4話-2 寝る子は育つという言葉があるがそれは本当なのか

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

再スタートを見事にキメてしまった三匹。
がんばれ
11月29日。 修行196日目。

電気野郎、カイト、ミル、は手首、腕、指、足に変な輪っかのようなものを身に付けている。(?)

勉強と仕事が両立するようになった。授業もまじめに受けている。だが、稀にアレが起こってしまう。


フライゴン(教官)「つーまーり!ここで「ひあがりだま」を使ってはいけな‥‥」
「「zzzzzzzz」」

「ねぇ!起きなさいよ!起きてってば!!」
電気野郎は白目をむいて寝落ちしている。カイトは寝息を立てて机に伏せて寝ている。やはりこれだけは避けることができない。授業中に眠くならない方法なんて無い。仕方ないことなのである。ミルは電気野郎とカイトをゆすっても


カイト「zzzzzんんん電気‥‥おやつはもう食べた‥‥の‥‥?zzzzzz」

電気野郎「zzzzzんんん‥‥明日は焼きそばパンの特売日‥‥zzzzz」
返事がおかしい。ただのゴミ(睡眠学習をしているバカ2匹)のようだ。


「ん?あなた達?寝た時の罰ゲームは分かっているのかしら?」
罰ゲーム。それは。ミルのとっておきの技だ。
急に席を立ち電気野郎とカイトの前に立つ。
両手を限界まで上に掲げて力を抜く。そして‥‥

「よいしょぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

ガゴン!!!!×2
ズガァァァン!!!
電気野郎とカイトの頭を渾身の力で振り下ろす!小柄な体型だが、物理法則を無視して彼女の強烈な一撃は電気野郎とカイトの頭蓋骨にヒビを入れるかのような音を発生させる。
その衝撃は机にもかかり、電気野郎とカイトが寝ていた机は粉々に粉砕した。


「「‥‥痛っったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」


電気野郎「うぐぉぉぉぉぉぁぁぁぁぁ!!!!」

カイト「うわああああああああんまりだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
二匹のバカは激しい痛みに耐えきれず教室を暴れ、悶える。


フライゴン「オイそこ。うるさい。静かにして。おぉそうだ。お前らさっき寝てたんだろ?じゃぁこの問題解いてみろ。[ひあがりだま]を安易に大量に使ってはいけない。その理由は何だ?」

「「水を枯らして環境破壊の原因になり、その地域のポケモンの生態系が崩れるからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」」


フライゴン「‥‥正解。あ、そうだミル・コサイン。君に最高のプレゼントだ。『机の修理代』を払ってもらおうか。」

「あっ……‥‥。」
こうして、ミルの借金は減るどころか増えていった‥‥。
ああああああああああ借金が増えてしまうとは…。あああああどうしよぉ。

ドンマイ!ミル・コサイン!!!









pm5:37

「お待たせいたしましたぁ!タロイモのチーズグラタンでございます!」

「おぉ!ありがと!あんた今日もバイト?いつも頑張ってるねぇ!もうこの店の正社員なんじゃないの?」
常連のニドキングが話しかけてくれた。

「残念ながらまだアルバイトなんですよ~。正社員になったら時給もかなり上がるので早く正社員にしてくれってガルーラさんに言うんですけど‥‥」

「ははははwwwじゃぁ俺がガルーラに相談してやろうか?ww」

「是非!おねがいします!ww」
この店の常連客ポケモン達かなりしゃべるようになった。しゃべれるようになってきてだんだん仕事が楽しくなってきている。
たまにはこんなお客も。

「お客様~!」

「あ?なんだよ。」
たまに大声で話して周りに迷惑をかけてしまう客がいる。挙句の果てに誰かの悪口を大声で言ってるし。こんな時はいつも俺の出番。はぁ、相手が筋肉モリモリしてるカイリキーじゃねぇかよ。

「あの‥‥他のお客様のご迷惑となってしまいますので、大声で話すのはやめ‥‥」
「うるせぇんだよクソガキ。俺らは『お客様』なんだろ?お客様のニーズに合わせない店なんだな、ここは。」

「申し訳ございませんが周りのお客様のm‥‥」
「はいはいはいはいはいはいはいうるさい!黙れ!!!」
カイリキーが繰り出したのは“きあいパンチ”。威力は非常に高く、殺傷力がある技だ。それが電気野郎めがけてシュゥッ!!と向かってくる。


ぱッ!


