夢喰獏
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読了時間目安:11分
この作品は小説ポケモン図鑑企画の投稿作品です。
何か面白いことを思いつくのは、決まって「何か別のことをしなければならない時」であった。それは仕事の合間であったり、寝る前の時間であったりした。おかげで仕事は碌に手につかず、床に入っても寝つけやしない。次々と頭の中に文章やら音楽やらが生まれては消えていく。それを忘れぬように書き留めておこうと思って、紙とペンを手に取るのだが、その時には別の思考が邪魔をして、何を書こうとしていたのか分からなくなる。
全く不便な頭であるが、これも「やらなければならないこと」から無意識に逃げ続けてきたことに対する報いなのであろうか。
思うに、何かをしなければならない、という意識は行動を妨げるのではなかろうか。夜寝ようと思うとなかなか眠れず、昼に練るまいと思って気張っていると眠くなるのは、つまりそういうことではなかろうか。
そうして頭が考え事で埋まった時、そいつは現れるようになった。そして私の頭にとりついて、むしゃむしゃと口を動かすのだ。するとどうだろう。頭を満たしていた思考の数々が、文字通り消えていくのだ。そして何も考えることがなくなったなら、そいつは満足げにげっぷをして姿を消す。後にはほのかに甘い香りのする紫色の煙が残される。私は私で、すっきりした頭とよい香りのおかげでぐっすりと眠りにつける。そんな日が幾度となく続いた。
しかし、そいつに頼り過ぎたのがまずかったのだろう、私の頭は次第に、情報を処理できなくなっていった。忘れるべきことを忘れられず、覚えておかねばならない大切なことは忘れてしまう。そいつが頭に食いついたら食らいついたで、必要な情報もそうでない情報も十把ひとからげにして食べてしまう。おかげで頭が冴えるかと思いきや、また別の余計な考えが浮かんでは頭が埋まっていく。そしてまたそいつが思考を食らう。その繰り返し。きりがない。
私は常にそいつを頭に齧りつかせていなければ生きていけなくなってしまった。調べてみれば、そいつはムシャーナという夢を食らう化け物だというのだ。夢ではなく起きているときの思考を食べるあたり、特殊な奴なのかもしれない。そいつはそいつで、食うだけ食って私の頭の上にしがみつくばかりで動こうとしないため、次第にぶくぶくと太っていく。おかげで首や肩が痛いのなんの。私の頭と体、どちらが先に壊れるのだろうか。いずれにせよ、互いのためにも早急にこのピンクの夢魔との依存関係を改善しなければならない。
私は考え事をノートに整理するようにした。頭の中にあることも、書き出してしまえば「忘れてもいいこと」になる。忘れても、ノートを見返せば思い出せるからである。一つのことがらに対して一ページずつ、足りない場合は適宜追加しながら。どれほど些細で分量が少なくとも、贅沢にページを使う。その上で、どれが必要でどれが不要かを確認した。不要なものは見返す必要もないので、ページごと破って捨てる。必要なものは取っておいて、考えが浮かぶたびにページを追加していく。こういう時、パソコンやスマートフォンのメモ機能は便利だ。ことがら毎にファイルを分け、書き足すことも書き直すことも、ファイルごと消すことも容易い。しかし、夜寝る前に浮かんだ考えをメモしたり、書いたことを見返したりするために、画面を見なければならない。電子機器の画面の光は脳を覚醒させ、睡眠の質を落とす原因となる。記憶は眠っている間に整理されるのだ。避けられる睡眠不足の要因は避けるに越したことはない。この作業をノートで行うことに限界を感じたのは、一つの事柄に対して追記をしたいと思った時だ。いつ何時、どのことがらに続きを思いつくか分かったものではない。不要だと思って捨てた部分が実は重要な部分で、後になってそのことを思い出すかもしれない。そこで、私はバインダーとルーズリーフを使うことにした。これならば必要な時に必要な部分に紙を追加したり、不要な部分を別のファイルに閉じたり順番を並び替えたりすることで優先順位をつけられる。備品の変更が功を奏し、記憶の整理が一層はかどるようになった。
