モモイロへ繋がる道標

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作者:草猫
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読了時間目安:18分
この作品は拙作「ポケモン輝きの探検隊 〜太陽の奇跡〜」準拠の短編となっています。
1章を読めば内容は理解出来るというイメージで書きましたので、興味が向いたらどうぞ。
レオンさん視点での話です。

 「おじさん! ダンジョン連れてって!」
 
 それは突然のことだった。
 キラリが学校終わりにいつも通り俺の家にやってきたと思ったら、急に謎なことをキラキラした目で言いやがる。 お陰でコーヒーを吹いてしまった。 あー、今日は上手く入れられた日だったのに。
 
 「げほっ......お前どうしたんだ急に」
 「あのねあのねっ! 今日学校でダンジョンの授業やったんだけど、この時期に桜が綺麗なダンジョンがあるって! おじさんは知ってる!?」
 「桜......ああ『モモイロの道』か。 確かにあそこは木がみんな桜だから、探検隊がよく花見に」
 「そうなの! だから連れてって!」
 「はあ!?」
 
 俺は思わず驚きの声を漏らす。 今までは本を読み漁ったり探検隊の話を聞きに行くだけだったのに、こいつの好奇心は遂にそれでは収まらなくなったのか。 だが、正直賛成する気にはなれない。
 
 「......お前なぁ、一応あそこ結構難易度高いんだぞ? 探検隊だけが行ける花見の秘境とも呼ばれてるんだ。 流石に」
 「でもダンジョンの授業ちゃんと学校でやってるし、おじさんの本で色々あらかた覚えたもん! ワナの種類とか説明まで全部言えるよ!」
 「確かに知識も大事だが、正直こればっかりは実践なんだよ。 お前のことだから多分座学は心配無いだろうが......なぁ、実技はどうだ? クラスの中だと」
 「えーっと......そうだ、通信簿!」
 
 丁度今日が修了式だったらしい。 キラリはせっせとカバンから通信簿を探し当てこっちに渡してきた。 所謂総合みたいなポジションの教科であるダンジョン学だけど、この街は探検隊とのゆかりが強いためか最近は結構力が入ってるらしい。 学校の裏に洞窟のダンジョンもあるから、訓練にはうってつけだ。
 まあ前置きはともかく、問題は成績であって......。 座学が予想通りAで意欲がA。 そして実技はBというまあ現実感ある評価。 さて、総評は。
 
 「なになに......『知識はクラスの中でも上々で、それでいてクラスメイトを引っ張るリーダーシップもあります。 実技の方は如何なる場合も強い勢いで突破しようとする気概は感じられます』......」
 
 何故だろう。 微かに悲しみを感じるのは。
 前半はいいんだ。 リーダーシップとか凄いじゃないか。 でもなんだ後半。 気概ってなんだ気概って。 うんまあ頑張ってるけど空回りしてるね的なニュアンスにしか俺には見えないんだが?
 キラリの目が輝いているのを見るに、あいつは多分それに気づかず素直に受け取っているらしい。 いや俺が勘繰りすぎなのか? どうなんだ? ああ純粋だった子供の頃に戻りたい。
 
 「どう!? おじさんどう!?」
 
 いやなんでそんなに目を輝かせられるのか? 残念だけど答えは当然。
 
 「ノーだ。 ......例え実技Aだったとしても太刀打ち出来るかっつったら無理だよ。 最高学年......つまり来年の成績がAなら考えるけどよ、まだ駄目」
 「むう」
 「むうじゃない。 ダンジョンではぐれた場合考えてみろ? 地獄だろ?」
 「それでも嫌なの! 行きたい! 桜って実際に見るからこそわーってなるんだもん!」
 
 我儘な灰色の毛玉はジタバタと抗議する。 そんなこと言われてもとなってしまう。 ワープのワナにかかって離れ離れになったら地獄しか無いだろうに。 でも、生半可な言葉ではキラリは諦めない。
 が、それと同時に俺は1つ閃いた。 それと同時に少し惜しさのようなものもあったが、別にいいだろこれぐらい。

