水色の牙

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作者:白城
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読了時間目安:36分
剣盾の♀主人公ユウリの最後のジム戦話です。

吹き荒れる砂の嵐が容赦なくユウリのポケモンたちの身を削る。
最後のジムバッジを懸けた、ラストジムチャレンジ。
視界を砂で閉ざす向こう側、ぎらつく水色の眼光がまっすぐにユウリを射抜いていた。
天候操作によってスタジアムを我が物にしてみせている彼、ジムリーダーであるキバナは間違いなくこれまで戦ったトレーナーの中で一番手強い――。
その確信がユウリの不利に追いやられた戦況をなお実感させる。
当然だ、彼はガラルのジムリーダーの中で「最強」の烙印を押されている。
それこそダンデというライバルがいなければ、チャンピオンの座に就いていても不思議ではないほどに。
ジムチャレンジャーにとって最初の関門であるカブとのバトルも緊張させられたが、彼よりも遥かにキバナとの攻防は苛烈を極めていた。

ドラゴンタイプはフェアリータイプを苦手とする。
そのためにユウリはガラルポニータをギャロップに進化させて、ジム戦に臨んだ。
このジム戦はダブルバトルでの戦いになる。
ギャロップには一番手を担ってもらい、相方として選出したのはフェアリー技を覚えていたエーフィ。
どちらも素早さが高く、先制パンチで相手の動きを制するつもりだった。
上手くいけば、そのまま押し通せる可能性もある。
――――が、ユウリの見通しは甘かったのだと嘲笑うようにキバナとドラゴンポケモンたちは熾烈に牙を剥いた。

出だしは好調のはずだった。
すなあらしによる視界の悪さで、相手の姿が捉え難い状況においてもエスパー特有の感知力はいかんなく発揮された。
2匹が放つマジカルシャインの薄桃色の光は、砂に閉ざされたスタジアム内に眩く満ちる。
それにつられて観客の歓声も沸き起こり、ユウリの口元にも笑みが刻まれていた。
ユウリの思い描いた展開ならば、ギガイアスはまだしもドラゴンタイプを持つフライゴンは確実に戦闘不能に追いやれる。
そう、そのはずだった。
しかし、吹き荒れる砂の壁の向こう側で、虫の翅に酷似した翼を持ったドラゴンのシルエットが影絵のように浮かび上がる。
ユウリとギャロップが同時に息を呑んだ。
フェアリー技などものともしなかったかのような動きで、フライゴンがギャロップの眼前まで迫っていたのだ。
ユウリが驚くのも束の間にキバナの鋭い指示によるフライゴンの鋼鉄化した片翼は、ギャロップの前脚へ叩き込まれる。
キバナは、フェアリー技の使用云々ではなく強靭な足腰を自慢とするギャロップの素早さを早々に潰しに掛かったのだ。
体勢を崩されたギャロップの背後へと回り込んだフライゴン。
先程とは反対側の硬化した片翼を無防備なギャロップの背へと落とす。
フェアリータイプは、はがねタイプに弱い。こちらが突いたはずの弱点だったのに。
瞬く間に返り討ちにされ、ユウリはその瞬間、思わずギャロップの名前を叫ぶことしかできなかった。

次いで、ユウリの耳に届いたのはエーフィのくぐもった悲鳴だった。
急いで見やれば、エーフィの薄紫色の身体が砂に埋もれている。
すなあらしに紛れて気づき難かったが、ギガイアスによる「すなじごく」がエーフィに下されていたのだ。
そこでようやくユウリは察した。
こちらが2匹同時に放ったと思っていたフェアリー技。
けれど、本当はこちらと同様に開始早々「すなじごく」の指示を受けていたギガイアスによって、エーフィの動きは最初から封じられていたのである。
それにより2体同時のフェアリー技を受けずに済んだフライゴンが、体力を削り取られることなくまっすぐにギャロップへと向かっていたのだ。
これはシングルではなくダブルバトル。
2体同時攻撃の強力さに目が眩んで、ユウリは相手が百戦錬磨のドラゴンポケモン使いで、ダブルバトルを得意とするジムリーダーであることを失念していた。
それと同時に単純なタイプ相性の有利さで敵う相手でないのだと。
ダブルバトルならではのコンビネーションで真っ先にギャロップを戦闘不能へと追い込んだキバナたちは、そのままエーフィまでも下してしまった。
元より特殊攻撃力こそ高いエーフィだが、その反面で打たれ弱い。
フライゴンのかみくだく攻撃とギガイアスのボディプレス。
容赦ない物理攻撃を一気に受けたエーフィは、フィー……とか細い鳴き声を零して、あえなく目を回してしまった。

