Winter Moon

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作者:太陽
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読了時間目安:4分
見ていただきありがとうございます。
「月食」と「冬」をテーマにした小説となっております。
よろしくお願いします。
「ゲホッ、ゲホッ……」

 とても寒い日の冬の夜。中学二年生の月城つきしろ美冬みふゆは、風邪で寝込んでいた。

「37.5度……まだしばらく寝てた方が良さそうね」

 母親に寄り添ってもらいながら体温計で熱を測ったが、朝からずっと下がらないままこの調子だ。

「うん……悔しいな。なんでよりによって今日風邪ひいちゃうかな……」

花音梨かおりちゃんと月食を見に行く予定だったんだっけ?」

「うん……」

 本当であれば美冬は今日、親友である花音梨と年に一回起こる月が欠けて見える現象、月食を見に行こうとしてたのである。当日になってこのような状況になってしまい、ドタキャンせざるを得なかった。

「今日まで楽しみにしてたのに、どうして、どうして……」

 あまりの悔しさに、ついには涙を流してしまう彼女だったが、そんな時……。

「ハナ?」

「え?」

「あら、ハナちゃん……」

 一緒に住んでいるキレイハナのハナちゃんがこそこそと部屋に入ってきた。

「ハナ……」

 ハナちゃんはとても心配そうな目で美冬を見つめいている。

「大丈夫よハナちゃん。美冬はたっぷり寝たら、元気になると思うから……」

「ごめんね。心配かけちゃって……」

 二人にそんなことを言われたものの、ハナちゃんはすぐには安心できないようで、おろおろ、おろおろと慌てながら、何かをひらめいた。その後、ハナちゃんは部屋の真ん中に立つ。

「……?」

「どうしたのかしら……」

 ハナちゃんは真剣な顔つきになったあと、自身の技である「つきのひかり」を繰り出した。部屋の中がキラキラと照らされている。母親は何かを察したのかすぐに電気を消した。

「ハナッ!」

 そして次にもう一つ「マジカルリーフ」を繰り出す。
光り輝く月を、色とりどりの葉っぱがひらひらと舞い散っている。とても美しい光景だ。

「わぁ……!」

「綺麗ね……」

 美冬も母親も、思わず見とれてしまう。月食を見に行けなかった美冬への、精一杯の励ましだった。

「ハナちゃん、ありがとね」

「ハナ!」

「ふふっ。ハナちゃん、いつの間にか自分からこんなことができるくらいに成長してたのねぇ」

 素敵なものを見て、美冬は少し元気になった気がした。
そして、外にある窓から本物の月を見つめた。ちょうど月食の途中で、少しずつ欠けていっているところだ。

「来年は、またみんなで見に行きたいなぁ……」

 美冬はそんなことを思いながら、月を見続ける。

一番寒い季節である冬に、最高に温かい思い出が残されたのであった――。
ポケモンの世界にも「月食」はあるのでしょうか?
そういった自然現象があるのかを考えるのも、ポケモン二次創作小説の醍醐味だと思ってます。

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