加えて、極力外に出て運動をするようにした。余計なことを考えずに、そこら中を歩き回る。たった数十分歩くだけでも、ごちゃごちゃした思考から解放されて気が楽になる。それだけでなく、血行もよくなるので肩や首の凝りが多少楽になる。夢魔も私の後をついて回る。夢魔にとってもいい運動となればよいのだが、ふよふよと浮かんでいるだけなので体を動かすことになっているのかどうかは正直怪しい。
夢魔の齧りつきも制限した。齧りつかれるたびに考えていることを全て食われたら、何も解決しない。どうしても何かに打ち込まなければならない時に限り、時間を決めて食いつかせた。それ以外の時は、夢魔が寄ってきてつぶらな瞳で懇願しようとも、断りもなく齧りつこうとしようともそれを拒否した。運動に加えて食べる量が減ったことで、太っていた夢魔の体も少しずつ萎んでいった、ような気がする。いちいち体長や体重の記録を取っていないためはっきりとは分からないが、多分萎んでいるだろう。少なくとも、図鑑で見た夢魔と同程度には戻ったはずである。
そうやってあれこれ試しているうちに、私は少しずつ思考を整理できるようになっていた。夢魔はというと相変わらずで、いつでも眠そうに目を瞑っているかと思えば、隙を見て私の頭に食らいつこうと狙っている。しかし常にというわけでもなく、だいぶ噛みついていいタイミングを覚えてきたようである。
ところで、読者諸賢は眠っている間に夢を見たことはあるだろうか。私はある。というか、割とよく見ていた気がする。しかし、夢魔が現れてからはめっきり夢を見なくなった。というよりも、目が覚めたとき、それまで夢を見ていたかどうかが定かでないのである。一体全体、どうしたものだろうか。まさか、眠っている間は手が出せないからといって、知らず知らずのうちに夢魔が夢を食べてしまっているのだろうか。おかげさまで、悪夢にうなされることはなくなったものの、いい夢を見ることさえできなくなってしまった。代わりに朝目が覚めると、部屋の中が謎の煙に包まれていた。得体の知れないそれは、夢魔が夢を食って噴き出したものだと後で知ることになるのだが、そうと知るまでは気味が悪いからといって窓を開けて換気扇を回していたため、これといっておかしなことは起こらなかった。黒い煙は悪夢を見たときに吐きだし、触れると悪夢が具現化してしまうという。我ながら悪運だけは強いものである。
ところで、寝る前に考えていた大事なことがあったような気がするのだが、忘れてしまった。まあ、眠る前にメモを取ったことだし、バインダーを見返せば思い出せるだろう。そう思ってバインダーを探ったのだが、どうもピンとこない。まさかメモを取り忘れただろうか。いや、そんなことはない。何かが思い浮かんだ時のために、私は枕元にもルーズリーフとペンを置いてある。何か思いついたのであれば、何かしら書き留めてあるはずである。しかしどうも思い出せない。果たして、何かを思いついたのは、夢魔が食らった夢の中での出来事であったのだろうか。分からなくなった私は、初めて夢魔が残していった紫の煙に触れた。瞬間、風が吹き荒れるかのように景色がかき回された。回りに回ってやっとこさ落ち付いた景色は、いつもと何ら変わりのない私の部屋だ。窓が開いているし換気もしてある。いつの間に済ませたのだろう。頬をはたいてみても、ちゃんと痛い。これは現実だ。しかし、何かがおかしい。いつも枕元に置いてあるはずのルーズリーフと、それを留めておくためのバインダーがない。布団を剥いでも見当たらない。作業用デスクの上にもない。もしや夢魔が持って行ってしまったのだろうか。考えても仕方がない。仕事をするために職場に行って、その日の仕事を卒なくこなし、家に帰って飯を食う。何か書き留めておく必要があるときは、その辺にあった不要な紙の裏に書いておく。当然、慣れたルーズリーフとは勝手が違う。いつもと変わらない日々だというのに、ルーズリーフがないだけでこんなにも不自由に感じられる。夢魔への依存を断ち切ったかと思ったら、今度は考えを書き留めるためのメモに依存していたとでもいうのだろうか。シャワーだけをさっと浴びて布団に入ると、何を考えるでもなく気絶するように眠ってしまった。
