ハルトだけの宝物

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v主人公♂️の曇らせがあります
キーンコーンカーンコーン
「今日は朝礼があります。みなさん、グラウンドに集まってください」
学校のチャイムと共にタイム先生のアナウンスがハルトの部屋に響く。

グラウンドにみんなが集まるとクラベル校長が喋り出した。
「みなさん、宝探しはどうでしたか?大きさや形は人それぞれだと思いますが、自分だけの宝物は見つけられたのではないでしょうか?今日で宝探しは終わってしまいますが、ぜひ見つけた宝物のことを忘れずに。それでは、この後の授業も頑張ってください。」
クラベル校長のスピーチが終わりみんなが自分の教室に向った。

ハルトが自分のクラスに入るとジニア先生が話し始めた。
「みなさぁん、宝探しはどうでしたかぁ?様々な宝物を見つけたと思いますが、今日はそれをレポートに書いて提出してもらいまぁす。」
ここグレープアカデミーでは宝探しと称して課外授業を行う。そして、課外授業が終わると自分の宝物をレポートに書いて提出することになっている。
ハルトはレポート用紙を受けとり、何を書くか考え始めた。
(何について書こうかな。今回の宝探しはたくさんいろんなことがあったからなぁ。一つ一つ思いだそう。スター団は、ぼくは何も知らずかちこんだだけだからなぁ。これはボタンとクラベル校長がMVPな気がするし、違うかな。スパイス集めは、ヌシポケモンやスパイスについて調べたのはペパーだし、ぼくはついていっただけ感あるよなぁ。もうちょっと自分の主体のものを選ぼう。チャンピオンは、ジム巡りは楽しかったなぁ。でもネモに誘われてやり始めたしなぁ。どこ行ってもネモがいたし、自分だけのっぽくないな。他には、エリアゼロ?でもあれも、ミライドンとか博士のAIが解決したし。自分だけの宝物ってなんだろう…)
キーンコーンカーンコーン
「みなさん、レポートは書けましたかぁ?書けたら教卓の上に置いて下さぁい。」
授業終了のチャイムと共にジニア先生の声が聞こえた。しかし、ハルトのレポート用紙は白紙だった。
「あれぇ?ハルトくん、白紙じゃないですか。」
「いろいろ考えたんですけど、なんかどれもしっくり来なくて、」
「そうですかぁ。ハルトくんは本当に色々ありましたもんね。気持ちの整理がつきにくいでしょう。これはまた今度で大丈夫ですよぉ。」
「そうですか、わかりました。ありがとうございます。」
ハルトはそうは言ったものの別に気持ちの整理がついてない訳じゃなかった。むしろ整理され過ぎていた。

ハルトは自分の部屋に戻った。
(何でどれも自分だけの宝物じゃなかったんだろう。いろいろあったけど全部他人のことだったのかな、別に自分の役割はぼくじゃなきゃいけない訳じゃなかったし。他のみんなは自分だけの宝物を見つけてるし、ぼくは何もできなかったのかな。)
ハルトは、今からでも遅くないと自分だけの宝物になりそうなものを考えた。そして
「そうだ!レホール先生が言ってたやくさいポケモンを探しに行こう!」
ハルトはレホール先生から話を聞き、パルデア地方に封印されているポケモンとそのポケモンを封印している杭を探しに行った。

ここはグラウンド。いつものように、キハダ先生のバトル学の授業が始まろうとしていた。
「今日も元気にバトル学!押忍!やっていくぞ!あれ?ハルトはまた欠席か、最近多いな。えーと、ネモ!」
「はい!」
「ハルトの様子はどうだ?何か聞いてるか?」
「そういえば最近私もあってないんですよ。授業が終わったら連絡してみます。」
「ああ、よろしく。」
授業が終わり早速ネモはハルトに電話をした。
「もしもし、ハルト?ネモだよ!」
「ああ、ネモか。どうしたの?」
「最近見てないからさ。何してるのかなって。今バトル学の授業があったけど、それにもにも出てないじゃん」
「いや、ちょっと忙しくて。」
「なら良いけど、ちゃんと授業も受けなよ。」
「うん、じゃあまた。」
そう言って、ハルトは電話を切った。

