マイと仲間の旅理由。

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作者:仙桃 朱鷺
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旅の途中、町のイベント広場にポケモン美容室の露店がでていた。
旅を始めて暫く経ち、手持ち達の毛並みがちょっと悪くなっているような気がする。自分でも頑張ってブラッシングしているが、せっかくだからプロにやってもらうのもありだなと思いユカリはその露天に向かうことにした。
露店の受付に座っていたロコンがアローラの固有種の姿だったのもあって、ちょっと郷愁を感じたのも無意識だったけど足を向ける理由の1つになっていたのだ。
アローラを旅立ってから久しぶりに見たわアローラロコン。とっても毛艶が良くて、美容師の腕がよくわかるわ。わたくしを綺麗にしてくれているこの人があなたのトレーナーなの?それじゃあわたくしもとても美しくなれそうで嬉しいわ。
話を聞きたい?そうね、わたくしも話すの好きだからお話ししましょう。わたくしはマイ。オドリドリという種族です。あなたはあさまというの。どんな話がいいかしら…旅や仲間の話?そうれじゃあ、話しましょうか。

わたくしはトレーナーのユカリと共にアローラ地方から旅立ちました。
旅の仲間はリーダーの縁(えにし)とトレーナーを乗せて移動するアントラーです。アントラーはオドシシという種族で、彼は平均よりも体格がよくしっかりしていて、わたくしもよく角に止まらせてもらっています。
この角はまるで目玉のように奇妙な形をしており、絶妙な曲がり具合で通過する空気の流れを微妙に変える事で、極めて小規模の不思議な空間を作り出してしまうという特性があるそうで、更にはずっと見ていると吸い込まれそうな催眠状態に陥り、最後にはゲシュタルト崩壊を起こして体の感覚が狂い立てなくなってしまうというということがおこりうるようですが、今のところわたくし達に害があったことはありませんので今日もユカリは背に揺られ、休憩中は私の止まり木代わりにさせていただいています。
背に乗っているユカリは角を通過する空気を浴び続けていることになりますが、本当に何事もないようです。アントラー自身が力を抑えているのか、育てて慣れているものは平気になるものなのでしょうか。
わたくし自身、踊りで引き寄せられた魂の力を借りて戦うという誘惑魅了系なのですが、私が舞っているときもユカリは特に問題なく過ごしています。人間というものは強い生き物ですね。

ユカリの旅の目的は縁が進化できない理由を探ることです。イーブイはしんかポケモンと呼ばれるほど周りに適用し、姿を変える生き物のはずなのですが、縁は何年たっても進化の兆しが現れず、なんと進化の石すら効果が出なかったのです。他にも人とのかかわりで姿を変える懐き進化に、環境に適応して地域差でする進化などイーブイの進化には様々な方法があるのですが、どれにも…
アローラにはZ技という独自の技を使うバトルスタイルがあり、イーブイは固有技もありますから、戦力不足ということもなかったのですがそれはそれとして進化できないことが疑問で、わたくし達はその理由を知ることができたらと思うのです。
ユカリのご両親二人でイーブイの進化系がそろっていましたので、幼い頃などは縁は何に進化するのがいいのか、進化したい姿は何かとユカリが縁に話しかけていたのだとわたくしは聞きました。
元々、縁はユカリの父親のポケモンで、幼い頃からとても仲が良く、それこそすぐにでも懐き進化しそうだというのにです。
うっかりかわらずの石を飲み込んだということもなさそうですし、とても不思議なんです。アントラーは卵の時にユカリのご両親に渡されて孵ったので、ずっとその家族の中で育ったのでもう、いい人たちでいいところだというのは確信しているのです。
だからこれはもうきっと環境の問題ではなく、縁に何かあるのだと考えたのです。
わたくしは元々ユカリの親が経営しているカフェの常連から譲られた身の上で、アントラーは父親のオドシシの息子です。血縁が近くにいて、特に変わりはありません。
でも、縁だけは違います。ご両親のイーブイの進化系たちと誰とも血縁ではないのです。血がつながってなきゃ家族じゃないとは言いませんが、ルーツがわからないので、進化できないのが遺伝なのかもわからないのです。
この旅で、縁の進化できない理由を知ること、または縁と同じ進化しないイーブイに出会うことができたらと。もちろん故郷に無い物を楽しみながらという旅の醍醐味も満喫しながらね。
旅の目的は多種多様ですよ。あさまのトレーナーもそうでしょう?似た理由があってもきっと同じものはないのでしょうね。
旅の中こうして知り合ってお話して、自分の知らない話を聞くのも面白いです。あさまの話も聞かせてください。あなたの仲間は旅はどんな感じなのですか?
縁もアントラーもマイも皆、艶々になった。これがプロの力。
マイは終わった後も受付にいたアローラロコンと楽しそうにずっとお話していた。
情報収集にとユカリは裏方をしていたロコンを連れた青年に、変わったイーブイの話を知らないかと聞いてみることにした。
青年たちが前に居たガラル地方という場所でその土地固有の、ダイマックスバトルという話を聞けた。
そして、詳しくは知らないがという前置きで話してくれたのは、ダイマックスするポケモンの個体にキョダイマックスという、また違う姿になる個体がいるということだ。
通常時だと気が付かない個体差のようだ。もしかしたら知りたいことの手掛かりになるかもしれない。ユカリは暫くここで過ごした後、次の目的にガラル地方に行くことに決めた。

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