7話-2 俺のピッチャーマウンドは俺だけの絶対領域だ。入る輩は許さねぇ。

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読了時間目安:16分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

石ころ無いのにどうやって戦うの?
とありあえず頑張って~!(煽り)

この後、作者は処されました。
電気野郎たちは合図とともに向かってきた敵に向かって全力で走った。カイトは手に骨を生成して“ボーンラッシュ”の態勢に入る。ミルは…新しいワザだろうか。急に立ち止まって口から何かをぶっ放そうとしている。そして放たれたものは、迅速なロケットランチャーのように強烈で高水圧の“ハイドロポンプ”をヤナップに向かって放つ。こちらに向かって来ているヤナップは急な方向転換はできない。まずい!と思って止まろうとするものの遅すぎる。顔面に直撃。効果はいまひとつだとしても机を簡単に粉々にして破壊する怪力乙女には相性など通用しない。ヤナップは15m吹き飛んで白目をむく。


「まずは一匹ね!!」

ミルはそう言って両手に“うずしお”を作り始めた。



一方そのころ電気野郎は…

「とっ!ほっ!よっ!」
下っ端とヤナッキーたちの攻撃をよけるのが精一杯だった。
しかし、攻撃後には必ずスキができる。ヤナッキーが繰り出した“エナジーボール”を右にスッと避けてスキを狙って電気野郎は腹に思い切り拳で殴りにかかる。しかし


ガッ!!!


横から下っ端であるヒヤップが出てきて両手で受け止められた!ボスを守ったのだ。クソッ!!ボスから倒すのは無理だ!まずは下っ端の野郎からだ!
電気野郎はバックステップで後ろに下がる。

「?!」

しかし後ろでは下っ端の一匹のバオップが待ち構えていた!それに気が付いたのは後ろに下がった後だったため避けるすべがない!電気野郎はヤナップがピュッ!と放った“スピードスター”をよけることはできなかった。


「うガッ!!!??」

“スピードスター”が至近距離で背中に刺さる。激痛のあまり、思わず背中を抑えて倒れこんでしまう。背中が焼けるように痛い。背中をナイフで刺されたような感覚。でも!こんなところでくたばっている訳にはいかない!立ち上がり顔を上げる。顔を上げたら

目の前でヤナッキーが“ギガインパクト”を電気野郎に繰り出そうとしていた。無理だ。避けたくても避けれない。ヤナッキーは手をおおきく振りかぶり電気野郎の腹をえぐった。小柄な体型の電気野郎はあっけなく吹き飛ばされる。そして6m先に生えている木にゴッ!という音を立てて激突した。


「5対1で勝てると思っているのか?甘いんだよ!!!!」
ボスのヤナッキーは高々と声を上げた。



ぶつかった木にもたれて俺は
‥‥まずい。このままじゃまずい。体に2tトラックがのしかかっているように、体が鉛のように動かない。重い。……クッソ……!!
そういえばあいつら『また来たのかい?』と言っていた。つまりは探検隊の誰かがこいつらに捻りつぶされたということ。そして見事な連係プレイ。断言できる。こいつらは強い。
そもそも5対1の時点で勝てるわけないと電気野郎は思っていた。状況が不利すぎる。クッソ…!でも、この状況が



とても楽しい。理由はわからないが興奮が止まらない。楽しい。楽しすぎる。なぜなら




ピンチはパワーアップの栄養源だから。逆境に立ち向かうのがこの俺だ。俺はアルバイトでどれだけしんどい思いをしてきていると思っているんだ!あぁん?クレーマーにどれだけ苦労したか。それを乗り越えて俺は今ここにいる。だから、この状況も乗り越えられる。

さぁ、まずは考えろ。俺は今、勝つために何が欲しい?考えろ。3秒以内に考えろ…!考え‥‥!!そうだ。投げるものが欲しい。でもここには石ころは一つもない。じゃぁどうする?…そうだ。



創ればいい。

でもどうやって?……!!!思い出した!