「おいおい、どうしたどうした!こんなもんじゃねえだろ!ダンデが見込んだトレーナーよ!」

もっとオレさまを楽しませろ!と、張り上げられた声に合わせて振り下ろされた腕は、ドラゴンクロ―の如く砂の宙を掻いた。
彼にとってはあっけのない戦闘不能だったのだろう。こちらの戦況に枯渇を滲ませ煽ってくる。

出鼻をくじかれたどころか、このバトルの主戦力をたった10分以内で失った。
描いていた展開を崩されても、ここまで勝ち進んできた自負があるユウリは、焦りかける気持ちを落ち着けるようにモンスターボールを手に取った。
執拗に吹き荒れるすなあらしが集中力を紛らわせようとする。
ザラザラと、人間のユウリの肌さえも傷付けんばかりのそれを一身に受けながら、ユウリは一度目を閉じた。
胸の前でぎゅっと握りしめるのは、あの日ハロンタウンでもらった大切なモンスターボール。
中にいるパートナーは、大丈夫だというようにユウリの掌に振動を送る。

次いで繰り出したのは、彼女の最初のポケモンであり、エースと銘打たれたインテレオン。その隣に顕現したのは、キュウコンだ。
すかさずギガイアスによって蒔かれたステルスロックが出てきたばかりの2匹に襲い掛かる。
しかし、機先を妨げられても2匹の眼光は衰えるどころか鋭さを増していた。
2匹は、ユウリの手持ちの中でも古株である。
信頼関係も戦い方もお互いによくわかっていた。

反撃開始だ。
向かい風のように吹き荒ぶすなあらしに負けず、ユウリは前方へ腕を掲げて指示の声を張る。

ギガイアスは、わるだくみを積んだキュウコンのソーラービームで倒しにかかる。
悪天候によりソーラービームを放つまで時間が掛かってしまったが、その間のキュウコンのカバーにインテレオンが奔走する。
その素早さを活かしてフライゴンの攻撃を掻い潜りながら、ギガイアスがキュウコンへ放つロックブラストを悉く「ねらいうち」で撃ち落としてみせた。
すなあらしによる視界の悪さや集中力を削ぐ礫のダメージをものともしていない、冷静沈着な正確さ。
インテレオンの能力の高さに刺激されたらしい、キバナの高らかな笑い声がすなあらしの向こう側からユウリの鼓膜を揺らす。
楽しそうなその声につられて、ユウリも指示を出す声の語尾を高めた。
壁となるインテレオンが高く跳び上がったと同時にキュウコンのソーラービームが発射された。
草のエネルギーを最大まで結束させた光の束は、すなあらしを突っ切ってギガイアスの岩の体躯を穿つ。

砂に浸されたフィールドに崩れ伏し、戦闘不能となったギガイアス。
ボールへ戻される相方の姿を横目で捉えたフライゴンの咆哮が砂の空を裂く。
赤いレンズの奥の眼は円らさを失って鋭く尖り、キバナの指示を受けてインテレオンへと狙いを定めた。
攻撃対象にされたことを察して目を細めたインテレオンも構えを取る。

ユウリの手持ちの中で最もレベルが高いインテレオンだが、ドラゴンタイプが苦手とするこおりタイプ――その技を使えるみずタイプへの対策もキバナは怠っていなかった。

インテレオンのれいとうビームをかわして懐へと潜り込んだフライゴンが、かみなりパンチによる攻撃を仕掛けてくる。
それを素早く後ろへ跳んでかわしたインテレオン。
間を置かずに横からキュウコンが飛び出してフライゴンの攻撃を逸らさせようとするが、邪魔だとばかりに振り回されたワイドブレイカーがキュウコンごとインテレオンを吹き飛ばした。
追撃のため、2匹の上を取るフライゴン。
キュウコンの炎が壁となって迎えるが、再びワイドブレイカーで炎を薙ぎ払い、すなあらしと炎の隙間から垣間見えたインテレオン目掛けて、はがねのつばさで突進する。
今だと叫んだのはユウリとキバナ、両方だった。
インテレオンのれいとうビームが鋼鉄の翼を凍らせて、ついにフライゴンを地に落とす。
けれど、直後。
すなあらしとすなじごくによって小規模の砂漠と化したフィールドを蹴ったフライゴン。
首を伸ばした先――インテレオンの急所へと執念の如くかみくだく攻撃を食らわせた。
インテレオンとフライゴンが地面を縺れるように転がっていく。
パワー差でマウントを取ったフライゴンが、高々と翳したかみなりパンチをインテレオンの頬へと叩き落とした。
コーンッ、とキュウコンがインテレオンに向けて甲高い鳴き声を上げる。
抉るように入れられたかみなりパンチは、インテレオンの全身へと電撃を走らせ、その体力を一気に削ぎ落してしまったのだ。
だが、意識を失う寸前、至近距離によるねらいうちが同じくフライゴンの急所を射抜く。
この反撃にはキバナも驚かされたらしい、焦りを帯びた声がフライゴンの名前を叫んでいた。

