※『こちら葛飾区亀有公園前派出所』とのクロスオーバー作品です
〜葛飾区〜
子供「えっ、両さん『カビゴン』持ってるの?」
両津「ああ、タマゴから孵った。5体いる」
中川「『ポケモン』ですか?」
両津「スマホアプリの『ポケモンGO』だ。わしは歩き回るのが得意だからな。昨日だけで50kmは歩いたぞ!」
中川「ものすごい身体能力ですね……」
子供「あ、カビゴンもミニリュウも。イーブイの進化系とかもいる!」
中川「先輩、また交換とかでおカネを取るんじゃ?」
両津「そうしたいが、携帯ゲームのポケモンと違って交換することが出来ないんだ。アカウントごと売るって手もあるにはあるが」
中川「それは色々と問題な気がします……」
〜派出所〜
両津「しかし、今のポケモンGOブームは凄い! 街中で誰もがスマホを見ながら歩いてるぞ」
中川「普段、ポケモンをやらない層にも受け入れられていますからね。ゲームボーイ時代のポケモンブームの再来とも報じられています」
麗子「この前、海外の友人に言われたわ。『日本で入手しやすいポケモンがいるから今度日本に行きたい』って」
両津「凄いな。ポケモンのために来日までする気かよ」
中川「世界中でのブームですからね」
ガラガラ─
(派出所の戸の開く音)
大原「おはよう。何の話だ?」
両津「おはようございます部長! ポケモンの話ですよ」
大原「お前が10万円でインベーダーのゲームをわしに売りつけた話か(※こち亀107巻参照)」
両津「ぶ、部長! そんな顔しないで! その話じゃなくて、今大ブームのポケモンGOの話!!」
中川「部長はプレイされているのですか?」
両津「そもそもわしはスマホを持っていないからな。孫や友だちは遊んでいるようだが」
麗子「あら? 部長、そのお孫さんの大介君が派出所に来られたわ」
大原「なに?」
大介「おじいちゃん! スマホ預かってよ。今から合宿なんだけど、スマホ持ってったらいけないんだ」
大原「ま、待て待て! ワシに物を預けたらロクなことには」
両津「おう、久しぶりだな」
大介「あ、両さん! ポケモン図鑑どこまで埋まった?」
両津「今は120匹ほどだ」
大介「うわすごい! ボクはまだ90匹ぐらいなのに」
大原「そ、それってすごいのか?」
中川「平地や海側でしか現れないポケモンもいますし、先輩がポケモンGOを始めたのが4日ほど前なので、凄いですよ……」
大原「その集中力と体力をもっと仕事に活かせないのかコイツは」
大介「じゃ、よろしくおじいちゃん!」
大原「お、おい、ちょっと待て」
麗子「行っちゃったわね」
大原「全くもう……ん、スマホの画面が開きっぱなしだぞ。なに……『博士に送る?』。送ればいいのか?」
中川「部長が大介くんのスマホをいじってますよ」
両津「スマホを触ったことないのに……大丈夫か?」
大原「ん? 『ポケモンのアメ』? が沢山送られてきた……が、なんだこれは?」
両津「「げげっ!! 部長!!! またしても、なんてことを!!!!」」
大原「な、なんだ両津!? デカい声で??」
両津「部長、大介くんのポケモンを全部消してしまいました!!!」
大原「な、なんだと!? わしはポケモンを送っただけだぞ!? 逃してはない!」
中川「ポケモンを送るというのは、逃がすのと同じなんですよ」
大原「元には戻らんのか!?」
麗子「一度送ってしまったら、戻りません。大介くんポケモンをお気に入りにはしてなかったようだし……」
両津「あーあ、部長。大介くんグレちゃいますねぇ。非行少年になって、悪友たちとバイクを乗り回しちゃいますよ」
大原「そ、そんな……」
中川「先輩。手伝ってあげましょうよ……」
両津「いや、いい。このまま部長が困るのをしばらく見ていたい!」
大原「ぐむむむ……」
〜翌日〜
良子(部長の奥さん)「あらあなた、おはようございます。お散歩へ?」
大原「うむ、ちょっとポケモ」
良子「ポケモン?」
大原「い、いや、なんでもないんだ!」
大原(ポケモンを捕まえに行くなど、まるで子供だ。言うのも恥ずかしい)
大原「お、ポケモンが出てきた……ピカチュウだ! ボールを投げて……」
大原「なに、ボールから出たぞ!」
ピカチュウは逃げ出した!
大原「なんと……逃げられてしまうとは。ん? おお! タマゴが孵る!!」
シェルダーが生まれた!
大原「さっき、野生で出たのに……。まだ何個かタマゴが残ってるが……なっ、あと8kmも歩けだと!?」
バッテリー 残り35%
大原「なに!? もうそんなに減るのか!?」
通りすがりのおじさん「ちょっとアンタ、うるさいな! それに歩きスマホは危ないぞ! 最近増えてるんだから」
大原「は、はぁ……すみません」
大原(アイテムも少なくなってきた……わしの家の周りにはポケストップが少ないからな……)
大原「もう……疲れた……」
〜数日後〜
麗子「部長さん、最近有給続きね」
中川「慣れないスマホを頑張って覚えてまで、ポケモンGOをプレイしているようですよ」
両津「だがポケモンGOはリアル体力も使うからな。そろそろ泣きついて来る頃だと思うが……」
ガラガラ──
大原「「頼む両津、残りのポケモンを捕まえてくれ! もう数日で大介が帰って来る!!」
両津「ほら来た」
中川「ぶ、部長……日焼けが凄いですね」
大原「わしはもう限界だ……もはやお前の体力しか頼れない!!」
両津「頑張りましたね、部長。まぁ私なら、楽々に捕まえてみせますけどね」
大原「ほ、本当か!?」
両津「ただし!! 無償な訳じゃないです。……ン万円でどうですか?」
大原「なんだと!?」
両津「大介くん、グレてもいいんですか?」
大原「う〜〜〜〜む……。せ、せめて○○円で……」
両津「ダメです、○○円……」
麗子「ネゴシエーションが始まったわ」
中川「先輩のワンサイドゲームだろうけどね……」
〜数日後〜
中川「先輩、何ですそのアプリは?」
両津「わしが造った、スマホの位置情報を偽装できるアプリだ! これさえ使えば楽にポケモンをゲットできる。歩き回る必要もなく、部長からン万円ゲットだ!!」
中川「ズルくないですか……」
両津「あっ、なに!? な、なんてことだ!」
中川「ど、どうしました!?」
両津「チート行為がバレて使えなくなった……」
中川「も、もう大介くん帰って来るのにどうするんですか……?」
両津「うーーむ……」
〜そして〜
大介「おじいちゃん、スマホ預かってくれてありがとう!」
大原「はは、ま、まぁな……」
大介「あれ?」
大原「ど、どうした?」
大介「僕のポケモン、みんなポッポとかになってる……」
・ポッポ(NN:サンダー)
・オニスズメ(NN:ファイヤー)
・ドードー(NN:フリーザー)
・コイキング(NN:ミュウツー)
etc…
大原「ア、アイツゥ………」
〜翌日〜
ドドォォォンッ!!
大原 in 10式戦車「ポケモントレーナーの面汚しのクソ両津は何処だ!!」
麗子「きゃあ!!」
中川「ポケモンマスターを目指す旅に出掛けました!」
〜おわり〜
原作107巻のポケモンの話を知らないとイミフかもしれないです