――――――――――――――――――――――――――――――
「そういえば、こうやって電気ぶち込まれてるんですけど、一向にまだ電気が使えないんですよね。出し方のコツってあります?隊長。」

「コツかぁ。正直言って、無い。電気ワザはかなり特殊だからな。出したくて出せるものじゃないからな。」

「え…(困惑)俺はまだ使えないのですか?」

「いや、お前はもう使える状態だ。体内に電気はある。それをどうやって放出するかだ。私が教えることができるのは一つだけ。コツはイメージだ。どのような形の電気をどうのようにして出すか。どうやって敵を倒すかのイメージをすべて考えろ。難しいことかもしれないがイメージが完璧に完成したら簡単に使えるようになるぞ☆」

「完璧なイメージ…ってずいぶん無茶なとこ言ってますねww」
―――――――――――――――――――――――――――――――――

そうだ。思い出した。イメージしろ、俺。

…俺が欲しいものは投げるもの。石じゃなくてもっと楽なものを。そういえば電気で球状のものは作り出すことはできるのか?あ、そうだ。作ればいいんだ。投げるものがないなら作ればいい。ただそれだけのことだったんだ。…ワンチャンいけるな。おっし!やってみるか!!


電気野郎は立ち上がって集中する。もう背中の痛みはない。不思議だ。えぐられた腹も痛くない。
これはアドレナリンといって興奮状態の時に分泌されるホルモンの一種だ。それは、体の痛みを麻痺させて運動能力を最大限まで引き上げる。火事場の馬鹿力とはこれの事である。

電気野郎は目をつぶって全てをイメージする。視界が真っ黒になる。両手で一つの電気を帯びた球を作る。50V程度の威力で、作り方は球の芯をイメージして中心に電気を集中させて層を重ねていく。そうして丸い球状ができるはずだ。ただそれだけの事。目を開けたら、左手には

できたっ!!
「よっしゃぁぁぁぁぁ!!!!」

自然にできるようになっていた。完成した。“エレキボール”である。野球ボールくらいの小さな電気を帯びた球。電気野郎は石ころを投げるのと同様にそれを大きく振りかぶって足を上げて大きく前に踏み込む。そして肩には力を入れずにスッと投げる。それは敵に吸い込まれていくように、ボスの護衛をしていたバオップに当たって電気がビリッとはじける。それだけで相手は戦闘不能状態になる。
なんと清々しいことだろう。新しいワザを手に入れるということがこれほど気持イイイイイイイイことだとは。体験して初めてわかるこの興奮。俺は強くなったんだということが体で感じられる。
ここはピッチャーマウンドみたいだ。そう、感じる。18.44m先にはホームベースとキャッチャーがいる。バッターなんて眼中にない。興味がない。打たれることなど考えていない。俺はただキャッチャーに向かって己の最高のボールを投げること。ただそれだけ。他の奴らがこの聖地に踏み入れることは許さない。
『ここは俺だけのピッチャーマウンド』だから。

「もういっちょーーーっ!!」

一度できたものはクセになって感覚を忘れることはない。もう一度片手でエレキボールを作って下っ端を次々とドコドコぶっ飛ばす。気が付いたらあとはボスであるヤナッキーだけ。


「最後はお前だけだぜ!Fxxk you!!!」
電気野郎はヤナッキーに向けて指差した。


「ク…クソがぁーーーーッッッッッ!!」
ヤナッキーの悔しがる声。

フン、ざまぁみろ。強盗や殺しをした連中が何を言っている?

俺はピッチャーマウンドでおおきく振りかぶって“エレキボール”を投げた。そして、衝突する。



バシィィィーーーン
衝撃音とともに周りが煙で覆われる。

ヤナッキーは




無傷である。
「なぁーんてね。植物は電気を通しにくいんだよ。そんなことも知らなかったのかい?」


植物である草は非常に電気を通しにくい。空から落ちる雷は例外で、何万ボルトという強すぎる電圧のあまり木が燃える。しかし電気野郎のような50V程度の弱い電圧の場合、わずかなダメージはあるがほぼ効果がない。だから無傷なのである。


煙が晴れて視界がよくなる。
「ん?どこに行ったんだ?ピカチュウの野郎。俺を恐れて逃げたのかい?ふっふっふっ!俺は最強なんだよ!!」





「へぇ…最強ねぇ…だとしたら俺は貧弱なコンニャクだな。」

「!?」
ヤナッキーは
(どこからかピカチュウの声がする…?どこだ?どこにいる?)