次の朝、起きてみると枕元にはなくしたはずのルーズリーフとバインダーがあった。開いてみれば、メモは昨日の時点で止まっている。……おかしい。昨日はバインダー自体なかったのではないか。日付を確認して合点がいった。ルーズリーフをなくしたのも、何でもない日常を過ごしたのも、全て夢だったのだ。次の朝だと思ったのは今朝のことで、そもそも今日は仕事が休みの日だ。そうでもなければ、夢が具現化してしまうという煙に進んで手を出そうはずがない。分かってはいるものの、もしも本当に仕事のある日に触れてしまっていたら。そう考えると、冷や汗が背筋を伝う。普段目を覚ます時間から数時間も後だ。仕事がある日なら間違いなく遅刻していただろう。今日が仕事のない日でよかったと胸を撫でおろした。
息をついたところで、またどこからともなく夢魔はやってきた。そして躊躇なく私の頭にかぶりつき、もしゃもしゃと咀嚼を始めた。丸々とした体からは想像もできない速度だった。抵抗する暇さえないまま、目の前がぼやけかけた頃には、夢魔は私の頭から離れてどこかへ消えていた。はて、何かよくないことがあった気がしたのだが、何だっただろう。あの夢魔は、そのよくないことの記憶を食べてしまったとでもいうのだろうか。残念ながら、食われてなくなってしまった記憶を再び呼び起こすことはできなかった。しかしそれでいい。おそらくそのことを夢泡沫同様に忘れてしまったところで、日常生活に支障をきたすわけではなさそうだったから。そう思えたのは、記憶を整理できるようになってきたことの証明であると、そう思いたい。
全く不便な頭であるが、これも「やらなければならないこと」から無意識に逃げ続けてきたことに対する報いなのであろうか。
思うに、何かをしなければならない、という意識は行動を妨げるのではなかろうか。夜寝ようと思うとなかなか眠れず、昼に練るまいと思って気張っていると眠くなるのは、つまりそういうことではなかろうか。
そうして頭が考え事で埋まった時、そいつは現れるようになった。そして私の頭にとりついて、むしゃむしゃと口を動かすのだ。するとどうだろう。頭を満たしていた思考の数々が、文字通り消えていくのだ。そして何も考えることがなくなったなら、そいつは満足げにげっぷをして姿を消す。後にはほのかに甘い香りのする紫色の煙が残される。私は私で、すっきりした頭とよい香りのおかげでぐっすりと眠りにつける。そんな日が幾度となく続いた。
しかし、そいつに頼り過ぎたのがまずかったのだろう、私の頭は次第に、情報を処理できなくなっていった。忘れるべきことを忘れられず、覚えておかねばならない大切なことは忘れてしまう。そいつが頭に食いついたら食らいついたで、必要な情報もそうでない情報も十把ひとからげにして食べてしまう。おかげで頭が冴えるかと思いきや、また別の余計な考えが浮かんでは頭が埋まっていく。そしてまたそいつが思考を食らう。その繰り返し。きりがない。
私は常にそいつを頭に齧りつかせていなければ生きていけなくなってしまった。調べてみれば、そいつはムシャーナという夢を食らう化け物だというのだ。夢ではなく起きているときの思考を食べるあたり、特殊な奴なのかもしれない。そいつはそいつで、食うだけ食って私の頭の上にしがみつくばかりで動こうとしないため、次第にぶくぶくと太っていく。おかげで首や肩が痛いのなんの。私の頭と体、どちらが先に壊れるのだろうか。いずれにせよ、互いのためにも早急にこのピンクの夢魔との依存関係を改善しなければならない。