「へっ?」
妙な音がした。“きあいパンチ”は岩を粉々にするほどの威力がある。なのにさっき聞こえた音は手を強くたたいた時に出る響きがいい音。カイリキーは自分の放った拳を見て驚く!電気野郎が『右手だけで受け止めた』からだ。

「はぁぁぁぁぁぁぁ?!なんで?!なんで右手だけで俺のスーパーウルトラパワフルな“きあいパンチ”を受け止めたんだぁァぁ?!」

「お客様~♪それ以上の暴力は別料金ですよ♪」
電気野郎はニヤけた。

嘘だ…嘘だ…と言いながらカイリキーは圧倒的な力の差を見せつけられて店から飛び出そうとする。パニックなのだろうか。電気野郎はカイリキーが店から逃げ出る前にカイリキーを追い越して入り口のドアの前で仁王立ちをした。

「お客様♪お会計は225Pになります♪……まさか食い逃げするつもりではありませんよね?」

「っ!‥‥‥…分かったよ払えばいいんだろ払えば」
カイリキーはちゃっかり代金を支払って店を出て行った。

たまにこういう奴がいるんだよなぁ。接客や飯にいちゃもんつけてタダで帰ろうとする奴。…まぁ力の差を見せつければ何とかなるんだよね。

そして周りから拍手喝采の声が聞こえる。「ヒューヒュー!あのピカチュウに手を出したら殺されるぞぉ~ww」「ちーがーうーわよ!カイリキーが弱いんじゃなくてあのピカチュウが強すぎるのよww」「すごいぞー!ピカチュウー!今回のファイトマネーはいくらだ?ww」「ピカチュウかっこいい~!お母さん!僕もあんな強いポケモンになりたい~!」

「お客様!皆様が心地よく食事を楽しむためにも、店内ではできるだけ大声を出さないようお願いします!」
「はっはっは!しょーがないなぁ!」「そんなのわかってるわよ~!」
周りから称賛の声が。

いや~!ここに働いて本当に良かった!俺めっちゃ強くなってるじゃん!!
と思う電気野郎であった。だが、

「‥‥‥。あああああああああ!!!!いったぁァぁァぁァぁァぁァーーーー!!!!!!」

やはり“きあいパンチ”を片手で受け止めるのは無理があったか。あとから強烈な痛みが襲いかかった。電気野郎はじんじん赤くなっている右手をおさえて、涙目になって次の料理を運ぶためにキッチンに向かうのであった。まだまだ電気野郎は半熟なのである。



「カイト!そこの小麦粉持ってきて!」

指差したのは約25kgの巨大な小麦粉の詰まった袋。バイト初日に三匹が駄々をこねながら運んだ記憶がある。

「ういーっす!」

カイトは軽々と掴んで期待に胸を膨らませる新人配達業者のようにスキップしながらガルーラのところへ持っていく。

「♪くーりすーまーすがことしもやーってくるー♪~らららんらんらん♪らららんらんらん♪らら‥‥」

クリスマスはまだまだ先である。



…彼らがこんな怪物になってしまった理由は一つ。『特別訓練』というものだ。



__________
時はさかのぼり、合格書類を破り捨てた翌日の9月29日。

pm4:12  ガルーラの店。

ガルーラ「今日からあなた達にはこれをつけてもらうわよ!」
そう言って地面に何かズン!と重たそうな輪っかのようなものを置いた。

「これって何です?」

「純度99%の『鉄』だよ」

「「「鋼鉄‥‥」」」

「そう!これをずっと手首、指、腕、足にすべてつけなさい。」


「はぁぁぁぁ?!」
ミルは噓でしょ?!みたいな顔をして言う。

「「やったぁ~!鉄だ!鉄だ!純度99%!」」
電気野郎とカイトは狂喜!圧倒的な光景である。鉄を体につけることの何が嬉しいのだろうか。とにかく、この二匹は頭がおかしいのである。
とりあえず三匹はもらった純度99%の鉄を装着した。