 「はあ......ちょっと待ってろ」

 確か窓際の本棚にでもあったはず。 俺はそこら辺の本をあらかたペラペラめくってはハズレの本を床に重ね続けた。 既に床には本がいっぱいだから、これによって導線すらも消えてしまう。 掃除すればいいのにと自分でも思う。 そんな暇あっても多分しないだろうけど。
 
 「おっ、あった!」
 
 目的の物を発見し、本からひょいと引き抜く。 そしてそれをそのままキラリにパスした。 キラリは俺が何かを探している間不思議そうな顔でこちらを凝視していたけれど、今度は渡されたものをじいっと見やる。
 俺が渡したのは栞だ。 桜の押し花と紙をあれやこれやしてできている代物。 丁度その台紙が水色だから、桜の薄桃色がより華やかに、そして慎ましくも見える。 優しい色合いが春らしい。
 
 「おじさん、これって......?」
 「昔、モモイロの道で取れた桜で栞を作ったんだ。 だからそれそこの桜。 連れてけないのは変わらないけど、今年はそれで勘弁してくれないか? あげるからさ」
 「えっ!? いいの!?」
 
 キラリは目を丸くする。 めちゃくちゃ懇願するくせして、こっちが何かしてあげようとするとよくこんな顔をするんだよなぁ。 ま、それはともかくだ。

 「当然。 進級祝いのプレゼントって解釈でもいいぞ」
 「〜っ、ありがとうおじさん!」
 「おいお前ひっつくなってちょっと」

 キラリは俺に思い切り抱きついてくる。 恥ずかしいけれど、感謝のアピールだというのはとっくに分かっている。 こんな事言いながらも、やっぱ口角は上がってしまうものなんだ。

 「来年卒業するだろ? そのまま探検家になってわーっと行くのもいいだろ」
 「うん! そうする! えへへへ栞だー! ずっと欲しかったんだよね! ......じゃあさ! 来年行けたら一緒に行けない? 探検隊なれば実力とかの問題は解決するでしょ!?」
 「うんまあそれはそうかもだが......ま、そうだな。 行けたら行こうな、一緒に」
 「うん! よーっし今日も本読むぞ」
 「春課題」
 「うぐっ」
 「書き取りぐらいはやっとけよ? 早めにやった方がより遊べるんだから」
 「はーい......」

 くるくると舞ったり、しょぼんと萎んだり忙しい灰色の毛玉。 その姿はあまりにも微笑ましくて、俺はくすりと笑みを浮かべる。 それと同時に、こいつは多分学校卒業したらマッハで手続きやってマッハでモモイロの道に行こうとするんだろうなぁって思ったわけだ。 現に今もマッハで書き取りを消化しようとしている。 字の精度は普通に心配だけど。
 
 

 ......まあ、その時は俺も呑気だったから。
 俺とキラリの間に1つ解釈違いがあったことには気づけなかったんだ。













 
 
 
 丁度、キラリが探検隊の申請用紙を見せてきた翌日のことだ。 俺は驚愕の渦の中にいた。 要するに、キラリは単独でやると思っていた訳で、まさか複数で組むつもりだとは思いもしなかったんだ。
 探検隊と、探検家。 正直言って違いはない、よく混同される2つの言葉。 しかし役所という公の場になると、その呼び方で意味が結構大きく変わる。 複数か単独かって。 単独の方が当然手続きも楽だから、花見に行く暇も取れるだろと俺は去年あんなことを言った訳で。
 ......だが、キラリはどうするんだろうかと俺は不安になりながら考えていた。 あいつは基本俺の家にばっか入り浸っていた。 めちゃくちゃ言葉悪いの覚悟なんだが、あいつに探検隊を組む友達がいるのか?とどうしても思ってしまう。
 そんな中だ。 キラリは昨日のようにすこぶる元気な様子でこっちに手を振ってくる。 昨日の帰る時の萎み様は何処へやら、となったけれど、俺は1つの違いに気づき目を丸くした。 キラリの後ろには......見知らぬ影が1つ。 俺の前にキラリが立ってもその後ろに頑なに隠れて全身を見せようとしない。 キラリの方が小さいんだから全然隠れてないのに。
 
