君に捧ぐ戦い

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作者:円山翔
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読了時間目安:3分
ジェードさん主催、ポケモンバトル書きあい大会エントリー作品。
 線香の匂いが立ち込めている。
 じりじりと線香が燃える速度は、早いようにも遅いようにも見える。燃え尽きるまでに終えなければならない。誰が決めたわけでもないが、それはふたりの間で暗黙の了解だった。
 これは、試合ではない。喧嘩だ。年に一度、ふたりが亡きパートナーに捧げる大喧嘩だ。
 狐の九つの尾に青白い炎が宿る。放たれた鬼火は我先にと竜を襲うが、竜はそれらをかいくぐって狐に迫った。竜の爪攻撃を、狐は前足でいなす。そして火炎放射。大したダメージにはならないが、竜は火傷を治すためにリフレッシュを使う。すなわち、攻撃が止まるということ。狐の瞳が輝き、怪しい光が竜の顔の周りを漂う。くらくらする頭を自ら壁にぶつけた竜に、再び火炎放射。これは間一髪で竜が旋回して避けた。竜は超能力で羽毛を固めて放つ。ミストボールと呼ばれるそれの着弾と同時に、あたりに羽毛が飛び散る。狐の火炎放射は、羽毛に阻まれて竜に届かない。
 互いに互いを意識しつつ、合間を縫って線香を見る。残り半分ほど。互いに一つずつ、大技を残してある。そして、それを使うのは最後の最後と決めている。竜が狐にとびかかり、狐はそれに応じた。ふたりして床を転げまわる。上を取って取られてを繰り返して、竜が上を取って止まった。爪を振り上げる竜に向かって、狐の火炎放射。竜も負けじとミストボール。二つの技がぶつかり合い、相殺する。爆風で吹き飛ばされた竜と、体制を立て直す狐は同時に線香を見た。残り僅か。そろそろいい頃合いだろう。
 狐はありったけの炎を凝縮して放つ。竜はありったけの力を込めて打ち上げる。放たれた流星群と、爆発的に広がる大文字が、それまでにない勢いの爆風を巻き起こした。
 白煙が晴れ、互いの姿を確認した狐と竜は、再び仏壇の前に並んで頭を下げた。ラベンダーの香りの?燭を扇いで消し、線香が燃え尽きたのを確認して戸を閉める。満身創痍だが、ふたりとも満足げな表情だった。
対戦カード
A:キュウコン(作中では元の姿)vsラティアス

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