「植物が電気を通しにくいことも知ってるからな」
さらに聞こえる。

「おい!隠れていないで出てこい!」
ヤナッキーは罵声を上げる。


「ん?俺は隠れてなんかいねぇよ。ずっとお前の後ろにいるぜ?」

?!
ピカチュウの衝撃発言に動揺しながら後ろを振り向く。


「そ…そんな馬鹿なぁぁぁぁ!!!」


ゴッ!!!

電気野郎はヤナッキーの顎を思いきり殴る。昇竜拳を連想させる渾身のアッパー攻撃(ワザではない)である。

ヤナッキーは目の前が真っ暗になる。そして地面に崩れ落ちた。


「へっ!貧弱なコンニャクをナメてると痛い目に合うんだぜ!覚えておきな!…と言っても聞こえてないよな…。…わろたww」
電気野郎はボロボロになった顔でふふっと笑った。








・・・・・
カイトはバオッキーと一騎打ちである。下っ端は全員倒したらしい。
拳と拳の一騎打ち。先ほどから激しい攻防戦が続いている。避けては拳と拳がぶつかり合いまた避ける。そんな攻防戦が2分間続いている。
バオッキーの“炎のパンチ”とカイトの“ビルドアップ”で強化された体で撃ち込む“はっけい”が炸裂して強風と衝撃波を生む。
勝負はカイトがやや劣勢。やはり体格の大きさが威力に差を生んでいる。圧倒的に体が大きいバオップの方が優勢である。
衝撃波と反動によってカイトはあっけなく吹き飛ばされる。
バオップは多少バランスを崩す程度で済んだ。しかし、
「?!」
「!!」
“炎のパンチ”を放ったバオッキーの右腕が痺れて動かせない!カイトが放った“はっけい”の特殊効果である。“はっけい”は漢字で「発勁」と読み、東大陸に伝わる武術であり秘伝技である。相手の神経を刺激させて麻痺を引き起こす技である。しかしながら麻痺の発動率は低く30%程度である。現在劣勢のカイトにとってはラッキーなことであった。
吹き飛ばされた体勢を立て直し、カイトはすかさず骨を手に持ってバオッキーに向かって走る!だがしかし

「うガッッッ!!!!??」

倒れていたはずのヤナップが無理に強引に立ち上がり、ピンチのバオップを助けようと横からカイトに“とっしん”を繰り出した。それはカイトの左横っ腹に直撃した。
不意の攻撃にカイトは受け身をとることができず豪快にすっ飛ばされる。

「ッッッッ!!!!!!!」

痛くて起き上がれない。まずい。バオップが右腕の感覚を取り戻しつつある。というか完全に治っている。まずい。このままじゃダメだ。

「畜生!!!立てェェェェ!!!俺!!立てよ!立ってくれ!俺のカラダ!!」

カイトは声を張って叫ぶ。
立てと思っているのに体は動かない。クソッ!!クソッ!!


「おやおや?動けないのかァい?残念だったねぇ。バトルはこれまでのようだなッ!!さぁ!トドメだっ!歯を食いしばって痛みを味わえ!!!」


バオッキーの勝利を確信した口調にカイトはムカッとする。動けない。でも、

気合だけで立ち上がった。痛む横っ腹を抑えて。しかし、既にバオッキーはこっち向かってきていた。あと4m、3m、2m。あ、間に合わない。間に合わない!!!
万事休す。
その瞬間に


何かがバオッキーの顔面に向かって何かが飛んできていることにカイトは気づいた。

それは


ヴァチィィィィィィッッッ!!!!!!


それはバオッキーの顔面に直撃した。
それはバチバチと音がして弾けた。バオッキーはあっけなく吹き飛ばされ白目をむく。


「緊急登板!中継ぎピッチャー!ただいま見参!!
お ま た せ ☆」

それはピースサインをしてキャピキャピしているバカ野郎だった。
それは電気野郎の“エレキボール”だった。

「電気!!ナイスタイミング!!いやぁ~助かったよ!ありがとう!」

「あ///ありがとうだなんてっ///お///おぅ///」

カイトの素直な声に電気野郎は戸惑うのであった。




そういえば

え?ミルはどうだったかって?
「察しなさいよっっ!!結果くらいわかってるでしょ!!楽勝よ!!!もういいもん!!ふん!!」
ミルは大きな声で言いましたとさ。ぷんぷん!!!