相打ちへと持ち込んだ2匹の姿に観客のエールや歓声はより一層大きくなる。

すでに3体を失ったユウリに対して、キバナの使用ポケモンはあと2体。
ユウリの手持ちは全部で5体――キュウコンと、そして次に繰り出すポケモンがラストだ。
今までも苦戦をしたことは何度かあったが、ここまで劣勢にさせられたのは初めてかもしれない。

大きな動作でユウリより先に投げ込まれた2つのハイパーボールから、それぞれサダイジャとジュラルドンが飛び出した。
どちらかがキバナのダイマックスを行えるエースであり、切り札だ。
ざらついた砂に何度も乱暴に撫ぜられた頬に汗が伝う。

「負けるかも、なんて思っちゃいないよなァ!まだまだ、ここからだぜ!なあっ!」

吠えるような声がユウリに向けられた。
最初ほどの勢いこそなくとも十分に視界は悪いままである、すなあらし――その向こう側で勝気さを上回って獰猛さを秘めた笑い方をしているキバナは、まさしく獲物を屠るドラゴンそのものだ。
試合前の陽気な笑みが嘘のようにつり上がった水色の眼の中に、ユウリの顔が浮かんでいる。
ユウリは、まだ彼の中で捕食対象なのだとわかった。
……ちがう、このままではいられない。
成す術なく捕食されるようなか弱い少女ではなく、倒すべき相手として対等に見られたい。
強いのだと、彼に示したい。
強ければきっと彼は、はじめてユウリの姿を"強者"として映してくれる。
強く在りたかった。強くなりたい。
だって、そうすればきっと……、

「ユウリ!最初にオレさまが言ったこと、覚えてるだろうな?
ダンデに勝つ……それがどれだけ厳しいか、アイツのライバルであるこのオレさまがたたきこんでやるって言葉だ!」
「!」

ダンデ――その名前にユウリの闘志にも火が付いた。
このジムチャレンジを勝ち抜けば、次の舞台へと進むことが出来る。
辿り着く先は、ダンデ――そう、ガラルで最も強いチャンピオンが立つスタジアム。

旅を始めたのは偶然だった。
最初のポケモンをもらえることもサプライズだった。
幼なじみのホップのようにキラキラした憧れが決してないわけじゃなかった。
ずっとずっと夢の舞台でしかなかった場所まで、あと一歩なのだ。
ユウリを外の世界へと連れ出してくれたのは、ホップと、そしてポケモンをくれたダンデ。
ユウリをここまで連れてきてくれたのは、ダンデにもらったポケモンと、旅の中で出会えた仲間たち。
そう、だからこそ立ち止まるわけにはいかない。
強くなれば、辿り着ける場所がある。
チャンピオンになれた暁には、宣言したいことがあるのだ。
このガラルで一番、一番――、

「まだまだ負けない……っ。だって、わたし、大好きなんだもん……!」

ガラルで一番このコたちが――ポケモンが大好き!
このコたちと紡いでいく絆が形になる、ポケモンバトルが大好き!
その気持ちが、ユウリをここまで――否、この先へ進ませてくれる。
どこまでだっていける。このコたちとなら何にだってなれる。チャンピオンにだって、ぜったいになれるんだから!

「だから、強くなるの!」

そのとき、コーーン!と鳴き声が上がった。
ユウリの瞳を映す紅の眼、それを無邪気に輝かせたキュウコンが9つに分かれたの豊かな尻尾を振る。
すなあらしの中にあっても決して見失うことのない、金色の輪郭。
うれしそうで、楽しそうな、そんな笑みを湛えた顔は美しいのにあどけない。
大好きだと言われたキュウコンは、ワタシもよ、というようにユウリを見つめていた。
そして、その目は――だからこそ「勝ちたい」のだという、強い意志を秘めたものへと変わる。
ユウリは迷いのない頷きを大きく返した。

「おねがいっ!」

すなあらしの中へと放られたハイパーボールが大きく口を開ける。
飛び出した白い光は、あっという間にこの場にいる誰よりも大きな形を取って、重々しい着地音を響かせる。
大砲でも撃ったかのような重量感。
細やかな鋼鉄の欠片がスタジアムの人工的なライトに照らされて、すなあらしの隙間を縫ってキラキラと反射している。
ぐわりと開いた巨大な口。生え揃う牙さえダイヤモンドの強度を誇っていた。
ポケモンの中でも屈指の巨体と強度を誇るそのポケモンは、ユウリが新たにワイルドエリアで仲間にした、てつへびポケモンのハガネールだった。

「オレさまがダブルバトルをチャレンジャーに望むのは、あらゆる状況に対応できるか見定めるため!
オマエがそいつらと ここからどう反撃するのか、見せてみろよッ!!」
「望むところですっ!キュウコン、ハガネール!」