私は考え事をノートに整理するようにした。頭の中にあることも、書き出してしまえば「忘れてもいいこと」になる。忘れても、ノートを見返せば思い出せるからである。一つのことがらに対して一ページずつ、足りない場合は適宜追加しながら。どれほど些細で分量が少なくとも、贅沢にページを使う。その上で、どれが必要でどれが不要かを確認した。不要なものは見返す必要もないので、ページごと破って捨てる。必要なものは取っておいて、考えが浮かぶたびにページを追加していく。こういう時、パソコンやスマートフォンのメモ機能は便利だ。ことがら毎にファイルを分け、書き足すことも書き直すことも、ファイルごと消すことも容易い。しかし、夜寝る前に浮かんだ考えをメモしたり、書いたことを見返したりするために、画面を見なければならない。電子機器の画面の光は脳を覚醒させ、睡眠の質を落とす原因となる。記憶は眠っている間に整理されるのだ。避けられる睡眠不足の要因は避けるに越したことはない。この作業をノートで行うことに限界を感じたのは、一つの事柄に対して追記をしたいと思った時だ。いつ何時、どのことがらに続きを思いつくか分かったものではない。不要だと思って捨てた部分が実は重要な部分で、後になってそのことを思い出すかもしれない。そこで、私はバインダーとルーズリーフを使うことにした。これならば必要な時に必要な部分に紙を追加したり、不要な部分を別のファイルに閉じたり順番を並び替えたりすることで優先順位をつけられる。備品の変更が功を奏し、記憶の整理が一層はかどるようになった。
加えて、極力外に出て運動をするようにした。余計なことを考えずに、そこら中を歩き回る。たった数十分歩くだけでも、ごちゃごちゃした思考から解放されて気が楽になる。それだけでなく、血行もよくなるので肩や首の凝りが多少楽になる。夢魔も私の後をついて回る。夢魔にとってもいい運動となればよいのだが、ふよふよと浮かんでいるだけなので体を動かすことになっているのかどうかは正直怪しい。
夢魔の齧りつきも制限した。齧りつかれるたびに考えていることを全て食われたら、何も解決しない。どうしても何かに打ち込まなければならない時に限り、時間を決めて食いつかせた。それ以外の時は、夢魔が寄ってきてつぶらな瞳で懇願しようとも、断りもなく齧りつこうとしようともそれを拒否した。運動に加えて食べる量が減ったことで、太っていた夢魔の体も少しずつ萎んでいった、ような気がする。いちいち体長や体重の記録を取っていないためはっきりとは分からないが、多分萎んでいるだろう。少なくとも、図鑑で見た夢魔と同程度には戻ったはずである。
そうやってあれこれ試しているうちに、私は少しずつ思考を整理できるようになっていた。夢魔はというと相変わらずで、いつでも眠そうに目を瞑っているかと思えば、隙を見て私の頭に食らいつこうと狙っている。しかし常にというわけでもなく、だいぶ噛みついていいタイミングを覚えてきたようである。
ところで、読者諸賢は眠っている間に夢を見たことはあるだろうか。私はある。というか、割とよく見ていた気がする。しかし、夢魔が現れてからはめっきり夢を見なくなった。というよりも、目が覚めたとき、それまで夢を見ていたかどうかが定かでないのである。一体全体、どうしたものだろうか。まさか、眠っている間は手が出せないからといって、知らず知らずのうちに夢魔が夢を食べてしまっているのだろうか。おかげさまで、悪夢にうなされることはなくなったものの、いい夢を見ることさえできなくなってしまった。代わりに朝目が覚めると、部屋の中が謎の煙に包まれていた。得体の知れないそれは、夢魔が夢を食って噴き出したものだと後で知ることになるのだが、そうと知るまでは気味が悪いからといって窓を開けて換気扇を回していたため、これといっておかしなことは起こらなかった。黒い煙は悪夢を見たときに吐きだし、触れると悪夢が具現化してしまうという。我ながら悪運だけは強いものである。
