロコを抱きかかえたまま、ワルビアルを諭すように声をかけているのだ。
「だ…だけどよ…。」
ワルビアルはそう言いながら、周囲を見渡した。周囲の多くのポケモンたちは、ワルビアルの方を見ている。そのポケモンたちの表情はみな暗く、その顔に血の気がないポケモンさえもいる。
「…すまない。」
ワルビアルは申し訳なさそうに、ゆっくりと後ずさりをしていった。
 確かに、ワルビアルの気持ちはよくわかる。自分の大切な者を失ってしまったときの自分がどんな行動をとってしまうかを想像することは難しい。もしかしたら、自分もワルビアルのように、冷静さを失ってしまうかもしれない。それによって、自分が常識を超えた行動をとってしまったらどうしよう。
 自分は色々考えてうなだれていると、ワルビルが声をかけてきた。
「ごめんなさいね。こんな状況じゃ、みなさん大変ですよ。お気になさらないでくださいね。」
自分はその言葉に少し励まされた。確かにこの場のポケモンたちは、皆どんな形であれ不安な気持ちを持っているはずだ。それは、ワルビルも例外でない。不安な気持ちを持っていながら、自分のことを心配してくれるその心の広さに、尊敬の念を感じてしまうほどだ。
 自分は、仕事に戻った。相変わらず仮死状態のポケモンたちが次々と運ばれてくるため、休む暇がない。自分は、ポケモンが来るたびに、その顔を見るのだが、ほとんどのポケモンたちの顔が暗く沈んでいる。暗く沈んでいないのは、状況が理解できていない幼い子どもたちぐらいである。その子どもたちは、きっと寝ているだけだと思い込んでいるのだろう。
 これだけ多くのポケモンたちがいるため、誘導を行うにも全力で声を出さなければならない。しかし、時々聞こえる子どもの大きな鳴き声が自分の声をかき消してしまう。確かに、機密古文室で調査をしていた疲れはあるが、ここのポケモンたちの立場からすると、まだましである。そう思って、自分は力を振り絞り、声を出し続けた。

 この日は、朝から晩まで一日中誘導の仕事を続けた。そのせいで、自分はもう疲れきってしまった。もう歩くだけで精いっぱいだ。
(…。)
さすがに、夜になるとやって来るポケモンたちの数も減り、ペラップから休憩していいと言われたため、三階に戻った。
三階に戻った自分はもう一言も発することができず、食堂の椅子に崩れるように座り込んだ。その椅子は木で出来ていたため、座り込むと同時にギィっと大きな音をたてた。そして、上半身を机の上にのせてそのままぐったりとした。
ただ疲れているだけだったら休めばそれで良いのだが、実際には精神的にも大分来ていた。どうしても、今日一日で見たポケモンたちの表情が自分の頭から離れないのだ。
(…どうしてなんだ。)
分からない。なぜかが分からない。そもそも、分かっていればこんなに悩むことはない。視界の端でピカチュウとロコンが何かを話しているのが見えるが、今の自分にはそれすら気にならない。それよりも今は、自分の心が強引にねじ曲げられるような感覚に支配されており、もとに戻そうとするのだが、そこに何かしらの抗力が働いているため、物凄く心が痛く感じる。
自分は、しばらく椅子に座りこんだまま思い悩んでいた。すると、自分は横から近づく誰かしらの気配を感じ取った。そちらの方を振り向くと、自分の隣の席にロコンが心配そうな表情で座っていた。ロコンの目は、まっすぐに自分の目を見ている。
「ツタージャ、どうしたの?」
ロコンは、自分に聞いてきた。
(…分からない。)
自分はこう答えた。ロコンは自分を心配して声をかけてきたに違いない。こんな答えではいけないと分かっているのだが、自分にはこれ以外に返す言葉が見つからない。
「そう?…きっと疲れてるのよ。私に任せて!」
そう言ってロコンは自分の頬を舐め始めた。自分の頬には涙が流れていたらしく、舐められるたびに涙が頬から離れていく感覚がする。それを感じるたびに、自分は幾分か心の痛みが和らいだような気がした。
その時、自分の隣にさっそうとピカチュウがやって来た。ピカチュウの表情を見ると、優しい表情…と言うより怒っていると言った方が正しいだろう。
「ロ〜コ〜ン〜!!ツタージャになにやっとんや!」
「え?ただ慰めてるだけよ。」
「それが慰めているの一言ですむと思っとんの!?」
(え?え?ちょ!)
状況が良く分からないが、自分に対する態度をめぐって再び二匹の喧嘩が起こったようだ。それもよりによってこんなタイミングで始まったことに対しては、もう滅茶苦茶としか言いようがない。
「やっぱり、あんたのことなんか信じられんわ!もう知らん!!」
ピカチュウがロコンに対してきつい一言を放った。ロコンはこの一言で心をえぐられてしまったようで、意気消沈してしまった。
(ピカチュウ!言い過ぎだよ!)