いくよー!と精一杯声を上げるユウリに、キュウコンは尻尾を高く振り上げ、ハガネールは吠えるような仕草でそれぞれ呼応する。

その様子にキバナはフッと口元を緩ませた。

ドラゴンタイプのジムだからと安易にフェアリーやこおりタイプを出すトレーナー、もしくは、いわやじめんを複合したキバナのポケモン相手にみずタイプを繰り出すトレーナーを飽きるほど見てきた。
キバナの天候操作を駆使した戦い方は荒々しい中に容易に弱点を突かせず、反撃の糸口を掴ませないものだ。
攻めあぐねた敵など竜の牙にかけるまでもない。
そうなれば、キバナの胸に募るのは"乾き"だ。

もっとだ、もっと攻めてこい。もっともっと楽しませろ。
弱点なんて突かなくとも勝利のためならば噛り付いてこい。
どんな手を使ってでも勝つ気概を見せろ。

ガラルの頂点に立つあの男は、たとえ相性や形勢が不利でも諦めることなく攻めてくる。
そして、劣勢など嘘のように鮮やかに勝ちを得て、笑うのだ。「楽しかった!」と。
キバナもそうだ。圧倒的な力の差を見せつけて勝つのではなく、ギリギリの攻防は闘争心を刺激して、より己の力を極限まで引き出してくれるから好きだ。
乾く間もなく潤い、満たされる。
――――目の前のチャレンジャーは、果たしてどちらか。
キバナを乾かせる、勢いだけのトレーナーか。
それともキバナを潤わせられるだけの実力を持ったトレーナーか。

対峙しているのは、ほのおタイプのキュウコンと、はがね・じめんタイプのハガネール。
ジュラルドンにじめん技を撃たれる可能性のあるハガネールは要注意だ。
逆にキュウコンの方は問題ないだろう。
キバナは、ドラゴンタイプにくわえて「すなあらし」による天候操作の下、その影響を受けないタイプを複合したポケモンも使用する。
すなあらしを無効化する いわやじめんタイプのポケモンは、まさしくキュウコンのようなほのおタイプが苦手とする相手に違いなかった。
ソーラービームを覚えてはいるようだが、天候を晴らせる技はないのか。
レナのキュウコンのように「ひでり」を特性として持っている個体もいるが、彼女のキュウコンがフィールドに出てきても天候は依然として激しい砂の嵐が吹き荒れたままだった。
ならば、「にほんばれ」を持っている可能性が高いと踏んだが、それも未だ使っていないのを見るとそもそも覚えさせてはいないのだろう。
たとえ天候を変えられたとてそうはさせるかと思う気持ちはあれど、それでも決して不利に陥ることのない自負がキバナにはあった。

さあ、ユウリはどう出る。

吹き荒れる砂の壁の向こう側で、ユウリが腕を振り上げたのが見えた。

「すなあらし!」
「ハッ!バカか!」

すでにこの天候はキバナが支配している。
何をしてくるのかと思えば、無駄なことを。

――――瞬間、キバナは我が目を疑った。

「ガネエエェエルッ!!」

地を這うような重低音による雄叫びがスタジアムに轟き渡る。びりびりと振動を起こすほどの声量は、ばくおんぱにも似ていた。
しかし、キバナが意識を持っていかれたのはそんなものではない。
ハガネールの巻き起こしたすなあらしがフィールドに荒れ狂う。
その勢いの凄まじさが、まるでキバナのギガイアスがすでに起こしていたすなあらしを掻き消すようで。
キバナが支配していた砂のフィールドを一瞬にして己のものにしてみせた。
ユウリのハガネールによる すなあらしの荒々しさに思わずキバナが顔の前で腕を交差する。
身を低くさせたサダイジャや重心を据わらせたジュラルドンが、すなあらしに吹き飛ばされぬよう一瞬身構えたように見えた。
ポケモンだけでなく人間の肌をも削るほど荒れる砂の向こう側――交差させた腕の合間からほんの一瞬垣間見た少女の口元に浮ぶ笑みに震えが走る。

もっとも倒すべき高みにいるダンデと重なってさえ見えた少女の立ち姿。
自分のポケモンの力を信じて、誇らしげに輝く目。
ぞくぞくと背中を駆け上がってきたものにたまらなさを覚えて、キバナは吠えた。

