引退の花道

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作者:オレカゲ!
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読了時間目安:3分
 みなさんは今頑張っていることへのピリオドを打つ日って想像したことがありますか?今回のテーマは「引退」ということで、ポケダン主人公がその日を迎えることをイメージしています。
 「ちくしょう…………また救助活動に失敗しちゃった…………」
 「仕方ないよ、悪いことが続くことだって時にはあるよ。気持ち切り替えていこう?がんばろ?ね、ヒトカゲ?」


 パートナーのカラカラが懸命に俺のことを励ます。星の衝突から世界を救い、一躍時のヒーローになった救助隊「ポケモンズ」の面影はどこへやら。仕方ない。あれからもう何年もの時間が過ぎているのだから、力だってある程度ピークよりは弱くなってる。あのときのような力任せや勢い任せでは通用しなくなっているのは、きっと良き相談相手のパートナーだって感じていることだろう。それだけに悔しくてたまらない。


 「明日こそはきっと上手く行くよ、じゃあね」
 「ああ、今日も済まなかったな」


 依頼主、それからペリッパーたちに謝罪を述べて来た頃には夕方になっていた。パートナーがともだちエリアへと戻っていく。すっかり日が傾き、辺りは鮮やかなオレンジ色に染まっていた。なぜだか哀しさが募る。かつてならこの時間は幸せな一時で、傷だらけ、泥だらけになりながらも笑顔で過ごせたと言うのに。


 …………夜。基地の中のベッドで寝転がる俺の頭の中に自分がヒトカゲになってからの日々が浮かんできた。どれくらいのシーンが浮かんだかわからない。けれど、最後に浮かんできた言葉がある。それは…………


 「救助隊からの引退」


 カラカラは悲しむかもしれない。一度逃亡の旅を始める前に憔悴しきって同じことを考えたことがあるが、そのときとはまた状況が違う。あのときより自分は追い詰められてるが、あのときとは違ってカラカラにはたくさんの仲間もいるし、キャタピーちゃんのように見習いからスタートした新芽も伸びてきた。むしろピークの過ぎた俺がこのまま救助隊を続けるよりは、きっと迷惑もかけずに済むだろう。それに、


 「アイツの気持ちは嬉しいけど、もう充分すぎるくらい優しさは貰えた。もう、アイツにも自由になってほしい。昔と違って大人になったし、きっとわかってくれるだろう」




 「そっか。辞めちゃうんだね。お疲れ様。最近の疲れっぷりを見ていたら、ヒトカゲを引き留めるのも正直辛かったんだ」
 「済まない。最後までワガママなリーダーで」
 「ワガママだなんてそんな。ボクだってずっとヒトカゲにワガママ言ってきたんだ。せっかく帰れたハズの人間世界からこっちに残ってくれた。それにずっと感謝してるんだよ?」
 「カラカラ………」


 彼は笑顔だった。やっぱりコイツと一緒に救助隊を結成出来て良かった。コイツは最後の最後まで自分の意志を尊重してくれた。


 「ボクはキミがその赤いスカーフと、バッジを置いたとしてもきっとがんばれるよ。だから安心して、今はゆっくり休んで…………と、その前に!最後の引退の花道…………飾りに行こうか!」
 「おう!いくぜ、“ポケモンズ”」!!

 読了ありがとうございました。ボク自身、10年以上の活動の中で最近はよくそんなことをイメージしたりします。連載小説を途中で諦める可能性もあります。それくらいその怖さみたいなのを抱えながら、頑張っています。まあ、そのときが本当に来るときは「悔いは何もない。やりきった」って言いたいですね。

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