Metamorphosed

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この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

妹が、いなくなった。


何の音沙汰もなく、いなくなった。
俺の前から、いなくなった。

まさか、何かの事件に巻き込まれたのか?
大変だ。

アイツは俺がいないと駄目なのに。
俺はアイツがいないと駄目なのに。

『メタタ?』

後に残るのは、俺たちと暮らしてきたポケモン……メタモンのみだった。


──数日後


警察に連絡してから、かなり経った。
進展は何もなし。

俺はもどかしくなった。
泣いた、怒った、喚いた……が、妹は帰って来ない。

『メタァ〜〜……』

その内に、そんな俺の様子を見て、メタモンが慰めてくれるようになった。
彼(彼女?)に、どこか救われる。


──更に数日後


そんな日々を過ごしている内に。
俺は思った。

“妹はもう、二度と帰ってこないのではないか”

そんなのイヤだ!
俺には耐えられない!!

カミサマッ、どうかッ、妹を返してください!!

……。

俺は思った。

“だったら、妹の代わりを作ればどうか?”

『メメ?』

メタモン……彼(彼女?)は、妹と仲が良かったからか、どこか妹の面影がある。

そう……だ。
メタモンを、妹にしてしまおう。

俺はメタモンに、妹の写真を見せる。

メタモン『メータ?』

アイツに変身するんだ。いいかい?

メタモン『メタァ!!』ボワンッ

命令通り、メタモンが妹に変身する。
が……イヤ、駄目だ!

俺は、メタモンを蹴飛ばした。

メタモン『! ……?!?』

メタモンは戸惑っている。
姿形こそ似ているが、それだけだ。中身が全然伴っていない!!

……イチから、仕込んでやる。
どんなにかかっても、彼女を必ず、妹そのものにしてやるんだ。


──数カ月後


彼女はもう、ほぼ、妹に近づいていた。
血の滲むような特訓により、彼女は多少の人語をも身につけた。

『オ……ニイチャ……』

『今日モまタ……。色々と、教えてくダさいネ』

あぁわかったよ、と、笑顔で応える。
だが、実は最近、悩んでいることがある。

以前に居た、あの妹は。

妹は、ちょっと頭が悪かった。
ちょっと勝ち気な性格だった。

『ちょっと』、お金にだらしがなかった。


『『 ち ょ っ と 』』、俺に反抗することがあった!!


欠点は……。欠点は、直してあげなければ。
それが、お兄ちゃんの役割……だ。
………
……


ーーーーー


──数年後


とある廃屋に、とある少女が訪ねて来た。

少女(お兄ちゃん……)

彼女はポケモントレーナー。
何かと束縛してくる兄に嫌気が刺し、かつて家出の様な形でこの家を後にした。

だが、チャンピオンになる夢を諦め、この家に帰って来たのだ。

少女「……すごい。家も。こんなに、荒れて……」

“私が悪かったよお兄ちゃん”と、謝ろうと思った。

……しかし。

『あら。どちら様ですか?
 お待ち下さいませ、ね』

少女「……え……」

玄関から出てきたのは、少女に瓜二つ……いや、そのものな女の子。

そして、兄がやって来る。

兄「……ん?」

少女「お……おにい……ちゃ。だ、だれ……その……コ」


兄「誰だアンタ」


少女「!!?」

兄「お前の友だちかい?」

妹『いえ、存じ上げません』

兄「だよな! こんな、頭も性格も悪そうな女なんか、お前の友だちのワケないよな!!」

少女「どういう……こと……」

兄「だけど……なんだかお前に似てるなぁ」

兄の顔は……。

少女「ちょ、ちょっと! なに、なんなの……」

兄「お前に似てる奴なんか……」


兄「二人も要らねぇよなぁ」


手に持つのは、イトノコやハンマーの類。
兄の顔は、狂気に歪んでいた。


少女「い……い゛やあぁア゛ァ゛――!!」

………
……


妹『お兄ちゃん、これ、どうしましょうか』

兄「あぁ、そうだな。……最近何も食べてなかったから、冷蔵庫にでも。それと、これは……食べれないし、使い道ないかな? お前はどう思う?」

妹『そちらに置けば、良い装飾になるのでは?』

兄「おぅおぅ、いい事を言う! やっぱりお前は、理想の妹だよ!!」


そう言い男は、血塗れの骨をテーブルに載せた。

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