「くっ……はははッ!!最高だぜ、オマエ!このオレさまに武者震いまでさせやがって!」

すなあらしにすなあらしをぶつけ、重ねられただけで、この快感。
ならば、勝敗がついたらどうなる。どちらのポケモンが立っている。その先は――――。
今この瞬間、いかなるときも見据えていたダンデよりもまずキバナが最も倒したいと叫ぶべきは間違いなく、ユウリだった。
このすなあらしは、ユウリが己に叩きつけてきた挑戦状でもあるのだ。
キバナの支配下を打ち消して自分は強いのだと、必ず勝ってみせるのだという意志の表れ――覚悟を見せてきたと、キバナは感じた。
だからこそ、キバナは荒ぶる視界の悪さなどものともしない。
射殺さんばかりの視線で貫いた少女に向けて、交差させていた腕を解いて振るう。

「荒れくるえよ!オレのパートナー、スタジアムごとやつを吹きとばす!」

ガラル粒子を溜め込んだダイマックスバンドに呼応して、ジュラルドンを一度戻したキバナのボールが瞬く間に巨大化する。
デジタル化したように赤く光るボールを片手に持ったキバナがシニカルな笑みと共に流し目を寄越せば、バトルの開始からずっと彼の近くに浮いていたスマホロトムがすかさずカメラを彼に向ける。
互いの目を合わせて二ッと一瞬笑い合い、キバナがボールを投げ込む寸前、すなあらしの音に紛れてシャッター音が鳴らされた。
バトルの最中でありながらダブルバトル並みに息の合ったコンビネーションで颯爽と自撮りを決めたキバナに、ダイマックスを警戒していたユウリの目がきょとんとしばたいた。
しかし、それも束の間に軽々とした動作で巨大ボールを放るキバナと、高々と砂の嵐の中を舞うボールから発せられる気配にユウリの背筋がピンと伸びる。
目の前で、尻尾を立てて毛を逆立てるキュウコンと、頭を低くさせるハガネールの唸り声がより身を引き締めた。
光が割れてバチバチと音を立てる赤い煙の中、ジュラルドンがみるみるうちにキョダイマックスの姿へと変化していく。
合金の頑丈な身体はそのままに、高層ビルのような外見へと変化したその姿にユウリはぐっと拳を作る。
振り返ってこちらを見下ろしてくるハガネールに頷けば、彼もまた力強く頷き返して頭を高く持ち上げた。
こちらもダイマックスで迎え撃つ――!

「これがジムチャレンジでのラストダイマックスだよ!ハガネール、ダイマックスっ!」

先程のキバナと同じく、ボールにハガネールを戻したユウリ。
ダイマックスバンドに込められたねがいぼしがガラル粒子によって赤々と輝きながら、ユウリの掲げたボールを巨大化させる。
これで8回目となる、ジムチャレンジでのダイマックス――。
いよいよクライマックスが近い。
これまで挑んて来たジムリーダーや幼なじみの顔、そしてポケモンたちのことを思い出しながらユウリはボールを両手で投げ込んだ。
すなあらしの中で弾けたボールからダイマックスした姿のハガネールが現れ、轟音を伴ってフィールドに降り立つ。
より重量感の増した鋼の巨躯は赤い輪郭で縁取られ、対峙するジュラルドンを厳めしくねめつける。
ジムリーダーとチャレンジャーが見せたダイマックスに観客の声はこれまでにないほど高められ、ユウリとキバナに高揚感を募らせた。

「まずはサダイジャ、へびにらみで動きを封じろ!」
「させない!キュウコン、しんぴのまもり!」

今までならここでダイマックスしたポケモン同士の技の撃ち合いが始まるが、これはダブルバトル。
相方のポケモンも動かしつつ、勝負をここから決めなければならない。

サダイジャが放つへびにらみを、しかし、キュウコンが防ぎにかかる。
歌うように高らかな鳴き声を響かせるキュウコンと、そしてハガネールの身体が虹色のベールに包み込まれた。
高く持ち上げて広げられた9本の尻尾のひと房ひと房だけでなく、すなあらしの中にあってもたおやかになびく金色の毛の細かい一筋にまで七色の輝きは満ちていく。
ダイマックスしたハガネールを縁取る赤い輪郭も七色の光に変わり、キラキラと音を立てて鋼鉄の欠片を彩る細かい光は、角度によって色を変えてハガネールの存在感を鮮やかに飾り立てた。
これによって、サダイジャのへびにらみの対象であったハガネールはマヒに陥ることなく戦えるようになった。
やるじゃねえか、とキバナが言い放つ。

「だが、これでどうだ!ジュラルドン、キョダイゲンスイをやつらにお見舞いしてやれ!!」

前のめりにさせた合金の身体からあふれ出た闇色のオーラが、ジュラルドンの周囲に迸る。
爆風のように勢いを増すそれは、すなあらしさえ巻き込んで放たれ、ハガネールを瞬く間に包み込んだ。
逃れる隙もないパワーの圧縮は、一瞬にして闇の竜巻となり、ハガネールの巨体を撃ち上げる。
宙を舞うハガネールにユウリや観客たちは圧倒した。
キョダイマックスの力の凄まじさを再確認させられたのだ。
しかし、負けなるものかとユウリは見開いていた目に力を込めた。

