過ち、そして目覚め

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作者:衣刀
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読了時間目安:3分
人工の島とは思えないほどの緑で空を染めあげる森、青くどこまでも潜れそうな海、白く大地を塗りつぶす雪。そしてヒトとポケモン…。いや、トモダチが互いを尊重し合っている。パシオはそんな所だった…。

ボクがパシオという言葉を聞いたのはつい最近のこと。そこでトモダチをモンスターボールに入れる必要は無い、それを聞いてボクはドキッとした。そこはもしかすると嘗てボクが望んだ世界と類似しているのかもしれない、むしろそれ以上の世界なのかもしれない。その日から「パシオ」という場所に行くのが堪らなく待ち遠しかった。今すぐにでも行こうと思った。でも…。



「言ってみれば人の心を持たぬバケモノです」
ゲーチス…。今思うとボクはそうなのかもしれない。やはりパシオに行くべきでは無いのだろうか…。
「伝説のポケモンと共にこれからどうするか……それが大事だろうよ!」
当時のチャンピオン、たしかアデクといったヒトだった。ゲーチスの野望によって絶望したボクを励ましてくれた。…なぜ?なぜあれほどボクの理想の世界を受け入れる事を拒んでいたヒトが、ボクの背中を押してくれたのか?ヒトこそボクが1番恐れていたものじゃないか…。
「ポケモンとどう付き合うべきか。それは一人一人が考えを決めればいいんじゃない?」
アララギ博士。初めはこの人の言っていることが分からなかった。正直今でも分からない。言ってしまえばゲーチスだって間違ってはいないことになるから。一人一人の考えによってトモダチが幸せになる…?トモダチはその考えを求めている…?ますます分からなくなる。

「…は…の…と…う」
…聞き覚えのある声。最もと言っても過言ではないくらい脳裏に焼きついている声。そうだ、キミは…!!



空に広がる幾千の雲をかき分けるトモダチ。そしてボクはトモダチの背中に乗っている。
キミも楽しみにしているかい?ボクは早くヒトビトに会ってみたいよ…。
(………!!)
やはりキミもか…。パシオ、どんな所だろうか…。あ、大丈夫?痛くなかった?無理はしなくていいんだよ。
(………)
そうか、わざわざありがとう、ボクのトモダチ。キミには前に辛い思いをさせてしまったね、本当に申し訳ないと今でも思っているよ…。
(……?)
そうなのかい?キミはボクを…、これ以上は聞かないでおくよ、ふふっ。
(………)
ああ、そうかそれを知りたかったんだね。なぜボクがこの地を目指しているのか。それは、ボクに嘗て素敵なメロディーを奏でてくれたヒトと会うために…。そう、またあのハーモニーを響かせたいからね…。

空で1つの笑い声があがった。
人によって傷つけられ、人によって支えられる。
皮肉にも人間は人間によって形が変わっていく、心も変わっていく。
それを良いと思えるか悪いと思うかも人間との関わり方で決まる。
でも、自分がどうなろうと、他の誰かがきっと見ている、見てくれている。辛くても必ず報われる時が来る。
だから諦めない、頑張れる、それもまた人間。

そしてどうか、貴方の素敵なメロディーが他の人の心の中で、共鳴しますように…

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