 「おや? そんな怖がんなくてもいいだろうがよー......キラリ、この子は?」
 「ユズっていうの! 新しい友達なんだ!」
 「友達! じゃあ俺とも友達だな! 友達の友達は友達って言うだろ! ガハハ!......というわけで、俺はレオンだ。 気軽に頼ってくれよ? ユズ!」
 
 突如キラリが連れてきたのは、ユズという名のチコリータだ。おずおずとキラリの後ろに隠れるユズを見ると、どこか初対面時のキラリを思い出して懐かしくなる。
 ユズは正直中々変な奴だった。 街では見ないポケモンというのもあるけど、引っ越してでも来たのか街をキョロキョロ見回す動作が目立った。 どこから来たのか聞こうと思ったけれど、流石に会ったばかりの中年ポケモンが色々聞くのもどうかと思いやめておいた。 話している印象からキラリとは真逆なのんびりタイプだと思っていたけれど、その評価はその後一変した。 なんとその後強盗を見事捕まえたらしい。 キラリの話によると、あいつの機転が効いたとか。 ほわほわさの中に秘められた強さと思考力。 キラリと真逆に見えるけれど、その強さの部分はキラリと何処か似通っている。 何より出会ったばかりなのに何故か死ぬ程仲が良い。 キラリが同年代の女の子と楽しく話しているのを見るのは、正直新鮮だった。
 
 で、結果的にあいつはユズと組むことにしたらしい。 当然の結論かなと俺は思った。 あの時の事を踏まえると、キラリを託すのには相応しいポケモンであると言える。 良い出会いってあるもんだなぁと思った。
 
 
 ......にしても、だ。 キラリは何故誰かと組むのを選んだのだろうか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 街の桜に葉が混じりだした頃。 キラリ達はまあてんてこまいらしく、花見など行く暇など無かったようだ。 当然俺との約束も反故になってしまったけど、探検隊は始めたてが凄い大変なのは俺も重々承知している。 だからそれについてとやかく言う気は何も無かった。 依頼はやはり大変で、疲れる。 特に始めたては。
 今までキラリは書斎に入り浸りだったが、その頻度もがくりと下がった。 ぶらぶら書斎に行ってみても、そこには無数の本があるだけ。 尻尾をぶんぶんさせながら顔をめり込ませるぐらいに夢中になって、厚い本を読んでいる毛玉はいない。 少し開いた窓から吹き抜ける春風の感覚が、子供が巣立っていくような一抹の寂しさを助長させてくる。 そうやってしみじみした心地で、あいつが最近読んだ本のページをぱらぱらめくってみると。
 何か、ひらりと落ちる音がした。
 
 「......ん」
 
 床を見やると、そこには去年あげた栞があった。 じいっと凝視した後、俺は状況を理解する。 要するにここの本に栞を使っていて、そのままここに来なくなったために挟みっぱになったんだろう。あいつらしいもんだ。
 
 「届けてやるか......」
 
 丁度太陽が夕陽へと変化を見せる時間帯だ、そろそろキラリも家にいるだろう。 そう思い、俺はあいつの家へと駆け出した。
 
 
 
 
 
 
 
 ドアの前のベルを鳴らすと、ドタバタという乙女らしからぬ音。 これで出るのがキラリだと予想出来てしまう辺り自分が恐ろしい。
 
 「はいはーい! ......っておじさん!?」
 「よっ、キラリ。 多分依頼終わりか。 疲れてる時にすまねぇが、1つお届け物だよ」
 「お届け物......?」
 
 どうやら栞を忘れていたことに気づいていないらしい。 俺は少しそれにくすりとして、キラリに栞を見せた。 そうすると、表情はがらりと変わっていく。 しまったという思いでいっぱいだろう、今は。
 