「ハガネール!そこからダイバーンっ!」

確かに聞こえたユウリの声にハガネールが口を開ける。
ガラル粒子の赤い光に熱が加わり、燃え盛る炎へと昇華されていく。
技を放つ勢いを利用して、空中で体勢を起こしてみせたハガネールがジュラルドン目掛けて火炎の息吹を放った。
避けようのない巨大な技を前にして、ジュラルドンが重心を据わらせて防御の姿勢を取る。
ぶつけられた炎はジュラルドンを喰らうように覆い尽くし、巨大な火柱となってスタジアムの天井まで立ち昇った。
ハガネールの着地と同時に爆炎はたちまち地面にまで広がる。
そのとき、ダイマックス技の衝撃波を受けぬようとぐろを巻いていたサダイジャや四肢を踏ん張るキュウコンが、それぞれ顔色を変えた。
ダイバーンは、日差しを強くする効果を持つ。
砂で荒れていた天候が輝く日輪によって熱気を帯びたものへと変化し、キュウコンは出番だとばかりに高い鳴き声を上げた。

「なんと、にほんばれか!対策してきたとは、やるな!……だが!」
「キュウコン、今だよ!ソーラービーム!」
「オマエがそう来ることはお見通しだぜ、ユウリ!サダイジャ、まもるだ!」

天候が燦々と晴れている状態ならば、ソーラービームを撃つまでの"貯め"が必要ない。
サダイジャへと迷いなく放たれた最大威力のくさ技に、サダイジャはとぐろを巻いたままさらに身を固めて絶対防御の態勢を保つ。
砂がなくなったことで浮かべていた不安げな表情はそのままにギュッと目を瞑って、キュウコンのソーラービームが過ぎ去るのを待った。
決まれば確実に一撃で倒せたはずの攻撃を防がれ、キュウコンが不満げに尻尾を揺らす。
一筋縄ではいかせてくれないのが流石ジムリーダーだった。

「ジュラルドン、キュウコンへダイロックだ!」
「させない!ハガネール、止めて!ダイスチル!」

確実に一体を潰しにかかって来たキバナに今度はユウリが防ぎに掛かる。
ジュラルドンの巨体に合わせた分厚い岩壁がキュウコンへと倒れ込んでくるのをハガネールが身体を張って受け止めた。
岩壁を打ち崩すほどの頑丈な体当たりを目の当たりにした観客たちは大いに盛り上がり、試合への熱狂を露わにする。
そこからダイスチルによってフィールドを駆ける無数の巨大な刃がジュラルドンへ襲い掛かる。
足場を崩され動きが鈍るジュラルドンだが、負けじと足を踏み出し、耐えてみせた。
キバナが「それでこそオレのパートナーだ」と高らかに告げれば、ジュラルドンも誇り高く咆哮を返す。
辺りを震撼させるほどの咆哮には、ドラゴンの気高さが色濃く滲んでいた。
ダイロックの不発によって、本来ダイロック後に起こるはずの「すなあらし」も起こらなかった。
天候は、"にほんばれ"のままだ。

「今度こそ決めるよ、キュウコン!ソーラービーム!」
「受けて立ってやるよ!サダイジャ、だいちのちからで迎え撃て!」

今の攻防に刺激されたのか、2連続の「まもる」よりも技の撃ち合いを選んだキバナの指示を受けて、サダイジャが攻撃姿勢へと転換する。
天を仰ぐように身体を伸ばして吠えたサダイジャ。
同時にキュウコンの足元のフィールドだけが地割れを起こしたように亀裂が走り、激しく振動した。
今まさにソーラービームを放つ寸前だったキュウコンの集中力が乱され、平衡感覚を歪ませる。
ガクリと前脚を折って体勢を崩したキュウコンへと、サダイジャの二度目のだいちのちからによる追撃が迫った。
キュウコン!とユウリの声に呼ばれたキュウコンが、そのとき――閉じかけていた目を見開いた。
コォーーンッ!と、強く吠えて跳び上がり、だいちのちからを回避すると今度こそソーラービームを解き放つ。
ギガイアスへ撃ったものよりも倍に力を漲らせた光線がサダイジャを貫き、その勢いのまま吹き飛ばす。
直撃した効果バツグンの技を耐えきれず、確実に戦闘不能へと追い込んだ――そうユウリが思ったのも束の間、サダイジャが落ちる寸前で吐き出した大量の砂に思わず驚きの声を上げる。
それはサダイジャの特性「すなはき」によるものだった。
「すなはき」は、相手からの攻撃を受けると天候をすなあらしに変えてしまうのだ。
キバナの笑い声が、激しさを伴って吹き抜ける砂の奥から響いてきた。

