【滅ビシ獣ラ】現の歩み、薄暮の話談【三次創作】

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作者:仙桃 朱鷺
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読了時間目安:8分
こちらは、伊崎つりざお様連載中の【滅ビシ獣ラ】の三次創作になります。



「シド、風邪ひかないように体の汗拭くから、ご飯ちょっと待ってな。」
「ばるるッ!」

シドが足で地面をだんだんと踏みながら返事をする。
進化したばかりで体格も変わったが、問題なく俺を乗せて大地を疾駆し、高低差がある経路も難なく飛び越えた。
拭くだけではなく、できれば洗ってやりたいけど、もう夕暮れなのでちょっと時間が厳しい。シドの空腹アピールも出ていることだし
明日の日中に時間取れるだろうか……
丁寧に手早く汗をぬぐっていく、アヤシシに進化してからさらに大きくなった。自分も成長期でよかった手が届く。
拭きながら体を見る。毛並みもよく、筋肉の張りもしっかりしている。角もカルシウム不足ということもなく艶々と輝いている。
首周りの長い毛が絡まないように梳って、できれば蹄の様子もチェックしたいがシドが我慢の限界になりそうなので、明日に回すことにする。
シャズに水を出して貰って、グルグルとタオルを回してから水を飛ばしてもらう。
後でちゃんと洗濯するけどひとまずはこれで良し、シャワーズの能力がとっても便利だ。
まだ夕食にはできないので空腹をごまかすように、シドが好きなポケマメをおやつ代わりに皿に盛ってだす。
その後で、ほかのポケモンの様子を見る。順番に手入れをしながら体調を確認していると、突然声を掛けられたストームだ。

「よー迷霧フォッグやっぱりここだったな!」
ストーム?呼びに来るような急なことでもあったんすか?」
蒼穹フェアがさー、絶対迷霧フォッグは遅れてくるだろうから呼んで来いって言われてさっ、あんなにきつめに言わんでもいいじゃんな、やっぱスケバ、むぐっ」

図書館で調べ物をしていた時に約束の時間に気が付かず、食事を冷ましてしまったことまだ許されてないな。でも、せっかく作ったんだから出来立てを食べてほしいのはわかるわかると考えていたら、
続いた言葉に思わず、片づけだしていた手入れセットを置いて、持っていたいかりまんじゅうをストームの口に入れて言葉を遮る。

「その言葉次言ったら肘じゃなくて、きっと薙刀が飛んでくすっるよ。思ってても、うっかり口から出さないように気を付けて下せえ。蒼穹フェア嫌がってるんすから」
「……おー」

口の中が片付くまで黙っていたストームが気の抜けたような声を出す。

ストームが最初にそう呼んで俺らが全員公定したせいで、余計に火に油だったんすよ。ストームは、よく手合わせしてて話すことも多いんすから、気をつけなきゃダメっすよ。印象は強いと思うっすけど」
「気を付ける……わざと怒らせたいわけじゃねーし」
「それがいいっす。……話してると喉乾くっすよね、ハニースカッシュとパイルジュースどっちいります?」
「ありがとう。ハニースカッシュの方で!」

道具も片付け終わって、シドもポケマメを食べ終わったので、ボールに戻しストームと一緒に蒼穹フェアの待つ部屋へ向かって飲み物片手に話しながら歩く

「そんなにいろいろ考えて、気を回してさー迷霧フォッグって実は年上だったりしないかー?実際年齢は推定なんだろ」
「そっすけど…環境とか個人差の範囲でしょう、わからないままこれ以上自身の謎が増えるのはちょっと……とっかかりになるものが多すぎても調べきれねぇんで」
「保護された時に自己証明できるものがほぼ紛失してたんだっけ?」
「そうっすね……カード破損、ボールにはヒビまで入ってて開封できなくて壊してポケモン達取り出したって聞いたっす。シャズのボールは無くなってたから、どのボールも登録データも見れんっかったんすよね……」
「そこまで物が壊れてんのに、オマエがほぼほぼ無傷っていうのは何と言うか運がよかったな」
「そっすね…ほんとに、どうして俺は無事だったんすかねぇ……」
「しゃわわっ、わわーしゃ」

ボールに戻さないで、横を一緒に歩いていたシャズが主張するように鳴いた。
ずっと一緒だったのだから、シャズはきっと理由知っているのだろう。ポケモンの言葉はわからないから詳しく聞けないのが残念。

「……そーいや、さっきも片付けるの見てて思ったんだけど、手入れ道具めっちゃ多いよな。使い切れてんの?」
「みんなの毛質とか、状態に合わせて使うの変えてるんすよ。汚れ落とす櫛と、艶出しの櫛。クリームも保湿メインのとか、べたつきが少ないのとか、磨き布に、今日は使わなかったっすけど、シャンプーもいくつか使ってみて――」

「(やべっ、これ前に長雨レインに言われた迷霧フォッグに持ちかけない方がいい話題系統だ!)」
「――って感じに個々に合わせて使うものは変えてるんすよ。角に蹄に、毛皮、羽、鱗、脚鱗、皮膜になってるところとかもういろんな形状があるんで、使いやすいのと、みんなが気に入ったやつとかを選んでったらだんだん増えってっただけで――」
「(飲み物飲みながらだから止まらねぇ―!気になったことをとことん突き詰めようとするのは知ってたけど、何言ってんのかわっかんねぇ)」

「――んで、メーカーで比べて、塗るのは香り付きのものより無香料のがみんな好きだったんで、後はそれぞれに合う成分のを選ぶようにして、道具も使いやすいの見つけるまで何種か試してみて、鑢も何パターンか試したんすけど、爪と言ってもやっぱり硬さが違うんで力の加減で削りすぎたりしないように――」
「(長雨レイン合流してきて話しさえぎってほしい……)」
「――手入れで触れあって体調確認にもなって、全部終わった後にキレイに整った皆を抱きしめる時なんて、それはもう最高で、シャズとは一緒に寝てるからやっぱり手入れが行き届いてると抱きしめ心地も猶更よくて、一緒にいるときの安心感がゆるぎないっす。シドは――」
「(助けて)」


提供させていただきました。キャラクター「迷霧」フォッグ君のお話。
嵐君と一緒。


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