ここは生物室。いつものように、ジニア先生が生物の授業をしている。
「どおも、どおも、お勉強を始めましょう。出席はっと。あれぇ、またハルトくんが居ませんね。ボタンさん。」
「うぇっ!?は、はい。何ですか?」
「ハルトくんについて何か聞いてますかぁ?」
「えと、特に何も。」
「そうですかぁ、心配ですね。もし良かったら連絡をとってみてくださぁい。」
「あ、はい。」
授業が、終わりボタンはハルトに電話をした。
「もしもし、ハルト?」
「ボタン?どうしたの?」
「いや、最近みてないからさ。授業にも出てなかったし。」
「ああ、それね。今はちょっと忙しくて。」
「そーなんだ。ウチも心配だからちゃんと顔だしてよ。」
「うん、わかった。じゃあ。」
そう言って、ハルトは電話を切った。

ここは家庭科室。いつものように、サワロ先生が家庭科の授業をしている。
「諸君、スマホをしまいたまえ。前回は…ん?ハルトくんがいないな。ここ最近全く見てないし…ペパーくん!」
「はい?」
「ハルトくんについて何か聞いているかね?」
「そう言えば、オレもあってないです。」
「そうか、心配だな。授業後にでも連絡してあげなさい。
「はい。」
授業が終わり、ハルトに電話をしようとしたところ、
「ペパー!」
「うわ!ネモ、ボタンも。二人ともいきなりちゃんだな。どうしたんだ?」
「最近ハルト見た?ウチら全然見てなくて。」
「先生たちにも聞いたけど、ここ一週間誰も見てないって!」
「んで、ハルトのお母さんにもハッ…じゃなくて、確認したんだけど帰ってないってらしくて。」
「そうなのか?!オレも今電話しようとしたところだけどよお。」
「ホント?!じゃあほら早速!」
「ああ、もしもし、ハルトか?」
「ん?ペパー?どうしたの?」
「どうしたもこうしたもないぜ!一週間もアカデミーに来てないみたいだよな。いったいなにしてんだ?」
「別に。ペパーに関係のあることじゃないから。」
「それはわかったけどよ、今どこにいるんだ?みんな心配してるぜ。それに、なんか避けられてる気がするし。」
「そんなことないよ。じゃあ切るね。」
「おい!まて!」
ハルトは電話を切った。
「なんなんだ?!なんかおかしかったぞ、ハルト。」
「うん。私たちを避けてるみたいって言ったら急に電話切ったもんね。」
「なんかあったんかな?」
「ホントに心配だな。オレ達だけ見つけれるかわかんないねぇけどよ、ハルトのこと探そうぜ。」
「うん、スター…STCのみんなにも探すの手伝ってもらう。」
「うん、お願い。」

「よし、この辺りの杭はこれで全部かな?」
「アギャギャ」
「何だよミライドン。今アカデミーに行ってもぼくの宝物は見つかんないよ。」
「アンギャ!」
「何?まだなんかあるの?続きはまた今度ね。」
そう言ってハルトはミライドンをボールにしまった。

「ピーニャさん。あれ、ハルトさんじゃないですか?」
アジトの入り口にいた元スター団員がピーニャにそう話しかけた。
「え!ホント?!おーい、ハルトくん!みんなが君のこと探してるよ!」
ピーニャはハルトを見つけ、呼び掛けた。しかし、ハルトは聞こえていないのかこちらを振り向きもしない。
「おーい、ハルトくん!おーいってば!」
近づいて呼んでも反応しない。
「ハルトくん!ハルトくん!」
そう言って、ピーニャが肩を叩いた、
「うわあぁぁ!何!何だ!」
「何って、君のことをみんなが探してるよ。」
「あ、そうなんだ。」
「ハルトくん。みんなに連絡もしないで何やってんの?」
「宝探しだよ。」
「宝探し?宝物もうあるじゃないか!」
「違うんだよ。他人についていって見つけた宝物じゃなくて、自分だけの宝物を探してるんだ。」
「いや、関係なくない?ハルトくんの宝物はハルトくんの宝物だし。」
「うるさいな。気楽で良いよね、もう自分だけの宝物がある人は。」
「えっ?なにいってんの?ボタンは宝物じゃないの?」
「ボタンは君たちの宝物じゃないか。ぼくは自分だけの宝物を探してるんだよ、」
「え?、そんな言い方はないんじゃないかな?てっ?あれ?どこだ?」
ハルトはピーニャと話している間にミライドンに乗ってまた姿をくらませてしまった。