 「あーー栞!! ごめんおじさんの本に挟みっぱだった!」
 「いいってことよ。 依頼も忙しいだろうから取り行く暇も無いだろ? これも俺の優しさよ」
 「うんそうなんだよ......中々書斎も行けなくなっちゃって。 いやぁ、にしても良かった〜! 家で本読む時不便で仕方なかったの栞無かったからかぁ」

 キラリはぬいぐるみでも抱くかのように、栞を頬にすりすりする。 その姿が愛らしく思えて、ついついこんなことを俺は聞いてしまった。
 
 「はは、愛用してくれて何よりだ......そんなにこの栞、気に入ったのか?」
 「そりゃもう! だって色綺麗だし! スカーフ買う時の参考にもしたんだからね!」
 
 ......そういえばそうだ。 ユズを始めてこっちに連れてきた日から、こいつらは見慣れないスカーフを巻いていた。 キラリは桜色のスカーフに水色の花の留め具。 ユズは色反転バージョン。 一方、栞は水色の台紙に桜の花。 なるほどなぁと俺は頷く。 だがそうなると、ユズのスカーフの色を反転させたのに対して「2匹で探検隊をやるのを前提にしていた」ようにも感じるから、俺のかねての疑問は深まるばかりだ。
 
 「それにね」
 
 キラリは続ける。
 
 「飽きないんだ、この栞。 ずーっと見てても。 でも、やっぱ何か物足りない。 勿論でっかい桜の木を見たいってのもあるだろうけど......。 これね。 おじさんと一緒に見た時が1番輝いて見えたの。 おじさんの想いが、嬉しかったの」
 
 その時、キラリは栞を優しく抱く。 小さな可愛らしいタンポポの綿のような笑みが、ふわりとこちらに向けられる。
 
 「実は私、前ちょっと悩んでたんだ。 探検隊か探検家か。 複数か単独か。 面談だと、単独の方が向いてるって言われてた。 ......でも、私は。 誰かと一緒に見る世界に、何かの魅力を感じるのかもしれない」
 「へえ」

 そういうことか、と心の中で呟く。
 俺は、やっとの事でキラリが複数で探検隊を組む理由を理解した。 ......というか、今思えば確かにそうだとも思える。 本を見て分からないことがあった時、キラリは真っ先に俺に聞いてきた。 説明してやると、その目は本を読む最中よりもきらきら輝いていた。 学校のダンジョンの学習でも、沢山綺麗な景色を友達と共有してきたんだろう。 宝石だとか、色々。
 
 「だからね、この栞を見ていつも思うの。 いつか、未来のパートナーとおじさんとの3匹で、モモイロの道に行きたいなぁって。 だから勉強も今まで以上に頑張れた。 実技も荒削りだけど頑張れた。技も [スピードスター]ならうまくやれるようになれたし!」
 
 探検隊に求められる学力は低くはない。 だから少なくとも隊のリーダーには基礎学力試験が求められる。 要するに受験みたいなものだが、恐らく1発クリアしたのだろう。 卒業式の前の日に通信簿を見せて貰ったが、実技の評価も確かに上がっていた。 突進しがちなのが変わらないのがキラリらしいけど。
 ......この栞が、キラリにとって1つの道標になっていたのかもな。 そう思うと、娘の成長を喜ぶような気持ちになった。 目の辺りがちょっと熱い。 それを隠すために、俺はつい小学生みたいなジョークを吐く。
 
 「......くくっ、誰と組むかも考えずに探検隊の登録用紙ばーんと見せてきたのにかっこいいこと言うよなぁ」
 「うっ」
 
 キラリの顔が一瞬でオクタンの様に赤くなる。 今でも恥ずかしいみたいだ。
 
 「そ、それはいいでしょもー!! いいじゃんすっごい嬉しくてそこの思考飛んでただけなんだからー!!
 それにもうユズもいるもん! 文句は言わせない!」
 「あっ、ああごめんな......くっくっく」
 「笑わないでよもー!」
 「ああ悪かったよ、おじさんが悪かった」
 