「もう一度吹けよ風!呼べよ、すなあらし!これでまたこのフィールドはオレさまが支配した!どうだ、ユウリ!」
「望むところって言ったじゃないですか!だけど、このバトルの"勝ち"は、わたさないです!」
「言うじゃねえか……!」

大人しい顔をして、強気なことを言う子供だ。
労りの言葉を掛けてサダイジャをボールに戻しながら、キバナはそんな風に思う。
けれど、子供であっても今キバナの目の前でバトルをしているユウリは、キバナの闘争心をくすぐってやまない"強いポケモントレーナー"に違いなかった。
残るは、キョダイマックスしたジュラルドンのみ――けれど。

「1匹でのコンビネーションはムリだが、勝つことはムリじゃない!」

そうだ、相手が強かろうが関係ない。
目の前の強敵を打倒して、キバナは高みで待つあの男を必ず倒すのだ。

「キバナよ、ダンデに勝つんだろ!?だったらここも勝つしかねえよな!――――いくぜ、ジュラルドン!かませ!ダイナックルだッ!!」

己を鼓舞し、言い聞かせるキバナの言葉は貪欲だった。
彼はユウリと同じだ。このバトルを糧にして、ダンデへ挑もうとしている。
けれど、ユウリだって負けるつもりはない。
幼なじみの彼とも約束したのだ。トーナメントで戦うことを。だから、このジム戦は絶対に勝ち上がる。

ポケモンたちがダイマックスした姿でいられる時間には限りがある。
次の技を放てば、同時に元の姿に戻るだろう。
その前に決着を着ける。こっちにはまだキュウコンが残ってくれている。
すなあらしがもたらすダメージにも挫けないよう、最後まで戦おうとしてくれている。
このコたちのそんな意思がユウリにはいとおしくて、たまらなかった。

「――――最後まで一緒にがんばろう!勝つよ!!キュウコン、れんごくっ!ハガネール、ダイア―スっ!」

掲げた腕にすなあらしによる礫が掠め、僅かに血が滲む。
それでも構わずに声を張り上げたユウリの指示を受けて、キュウコンとハガネールは気力を漲らせた。
まず真っ先に動いたのは、残った3体の中で一番素早さが高いキュウコンだった。
ジュラルドンが攻撃の体勢に入り切る前に駆け出し、体内の炎を一気に放出する。
通常なら当てることが難しいその技も、これだけ巨大な相手ならば決して見失わない。
うねりを描いてジュラルドンにぶつかった火炎が、ジュラルドンの腕にやけどを負わせるほどの業火となる。
膨れ上がる熱気が陽炎を生むと、その姿を急激に朧気にした。

次に動いたのは、ジュラルドンだ。
キュウコンのれんごくを受けても耐え忍び、十分にその身に力を溜め込んだ。
キバナの闘争心に呼応するジュラルドンの戦意が猛々しい烈火となってユウリたちに牙を剥く。
全力を解放するジュラルドンがフィールドを踏み荒らす勢いで勇ましく駆けていき、ハガネールへとぶつかった。
爆発のような衝撃音を轟かせながら、ハガネールの身体を打ち砕かんばかりの一撃を叩き込む――刹那、腕に刻まれたやけどの痛みがジュラルドンの動きを瞬間的に鈍らせた。

――――それが、勝敗を分かつ決定的な一瞬だった。

押されかけた身体を負けじと押し返しながらハガネールもまた己の力を全開にして、立ち向かった。
ジュラルドンのやけどした腕に噛み付いて、そのまま彼の巨躯をフィールドへと叩き付ける。
その凄まじい勢いによって先程のサダイジャが見せた一部分だけの地割れなどではなく、フィールド全体を打ち崩さんばかりの地割れが起きた。
フィールドの割れ目から湧き出た岩の破片やガラル粒子の赤い光。
それらが混ぜ込まれた巨大な砂柱がジュラルドンを呑み込み、どこまでも高く立ち昇っていく。

「――――ジュラルドンっ!!」

キバナの声がスタジアム内に反響した。
ダイマックスパワーを失ったことにより、砂柱の中で爆発を起こしながらジュラルドンが元の姿へと戻っていく。
戦闘不能を示すように、その身は瞬く間にボールの白い光に包まれてキバナの手元へと返っていった。

――――終わった。

その実感は、自分の後ろでダイマックス化を解いて元の大きさへと戻ったハガネールと、そして最後まで倒れずにいてくれたキュウコンの2匹の姿をしっかりと視界に映したことで、噛みしめることができた。