ミル「うわ‥‥クッソ‥‥重たぁ。」


電気野郎「なぁカイト!バンザイできるか?」

「やってみるわ!‥‥ふんぬっ!!!ごごごごごごお!‥‥‥‥はぁ。無理ww」
カイトは腕が135度の角度で限界になった。

「ははははっwwwまじかwwwやべーなコレww」
重たずぎて両手を上にあげることすらできない。

ミル(これで仕事するのかよ‥‥萎える…)
電気野郎(これで接客するのかよ‥‥やばそうww)
カイト(鋼鉄鋼鉄鋼鉄鋼鉄鋼鉄♪)

「あっ、その鉄は寝てる間もとっちゃだめよ。次の試験に合格するまでずっとこのままね♡」

「「「ん?今なんて?」」」




この特別訓練は一般のポケモンがしてはいけない。体が潰れて死ぬ恐れがあるからだ。だが、彼らはハードなスケジュール、暴力、亀裂、愛情。つらい日々を乗り越えて生きている。決して弱い生き物ではなくなった。そして真っ直ぐを貫くような生き方、素晴らしい人格。ハクリューはこれに惚れた。だから使用の許可をした。


12月31日。木曜日。修行288日目。

pm7:33


「あなた達!今日はもう終わりな!」


「え?ガルーラさんまだ7:30ですよ?」

「あんたたち知らないのかい?!デデンネのギルドじゃ年越しの日にパーティがあるのよ!まだ間に合うから早くいってきなさい!」

「「「そうなの?!」」」
でも、ギルドのポケモンとはあまり関わりが少ない。バイトから帰ってきたらメンバーは全員寝てる。就寝時間を過ぎて電気野郎たちは帰ってきているのだ。日曜日は宿題があったり、そしてギルドメンバーは忙しそうに仕事に励む。日曜日は一週間の中で最も忙しい。なぜなら休日ということで子供たちが親に内緒で探検をするため、ダンジョンによく入る。そこで迷子が多く発生するのだ。さらに日曜日だということで買い物をするポケモンが多く、近道をするためにダンジョンに入って敵に襲われたり‥‥文句が言いたいくらいだが、これは命にかかわること。最悪死に至る。どんな理由でもやらなければならないことである。だから忙しいのだ。電気野郎たちが目を覚ました時には、救助依頼が殺到してギルドのポケモンはあまりいない。関わりがないポケモン達と話すことができるのだろうか?心配である。

俺はコミュ障じゃねぇよな?????




pm8:22


「「「「「「「「「「「ハッピーーーーーーニューーーーーーイヤーーーー!!!!!!」」」」」」」」」」

三匹がギルドに帰った時、待ち構えていたかのようにお祝いしてくれた。
大きなテーブルの上にはパスタや揚げ物、スイーツなどたくさんの料理が並んでいる。


電気野郎「まだ年は越していないですよ?ww」

カイト「はっぴーにゅーいやー!」

「「乗っかるんかいww」」


「「「「「「「「「「あははははははっっっ!!!wwwwww」」」」」」」」」」」


デデンネ「君たちパーティーは初めてだったね。私たちはお祝いの時はいつも仕事を休みにしてパーティを開くんだ。そして新しい彼らを紹介だ。今まで出張に行っていたチーム“Express”のニドキングたちだ。」

そこにはニドキング、エレキブル、ビーダルの三匹。あ、見覚えがあるポケモンが。


電気野郎「あぁーーー!ニドキングさん!!」

デデンネ「ん?知り合いか?」

ニドキング「あ‥‥」

電気野郎「いや~まさかガルーラの店の常連さんがギルドの方だったなんて知らなかったっす!」

バシャーモ「は?常連?何言ってんだ。ホルスタウンに行ってたんだぞ?まさか‥‥。」

ニドキング「ああぁーーー!!!ごめんなさい!だってあそこの店すげー美味いんだもん!ついついハマってしまって常連さんになっちまった!てへ☆」

周りが爆笑している。
「おいおい!それでリーダーが務まるのかよ~!変わった方がいいんじゃないかぁ?www」「うるせー!仕事やったからいいじゃん!」と冗談を含めたケンカが始まった。

「ケンカか?オウ!やれやれー!」「おれはキングドラに990p(日本円で約4400円)だ。のるか?」「いいだろう!俺はバクオングに賭けるぜ!」そんな賭博をする声が聞こえる。(よい子は賭博をしてはいけません!)