(ふて腐れているミル可愛いなぁ(クソ作者の声なので無視しましょう。))









・・・・・
「さぁ、おとなしく警察に行くよ」
電気野郎はそう言ったが…
「「「‥‥‥」」」
「「「「「「「「「「「「‥‥‥」」」」」」」」」」」」


Wednesday一行は犯人15匹全員に鉄製の手錠をかけてマーズタウンにある警察へ連行する。
15匹皆下を向いて何も喋ろうとしない。そりゃそうだ。これから警察にぶち込まれる身になったらしゃべる元気もないはずである。電気野郎は少し同情してしまった。

その瞬間!!

「はぁぁぁぁぁぁッ!!!!」
バオッキーが大きな声で叫んで手錠を強引にぶっ壊した!

は?!馬鹿なっ?!鉄製だぞ?!そんな力がどこから?!
さらにヤナッキーもヒヤッキ―も強引に手錠をぶっ壊した!
それから次々と下っ端の手錠をも壊していく!
手錠を外してもらった下っ端が次々と逃げていく!

クソッ!クソッ!このままじゃ!このままじゃ!全員に逃げられる!

「カイト!ミル!ボスだけは逃がすな!ボス3匹だけは押さえろ!」
電気野郎は伝えた。


「おいおい待てって。俺たちは逃げやしねぇよ」
ヤナッキーがそう言った。


「は?どういうことだ?」
電気野郎が反論する。


「俺たちの可愛い子分なんだ。捕まえるのは俺達だけで十分だろ?」
「いろいろ命令したのは私たちだし」
「全部俺たちの責任だ。あいつらは何も悪くないだろ?悪くないヤツを警察へ連れて行くのもなんだか理不尽だろ?逃がすくらい、いいじゃんか。」

ヤナッキー、ヒヤッキ―、バオッキーの順で話してきた。



「‥‥‥フン。勝手にしろ。でもお前たちだけは警察にぶち込むからな。」
電気野郎は渋々そう言った。


「そんな怖いこと言うなよww」

「「「あはははははっwwww」」」
バオッキーがそう言うとボス三匹は笑った。


唐突に電気野郎はあることが気になった。


「そういえば気になったんだが、お前ら手錠ぶっ壊した時たしかノーサインだったよな?じゃぁ、どうやってコンタクトをとっていたんだ?」


「あぁ、あれかい?いつか俺たちは捕まっちまうだろうと思ってね。ずっと前から捕まった時は『一斉に拘束を解く。俺たちのことはいいから、お前らだけでも逃げろ』って約束があったんだよ。覚えてくれてたんだね。あの子たち。」
ヒヤッキ―が口を開いた。


「ふーん」

そうだったのか。

一つ分かったことがある。こいつらは強盗を繰り返している悪党だけど、最低のクズではない。ゴミクズ野郎ではない。これだけは断言できる。

バトルで俺が苦労した連係プレイの秘訣はこれだったんだ。上下関係は厳しいがそこには深い信頼関係があったんだ。


「なんだかお前らを捕まえた俺たちが変に思えてきたよ」
電気野郎が思ったことを口に滑らせてしまう。

「そうか?じゃぁ俺達を解放してくれよな?」
ヤナッキーがおねだりしてくるがもちろん

「‥‥‥いやだね。」
電気野郎は拒否。

「なぁ~んだぁ。ちぇ~っ!つまんねぇの~」
「「「wwwwww」」」


ボス三匹は笑いながら警察へぶち込まれるのであった。
この後、可愛いと言った作者はミルにも処されました。

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感想

お名前:しろあんさん
なんか前回の感想から結構空いた気がしますが、ここまで読了しました!((
後半は改稿前とあまり展開は変わってませんでしたが、一部の真面目なシーンは描写が増えていて謎が深まった感じがしますね。(血塗れのメッセージ、一体何を意味して……?)
というかギルド評価点ってあれ、カゼだったのか……それに気付くとはカイト、貴様只者じゃないな!?本当に気付いてたのかは分からないけれど!((
今は忙しいかもしれませんが、続きをゆっくり、楽しみに待っています!頑張ってください!
書いた日:2018年10月07日
作者からの返信
読了ありがとうございます!
さすがカイトです。他人の力を借りるのが嫌らしいですw
作者はバカでまっすぐでワガママなカイトが大好きです!
現在忙しくて書けていませんが頑張ります!楽しみに待ってくれたら嬉しいです!!!
ありがとうございます!
書いた日:2018年10月07日