「……勝った……っ。やったね……!勝ったね、キュウコン!ハガネール!」

詰まっていた息を吐き出すように言ったユウリがたまらず腕を広げると、9本の豊かな尻尾を翻したキュウコンが飛びつき、ワンテンポ遅れてハガネールが笑顔で顔を寄せた。
金色の自慢の美しい毛並みが、すなあらしに晒されてボサボサだ。
他の手持ちに比べるとゲットしてまだ日が浅いが、それでも毎日ピカピカに磨いてあげていた鋼の身体もすっかりくたびれてしまっている。

それでも。

「ありがとう!だいすき……っ!」

体の大きさも触り心地も全然異なる2匹を一生懸命 同時に抱きしめて、ユウリは満面の笑みを広げて言う。
またこのコたちを好きな気持ちが増えた。
嬉しくてたまらなくて、身体中が熱かった。

「オレさま、負けてもさまになるよな。記念に自撮りをしておくか……。」

勝利を喜ぶユウリたちの向こう側で、つまらなそうに頭の後ろで腕を組んで呟くキバナ。
自撮りを促されたスマホロトムが、持ち主である彼が負けてしまったことを悲しがっているように、困ったように笑みを浮かべていた。

敗北の悔しさを写真に収め終えたキバナと、ひとしきりポケモンたちと勝利を喜んだユウリたちがフィールドの真ん中まで歩いていく。
そこら中からひっきりなしに聞こえてくる、耳を劈かんばかりの歓声。
ユウリの勝利を称える声、両者のポケモンたちに労りとエールを送る声、キバナの敗北を悔やむ声、様々だった。
それらをすべて受け止めながら両者は顔を見合わせた。
対戦中の獰猛な鋭さが嘘のような、爽やかな笑顔を浮かべるキバナがそこにいた。
激しい戦いを終えたことで、晴れ渡った空のように澄みやかな気持ちなのだと告げる彼にユウリも嬉しそうに「はい!」と頷きかけた――が。

「――――なんて言えるか!」
「ぅひゃっ!?」

思わず縦に振りかけた首が勢いよく変な方向を向きかけた。
つい先程までにこやかに弧を描いていたはずの眼は、じとりと半目になってユウリを見下ろしている。
お、怒ってる……?
ユウリが首を傾げて様子を窺えば、彼は決してユウリに怒りを向けているのではなく、ダンデのライバルである自負こそが己の欠点であったのだと気付かされたようだった。
キバナの悔しがり方がなんだかユウリには新鮮で、しかし、そのストイックさに自分が苦戦していた彼の強さの一因を見た気がした。
勝利の証であるドラゴンバッジを受け取って、握手を交わす。
ユウリの手の何倍も大きなそれは、ひょっとしたらユウリのパパよりも大きいかもしれなかった。
そんな手が、がっしりとユウリの手を握ってくれることに胸が高鳴る。

「キバナさん。」

手を握ったまま名前を呼んで、キバナの顔を改めて見上げてみる。
首が痛くなりそうなくらい高い位置にある顔が、些かユウリの視線に合わせようと近くなった。

「とっても楽しかったですっ!」

楽しかった、そう笑ってぎゅっとキバナの手を懸命に握り返そうとしている姿は、ダンデとそっくりであるはずなのにどうにも面影が重ならない。
バトル前ならば同じだと思えたのに今はもうそうは思えなかった。
目の前の少女は、ジムチャレンジャーであり、最後のジムチャレンジに見事打ち勝ったポケモントレーナー、ユウリだ。
ハガネールとキュウコンが誇らしげに少女の両隣に佇んでいる。
すなあらしの中にあってもなお失われない鋼と金色の光沢を放った2匹の美しさは、激しいバトルの後でも変わらず、否、より輝いてキバナに見える。
――――この少女の行く先が、自分が辿り着けない高みへと辿り着くのか、見てみたかった。
だが、その前に。
チャンピオンに挑む前にトーナメントに勝ちあがれ、とキバナはユウリに告げた。
ジムチャレンジを終えたチャレンジャーの最後の試練が、トーナメントで行われる。
そこで、キバナは何としても勝ち残り、この少女と再び相まみえたかった。

「はいっ!わたし、ぜったいこのコたちと勝って、進んでいきます!」

がんばるから、楽しみにしてますね!キバナさん!
キバナとの再戦を今から心待ちにしているユウリの花咲く笑顔にキバナも思わずつられてしまった。
ナチュラルにキバナと再戦するまで勝ち上がることを信じているあたりが無邪気だった。
けれど、本当に彼女ならリベンジ戦まで勝ちあがってきそうだと思わずにはいられない。
当然自分は今度こそ勝って、ダンデに挑むつもりでいるが、同時に心のどこかでダンデとユウリのバトルを見てみたいと思っている自分がいる。
そんな期待をするほどユウリのことを気に入ったようだ。

敗北の記念ついでにユウリとポケモンたちの写真を撮らせてもらおうか。

――――その写真が後にキバナのお気に入りとして殿堂入りすることをまだ彼らは知らない。

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