バクオング「じゃぁ今回は腕相撲で勝負だ!」
ニドキング「おぅ!やってやろうじゃねぇか!」

ここはなんて暖かいところなんだろう。そう思う三匹だった。

デデンネ「全くお前ら仲がいいなww。ニドキング!仕事はちゃんとこなしたんだろうな?」

「もちろんであります!あ、そういえば隊長にお土産です。」

ニドキングはデデンネに大きい瓶12本と巨大な樽を渡した。


ニドキング「ホルスタウンの名物、ホルスビールとワインです!」

デデンネ「おぉ!これは素晴らしい!ありがとう!残業終わりにでも飲もうかな。」

バシャーモ「これは素晴らしい!ありがたく受け取るよ!」

ニドキングはいえいえ、どういたしましてというような顔をしている。

ミル「そういえばホルスタウンってどこにあるんですか?」


ニドキング「おぉ!そうだったな!ついでにホルスタウンでの俺たちの活躍を語ってやるぜ!」
ニドキングたちはホルスタウンのとこや武勇伝を語ってくれた。


バシャーモ「あれ?ケンカはしないの?」




‥‥ホルスタウン。西大陸の中心部にある大都市である。ここが西大陸の首都である。商業や工業が発展したそこは、朝も昼も夜もお祭りがあるかのように騒がしい。道路がコンクリートできれいに整備され、カラフルな二階建ての家が並ぶ。

ホルスタウンの近くでは農業も盛んであり、麦や果物などが多く栽培されている。そこでニドキングらExpressはホルスタウン周辺にいて迷惑している盗賊の狩りなどをしていたそうだ(盗賊狩り)。


ニドキング「それでな、盗賊のペルシアンが俺に向かって“でんこうせっか”でこっちに向かって来てな、それでな、それをスゥッとかわして破壊光線をお見舞いしてやったぜ☆」

そんな武勇伝を聞いていたら時間はもう日付が変わる時刻になっていた。


57、58、59、0!!


「「「「「ハッピーニューイヤー!」」」」」

ギルドメンバー全員が叫ぶ。拍手の音が聞こえる。それは山崩れが起きるのでは?というくらいに大きな音だった。原因はやはりバクオングだ。
「うるさいんだよ!声の加減はできねーのかよ?!」「うるせーー!そういえば腕相撲の決着つけてなかったな。勝負しようぜ!」「おうおう!やる気かい?望むところだぜ!」「じゃぁ行くぞ!3,2…ちょっ!卑怯だぞ!まだ始まってないぞ!」「誰がカウントしろなんて言ったんだい?だれも言ってないし!好きに始めていいだろこれくらい!」「うッ!クソがッ!ぬぉぉぉぉぉぉ!!!」

ニドキングとバクオングの腕相撲は愉快で場がすごく和む。
「いけいけ!金がかかってんだぞ」「今週は金欠だから勝ってくれないと夜にビール飲めないんだぞ!!」「押されてんじゃねーよバクオング!もっと本気出せよ!熱くなれよぉ!」

大人たちは愉快な夜を過ごしている。ふーんとそれにあまり興味がない三匹は隊長に話しかける。


「そういえば今年って何年なの?」

「今年は1971年だ。」

「?!は?まじで?なんで?!1971なの?!めっちゃ昔じゃんww」

「そういえばまだ言っていなかったね。あなたが倒れていたのは1970年の5月17日。それからあれこれたってもう年越しかぁ。早いわね。」
ミルよ知ってたならなぜ言わねぇんだよ。
今年は1971年。馬鹿な。そんな馬鹿な‥‥。俺が人間だった頃はたしか‥‥覚えていない。あっさりとした回答に言葉が詰まる。‥‥まさか本当に‥‥。





1970年代‥‥

それは激動の時代の始まりであることをまだ彼らは知らない。
次回、探検隊国家公務員試験。

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