自分はピカチュウに対して思わず大声を出してしまった。今回は周囲に他の団員がいなかったため、この前のような騒ぎにはならなかったが、ピカチュウとロコンはビックリしたようだ。ピカチュウは暗い表情になったあと、食堂の出口に向かって歩きだした。食堂の扉を開けた瞬間にピカチュウの表情が一瞬緩んだような気がしたが、こんな状況でまさか笑うはずがないだろう。
それよりも、ロコンが心配だ。ロコンは前足で顔を隠したまま机に突っ伏している。
(大丈夫?きっと、ロコンに嫉妬しただけだよ。)
ロコンはそのままの体勢でうんと頷いた。もしかしたら、自らの優しさを否定されて泣いているのかもしれない。自分はロコンの頭を優しく撫でてあげた。ロコンの白く柔らかい体毛に触れると、ロコンの温もりを直に感じることができた。
(…暖かい。)
その時、自分ははっとした。自分が精神的にも傷ついてしまっていた原因がわかったのだ。
(…そうか。自分は、ピカチュウやロコンたち、仲間を失いたくなかったんだ。今日ここに来たポケモンたちは実質的に大切な者を失っている。自分はそのポケモンたちに感情移入していたのだ。)
自分はそう思ったとき、自分の手が何かに動かされたように感じた。不思議に思ってそちらの方を見ると、ロコンが満面の笑みで自分の顔を見つめていた。
(え?え?どうしたの?)
自分は何が起こったのかが分からない。混乱しているという言葉はこの時のために用意されているのではないのかとさえ思った。おそらく、自分の目は本当に点になっているのだろう。しばらくロコンの顔を見つめていると、ロコンが突然明るく大きな声をあげた。
「やったー!!ツタージャがいつものツタージャに戻った!!」
あまりにも突然すぎたため、自分は座っていた椅子とともに後ろにひっくり返ってしまった。
(うわぁ!いたたた…。)
自分は右手で後頭部をさすっていたがっていると、いつの間にかロコンの隣に笑顔のピカチュウがいた。
「えへへー。」
ピカチュウは照れ臭そうに、右手を後頭部に回している。
(ピカチュウ?ロコンと喧嘩したんじゃなかったの?)
自分はピカチュウに聞いた。すると、その質問にロコンが答えた。
「さっきの喧嘩はね、私とピカチュウのお芝居だったのよ。」
(え?お芝居?ど…どういうこと?)
その一言でも状況が呑み込めない。すると、ピカチュウが自慢げにその問いに答えた。
「なんかさ、ツタージャの様子がおかしいねってロコンに話したんよ。そしたらさ、この前みたいに喧嘩をすれば、ツタージャやったら思わず止めてくれるってロコンが提案してきてさ。その結果こうなったとよ。」
(な…なるほど、理解した。)
自分は、素直に驚いた。まさか、自分のためにここまでやってくれるとは思わなかった。そう思うと、余計に仲間の大切さというものが身に染みてきた。
 その瞬間、自分の身体の力が一気に抜けていくのを感じた。おそらく、ずっと張っていた気が一気に抜けていったからであろう。
(ピカチュウ、ロコン、ありがとう。今日は疲れたから休んでいいかな?)
自分は、ここまでやってくれた二匹に申し訳ないと思いながらこう言った。するとロコンが笑顔で答えた。
「そうね。ツタージャとピカチュウは一日中機密古文室で資料を読んでから、休みなく一階でお手伝いしていたんでしょ?昨日の夜ごはんの時は見かけなかったし。」
「え!私たちって機密古文室に一日中居たの!」
自分もロコンがしれッと言った一言に衝撃を受けた。確かに、機密古文室は窓がなかったため、時間を知る手段が全くなかった。それも、手助けして一日中集中し続けていたのかもしれないが、せいぜい半日ほどだと思っていた。それは疲れるわけだ。
 そういうわけで、自分たちは自室に戻って休もうと食堂のドアを開けると、そこにはルカリオの姿があった。
「お!ちょうど二匹ともいるな。ちょっとこっちに来てくれ。」
そう言われて自分たちは、ルカリオの部屋に連れてこられた。ルカリオの自室は前に来た時よりも物が散乱しており、部屋の中央にだけ足の踏み場がある状況だ。そこにはブラッキーの姿もあり、自分たちの到着を待ち構えていたようだ。
「二匹ともお疲れさん。でも、これからが大変だぞ。」
ブラッキーは自分たちに対してこう言った。
「そうだ、今からブラッキーを含めた三匹でこの場所に行ってもらう。」
それは、シューキタウンから南東に行った海岸沿いであった。距離は、大体徒歩で二日ぐらいの距離であろう。その地点には地名がなく、一見何もないように見える。
「ねぇ、ルカリオ?ここには何があるの?」
ピカチュウがルカリオに聞いた。
「ここには、大昔の火山の噴火によって流れ出た溶岩が冷えて固まり、黒曜石の大地が広がっているところがあるんだ。かなり大規模な噴火だったから、現在この火山は火山としての機能を失って、現在は活動していないみたいなんだ。」
ルカリオがこう説明したが、ブラッキーが追加で説明を加えた。
「この黒曜石の大地は、別名グレートマウンドと呼ばれている。そう呼ばれている理由は、もともと火山があった場所に黒曜石が大きく盛り上がっている場所があるためだ。」
(なるほど、大きく盛り上がった場所、つまりグレートマウンドってことか。)
自分はグレートマウンドに由来について理解したところで、ルカリオがさらなる説明した。
「実は、この火山のマグマだまりがあった場所には大きな空洞があるんだ。そこに、黒曜石でできた大きな門のようなものがあるらしい。しかも、この場所にはある言い伝えがあってな。ここに立ち入ったものは、絶対に帰れない、ただ死を迎えるだけらしいぜ。」
「それはつまり、ネザーが関係しているかもしれないってこと?」
ピカチュウはルカリオに聞いた。
「そうだ。こんな言い伝えがある場所は、やっぱり探検心がくすぐられるぜ!」
(…そういうものか?)