ところで、寝る前に考えていた大事なことがあったような気がするのだが、忘れてしまった。まあ、眠る前にメモを取ったことだし、バインダーを見返せば思い出せるだろう。そう思ってバインダーを探ったのだが、どうもピンとこない。まさかメモを取り忘れただろうか。いや、そんなことはない。何かが思い浮かんだ時のために、私は枕元にもルーズリーフとペンを置いてある。何か思いついたのであれば、何かしら書き留めてあるはずである。しかしどうも思い出せない。果たして、何かを思いついたのは、夢魔が食らった夢の中での出来事であったのだろうか。分からなくなった私は、初めて夢魔が残していった紫の煙に触れた。瞬間、風が吹き荒れるかのように景色がかき回された。回りに回ってやっとこさ落ち付いた景色は、いつもと何ら変わりのない私の部屋だ。窓が開いているし換気もしてある。いつの間に済ませたのだろう。頬をはたいてみても、ちゃんと痛い。これは現実だ。しかし、何かがおかしい。いつも枕元に置いてあるはずのルーズリーフと、それを留めておくためのバインダーがない。布団を剥いでも見当たらない。作業用デスクの上にもない。もしや夢魔が持って行ってしまったのだろうか。考えても仕方がない。仕事をするために職場に行って、その日の仕事を卒なくこなし、家に帰って飯を食う。何か書き留めておく必要があるときは、その辺にあった不要な紙の裏に書いておく。当然、慣れたルーズリーフとは勝手が違う。いつもと変わらない日々だというのに、ルーズリーフがないだけでこんなにも不自由に感じられる。夢魔への依存を断ち切ったかと思ったら、今度は考えを書き留めるためのメモに依存していたとでもいうのだろうか。シャワーだけをさっと浴びて布団に入ると、何を考えるでもなく気絶するように眠ってしまった。
次の朝、起きてみると枕元にはなくしたはずのルーズリーフとバインダーがあった。開いてみれば、メモは昨日の時点で止まっている。……おかしい。昨日はバインダー自体なかったのではないか。日付を確認して合点がいった。ルーズリーフをなくしたのも、何でもない日常を過ごしたのも、全て夢だったのだ。次の朝だと思ったのは今朝のことで、そもそも今日は仕事が休みの日だ。そうでもなければ、夢が具現化してしまうという煙に進んで手を出そうはずがない。分かってはいるものの、もしも本当に仕事のある日に触れてしまっていたら。そう考えると、冷や汗が背筋を伝う。普段目を覚ます時間から数時間も後だ。仕事がある日なら間違いなく遅刻していただろう。今日が仕事のない日でよかったと胸を撫でおろした。
息をついたところで、またどこからともなく夢魔はやってきた。そして躊躇なく私の頭にかぶりつき、もしゃもしゃと咀嚼を始めた。丸々とした体からは想像もできない速度だった。抵抗する暇さえないまま、目の前がぼやけかけた頃には、夢魔は私の頭から離れてどこかへ消えていた。はて、何かよくないことがあった気がしたのだが、何だっただろう。あの夢魔は、そのよくないことの記憶を食べてしまったとでもいうのだろうか。残念ながら、食われてなくなってしまった記憶を再び呼び起こすことはできなかった。しかしそれでいい。おそらくそのことを夢泡沫同様に忘れてしまったところで、日常生活に支障をきたすわけではなさそうだったから。そう思えたのは、記憶を整理できるようになってきたことの証明であると、そう思いたい。
残念ながら、この小説の中で書いた方法は「私がこうすればよいのではないか」と思って書いたことであり、私が試したわけではありません。よって、実際役に立つのかどうかは分かりません。しかし、私が考えていることを整理できないのは確かです。書いたのなら試してみろということですね。まずはルーズリーフとバインダーを用意するところから始めなければ。