「え!ハルト見つかったん?!」
「うん。話しかけたんだけど、すぐにどこかに行っちゃって。」
ピーニャはあのあとすぐにボタンに電話した。
「そうか…」
「それになんだかすごく疲れているような感じだったよ。」
「疲れてる?」
「そう、ここ数日まともに寝てないんじゃないかな。」
「それ、マジか?!」
すぐそこにいたペパーがピーニャに聞いた。
「はい、そうなんです。それにボタンが友達じゃないみたいなことも言ってて。」
「ああ…やっぱそうなんだ…ハルトにも嫌われちゃったか…」
「なんかそういう感じでもなくて。なんか自暴自棄?な感じで。」
「何があったんかな?」
「心配だな。やっぱりオレが見つけてあげないとちゃんだな。」
そう言って、ペパーはアカデミーを飛び出した。

「あとは、北東だけだな。」
「アギャ」
「なんだよミライドン。早くあっちに行きたいんだけど。」
「ギャスギャス!」
「なに?ミライドンもピーニャみたいなことを言うのか?わかった、いいよ。これからはタイカイデンに運んでもらうから。」
「アギャ…」
そう言ってハルトは、ミライドンとミライドンのボールを置いて北東の方に行ってしまった。

「とはいえ、どこから探すかなぁ。」
ペパーは勢いよくアカデミーを飛び出したはいいものの、どこから探すか迷っていた。すると、
「ギャス!」
「あれ?!ミライドン!なんでここに?ん?ボールもあるじゃないか!もしかして、ハルトに捨てられたちゃんなのか?」
「アンギャ…」
「そうなのか。やっぱりハルトなんかおかしいな。ミライドン、ハルトのとこまで運んでくれるか?」
「ギャス!」
「よし!ハルト、いま見つけてやるからな。」

「やっったー!最後の一匹、ついに捕まえたぞ!」
ハルトは今までに捕まえたパオジアン、チオンジェン、ディンルー、イーユイをボールから出した。すると、ミライドンに乗ったペパーがハルトの前に降りた。
「ハルト!やっと見
「ペパー!ぼく、自分だけの宝物をやっと見つけたんだ!ほら見てよ、パオジアンのこの滑らかな体!チオンジェンのモサモサな葉っぱ!ディンルーのカッコいい器!イーユイの可愛らしい目!どれもぼくだけの
「そうじゃなくて!なんだよ、なにも言わず、アカデミーにも行かず、こんなボロボロになって!最後に風呂入ったのいつだ?ちゃんと寝てんのか?飯もまともに食ってないだろ!」
ペパーはやっとハルト会えた安堵感から、少し怒り気味に一気にしゃべった。
「なんで?なんでぼくの宝物を誉めてくれないの?なんで頑張ってみんなにも追い付こうとしたのに?なんで
「何でって、もうあるだろハルトの宝物。ほら、みんな待ってるぞ。」
「違う」
「ん?」
「違うんだよ!それはぼくだけの自分だけの宝物じゃない!ぼくが今まで宝物だと思っていたのは、全部誰かのだったんだ!」
「それは違うだろ!」
「違くないよ!ネモはぼく、ボタンはスター団の仲間、ペパーはマフィティフ、みんな自分だけの宝物を持ってるのにぼくだけの持ってないんだよ!だからこうやって探してたんじゃないか!」
「じゃあオレ達はお前にとってなんなんだ!」
「自分だけの宝物を見つければ誉めてもられると思ったのに…もういいよ。タイカイデン、行くよ。」
ハルトはボールからタイカイデンをだしまたがった。
「おいハルト待てよ!」
「タイカイデン早く」
「タイカイ…」
「おいハルト!」
「早く」
「タイカ…」
「おい!」
「早く!」
「カイデ…」
「返事しろよハルト!」
「早く早く早く早く早く早く早く早く」
タイカイデンはハルトとペパーの様子を見て抵抗していたが、ついにハルトを乗せてどこかへ行ってしまった。
この小説を書くきっかけになった動画と、その動画の元掲示板です
元動画https://youtu.be/STBSCnB27c4
掲示板https://bbs.animanch.com/board/1553146/

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