自分はルカリオの言葉に疑問を感じたが、探検家というものはそういうものなのだろう。
「そんなわけで、今まで何匹かのポケモンたちがグレートマウンドに挑戦しているのだ。俺も行ったことあるしな。」
「え?そうなの?」
ルカリオが意外なカミングアウトをし、自分たちは驚いた。しかし、当然ながらルカリオは生きている。
(ど…どういうことなんだ?)
自分はこの言い伝えについて考えていると、ブラッキーが口を開いた。
「驚くのも無理はない。実は、実際に現地に行ってもプルリルとブルンゲルが大量にいるだけで、何も起こらないんだ。けど、そんな言い伝えがあるってことは、何かしらの根拠があるに違いない。だから、ここが資料の示す『クロキダイチ』であると思ったんだ。」
確かに、何の根拠もなくそのような言い伝えがあるのはおかしい。外れであるかもしれないが、行ってみる価値はあるだろう。
「とりあえず、今日は休め。みんな疲れてるだろ?出るのは明日の朝だ。」
ルカリオは、こう言って自分たちに休むように促してきた。
(確かに。…まぁ、ちょうど休もうとしてたんだけどね。)
そういうことで、自分たちは各自の自室に戻り休むことにした。自分は、今までの疲労の蓄積があったので、床に就くとすぐに深い眠りについた。

 翌朝、天気は快晴とは言わないが、雲は少なくて良い天気だ。自分とピカチュウとブラッキーは階段を下りて、探検団を出発しようとしている。
「みんな頼むぞ。ギラティナから仮死状態についての話を聞いて来てくれ。」
ルカリオが探検団の1階まで見送りに来てくれた。他のメンバーたちは、すでに探検団を訪れてきているポケモンたちの対応に追われている。
「任せろ。俺が二匹をしっかり連れて行ってやる。」
ブラッキーはルカリオにこう言った。その言葉に対して、ルカリオはうんうんと頷いた。
「私たちも頑張ります。ルカリオはこっちでの仕事を頑張ってください。」
「おう!任せろ。」
ピカチュウの言葉に、ルカリオがグーサインをして答えた。
「それじゃあ、ルカリオ行ってくるよ。」
そう言って、ブラッキーは南東にあるグレートマウンドへの歩みを始めた。自分たちもそれについていった。振り返ると、ルカリオが手を振って見送っている。
(ルカリオに期待に応えないといけないな。)
自分は強くそう思った。
自分たちの進む方向には、薄い雲で見え隠れしている太陽が昇って来ていた。グレートマウンドに向かっている自分たちは、仮死現象のヒントとなる光へと進んでいるのだろうか。それとも、謎が深まってしまう雲の中へと突き進んでしまうのだろうか。その答えは、あの太陽だけが知っているのかもしれない。
しかし、この道の先がどこへ続こうとも、常に自分の隣にいる太陽の温もりを感じることができる。この温もりさえあれば、どんな困難も乗り越えられる気がする。



 ツタージャたちは、仮死現象のヒントを求めてグレートマウンドへと出発した。この冒険には、誰もが予想できない結末が待ち構えていたのだ。
皆様いつもありがとうございます!今回は、ロコンについての話をしようかな?実は、調査班のポケモンの中で、キャスティングが一番最後に決まったポケモンがロコンだったのです。ほら、アローラロコンってかわいくないですか?白くて触り心地がよさそうで、めっちゃモフモフしたいです!!でも、一番好きなポケモンはツタージャです。特に、ダンジョンのツタージャの顔グラが可愛すぎませんかね?あれを見たら何回でも死ねますよ。
あまり話しすぎると時間がかかりますので今回はこの辺ということで、次回もお楽しみください!

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