 俺はお手上げのポーズをして苦笑する。キラリが大人になったように思ったけれど、こういう本質的な部分は変わらなかったようで俺は少し安心もした。 こういう子供らしいふわふわ感をもう少し大事にしていてほしいと思うのは、大人の我儘なんだろうか。

 「というか、なんで俺もなんだ? こういうのはユズと2匹で行った方がロマンあるだろ? なんで子供の青春にむさいおじさんが混ざらなきゃいけないんだよ」
 「元々はおじさんとの約束だよ? だから一緒に行こうよ、3匹の方が楽しいって! おじさんだって行きたいでしょ?」
 「むむ、まあそれもそうだなぁ......それならありがたく、だな。 空気読まずにお前らの青春の1ページを刻んでやるよ」
 「へへ、それでこそおじさん......うわっ!?」
 
 一瞬、強風が吹いた。 目を閉じなければ衝撃を緩和出来ない程の強さ。 キラリは毛がぼっさりになって、まさに本物の毛玉。 本ポケもむうとなる中、もう1つの変化があった。 丁度家の前にある小さな桜から、花弁がざっとこちらに流れてきたのだ。 小さな桜というのも、キラリ宅を建てる際に大工さんの厚意で植えてくれただけのものだけれど、それでも花はとても綺麗だった。 でも、散ることでより葉桜への変化は進みゆく。 それを見て、俺は呟く。
 
 「そうだな、花見はやっぱ来年かな。 2年越しの約束になっちまうな」
 「まあそれもいいんじゃない? 楽しみも高まるし、ね」
 「ん。 じゃ、俺は帰るわ。 栞、ユズにも見せてやれよー」
 「うん! ......そうだ、おじさん待って!」
 「んん?」
 
 キラリの突然の呼びかけに俺は振り向く。 飛んできた要望は、あいつらしいものだった。
 
 「これから探検隊やってく中で色々なポケモンと出会うじゃん! もしその中で仲良くなったポケモンいたら、そのポケモンとも花見行ってもいい!?」
 「いいよそれぐらい」
 「よっし、ありがとう! じゃあね! ......ユズー見てこれー! 栞って知ってるー......」
 
 栞は万国共通で知ってるんじゃねぇかなぁと俺は笑う。 相も変わらず声が大きいけれど、ユズならいい感じに受け流していけそうにも思うわけで。 キラリがドアを閉めるのを見届けてから、俺は街への帰路に着こうとする。
 
 「仲良くなったポケモンかぁ......同期とか?」

 この時期だ。 晴れて新しく探検隊を結成しましたみたいなポケモンも多くいる。 俺に報告してくる奴も結構いるけれど、その中で来年の花見メンバーがいるかもしれないと思うと、見守り方が変わってきそうだ。
 それに、あいつらの事だ。 夏の遠征も行くだろうし、もしかしたら思いもよらないポケモンだってメンバーに入るかもしれない。 ......可能性の山じゃないか。 あいつら。 面白い約束取り付けたもんだ。
 年を取ると1年が短くなると言うけれど、今年は長そうだなぁと思う。 来年の光景が浮かび上がる。 俺達3匹と、新たな出逢いで繋がった相手とのお花見。 笑い合って、俺は酒を少々飲ませてもらって......そうやって楽しく見る桜。 ロマンがあるじゃないか。それを想像し続けるだけでも暇潰しになるだろう。
 散っていく桜は儚いけれど、それは来年また新しい花が咲く暗示でもある。 俺はその時を夢見て、新しく生まれた小さな希望に思いを馳せた。 澄んだ空色の下で見る、モモイロの世界へと。

 「楽しみだなぁ」
 

 栞には、「道標」という意味もあるとのことです。

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