進化戦隊!ブイレンジャー! レッド離脱?! テラワロス(略)

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 暦2768年 ポケモニア王国 

 その国の王であるカイリューのセント王は名君として知られ良政を引き、世界は平和だった。

(省略)


「進化を許されるのは一部の者だけでいい、そしてこの国に私が王として君臨する!」

 ディクリアは強制退化装置と進化妨害電波装置によって、徹底した進化規制を行った。進化前では進化後には敵わないものである。
 さらにディクリアは伝説と称されたポケモン達を次々と召し集め、確固たる力をその手中にした。 かくして力による絶対支配を確立するのだった。

 月の丘の女神クレセリアは大いに嘆き、5匹のイーブィ達に自分のすべての力を与えた。
 それはこの世の悪を打ち倒すときに「ブイチェンジ!」の掛け声で、己の進化系へと変身する力。
 そして…… クレセリアはその5匹の戦士達をこう名付けたのだった。


 その名は “進化戦隊 ブイレンジャー”!!
都合により番組の後半部分からお送りします。








*************

「テラワロスww」
「…………」
「ワロス、たった一匹で俺に挑むとかマジウケるしww ほら、他の奴ら早く連れて来いよww」
 そのゴッツくて硬派な顔にまったく似合わない高い声で笑うテラキオンを見つめて、ブイブルーは静かにくちびるを噛んだ。
 シャワーズのブイブルーにとって、岩タイプのテラキオンは相性的には有利ではあったが、さすがに1対1では分が悪く容易に勝てそうな相手ではない。
 一瞬だけ横目でブイブラックとブイホワイトの様子を見る、悪タイプと氷タイプだった二匹はテラキオンの猛攻を耐えきれず既に倒されて気絶してしまい、進化がとけてもう戦えない、そのためブイブルーは隅でねかせているその二匹もまもりながら戦わなければならなかった。残りのメンバーであるレッドとイエローはここにはまだ来ていない……

「(むぅ…… こんなときに、あの2匹が喧嘩なんてしていなければなー……)」
 普段はのんびりした性格の彼だがやるときはちゃんとやる、過ぎたことを後悔してもしかたはないのだ、すぐにレッドをイエローと合流すべくここは撤退することも選択肢ではあったが、戦闘不能の彼女達をおいてここを離れるということは絶対にできない、ブイブルーは再び[アクアリング]をまといなおし持久戦の構えに入る。
「インファッ!」
 テラキオンはその巨体に似合わない俊足で一気に距離を詰めて、そのスピードにのっかり豪腕を振り下ろす!
 ブイブルーは瞬時に自らの体を[とかし]て、力任せに叩きつけられたその打撃を通りぬかせて[インファイト]のダメージを受け流した。
「(もーまんたい…… レッドもイエローもじきに来るんだ)」
 自分にそう言い聞かせ、避けれられるものは避け、受けるものは受ける、時間稼ぎは彼にとってはお手の物だ。それを見たテラキオンは不思議なオーラをまといながら直線をえがくステップを踏みながら戦い始める。ブイブルーはそれを[剣の舞]だと見抜き、相手はアクアリングを見て少しずつ削る戦法を放棄し、一撃の威力を増やす戦法にきりかえたのだと察した。

「(つるぎのまいか… んー こまった。やけどが欲しいかな)」
 防御は十分あげているが油断はできない、急所の一撃を受けないように注意深く戦わないとならないし、理想を言えば隙をみてねっとうを吹き付けて相手の火傷を狙うべきだろう。
 十分な間合いを取って相手の出方をうかがいながら、反撃のタイミングを図る。

「テラワロスラァァッシュゥゥww!」

 テラキオンは両腕から鋭く長い光の刃を作りだし、その二本の剣を豪快に振り回してブイブルーに斬り付けた。
 突然二足歩行で立ち上がり両手の剣で斬りつけてきたため、その長い光の刃を避ける間合いが取れなかったが、ブイブルーは反射的にその攻撃に合わせて体を[とかし]、スルリと受け流した はずだった。
 だが……その斬撃はすりぬけることなく、その実体をとらえて彼の体を袈裟に斬り裂いた。
 ブイブルーにはその瞬間、自分の身にいったい何が起こったのか分からずパニックになったが。激しい痛みと共に地面にふせた刹那、その技の正体を悟った。

 三闘士の秘剣――[せいなるつるぎ]
 その刃先はすべての誤魔化しを消し去り、それを守るもの全部を"無かったこと"にして貫くと伝わる。

 聖なる剣の一閃でブイブルーは体力をうしない、進化エネルギーを使いはたして全身が光に包まれた後、変身はとけて青いマントに包まれたイーブイへと退化してしまった!
 戦える力はもう無い…… 目の前が真っ暗になった……!
 気をうしない地に伏せるブイレンジャー達を眺めて、テラキオンはここぞとばかりにゲスな笑いを浮かべておちょくった。
「おやぁ? さっきまでお前なんて3匹で十分だ!とか言っちゃったくせに、もうくたばるとかテラワロスww てか、早すぎじゃね? ねぇ、いまどんな気持ち?ねぇいまどんな気持ち?どんな気持ち? あれれぇ最初の威勢はどこに行っちゃったのかなww てか、弱すぎなんだけどマジ! 誰こいつをつえぇって言った奴は! 出てこいよぶっ飛ばしてやるよww」






 ……と、そこに!

「待てっ!!」
「…お?」
 テラキオンが声の方向へ振り返ると、そこには赤のマントと黄色のマントを体に巻いた二匹のイーブイが立っていた。
「「ブイ・チェンジッ!!」」
 2匹のイーブイはそう叫んで前足をクロスすると、前足に装着されたリングが激しい輝きを放ち始め、さらにその腕を高々と上げると2匹の身体は煌(きら)びやかな大きな光の球に覆われた。

 そして、渦巻く光の輝きが消えるとそこには ――イーブイではなく、ブースターとサンダースの姿があった!

 小さいイーブイの時はまるでマントのようだった大きな布は、進化して体が大きくなったことでその首にジャストフィットする、それぞれ燃えるような赤色と輝くような黄色のスカーフとなっていた。
「進化の輝き灯すため、聖なる炎が燃え上がるっ! ブースター、ブイレッド!」
「電光鉄火っ! つんざけ僕のボルテッカー! サンダース、ブイイエロー!」
 ブースターとサンダースはそれぞれ左右対称にポーズを決める!

「「我ら、進化戦隊ブイレンジャー!!」」

「ワロス」
 テラキオンはケラケラと嘲笑った。
「ウェーーーイ いまさら来ても遅いしぃww サーセンww もうみんなやられてやんのww うはっテラワロスwwww」
「遅くなってごめん、みんな」
「……すまんな、イエロー ついムキになってあんなこと言ってしまって」
「いや、大丈夫だってっ こちらこそごめん、戻ってきてくれてありがとうレッド。 それに謝る相手はみんなにだろう? 今はこの目の前の敵を倒すことを考えないと」
「……そうだな」
 ブイレッドはしかと敵のテラキオンの姿を見る。数の上では有利かもしれないが、相性的には相手のほうが有利なのでけっして油断はできない。
 テラキオンの強さとは、その圧倒的な物理攻撃力と素早さであり、特殊攻撃と耐久力は低く得意不得意がはっきりしていると聞く、だが安易にその相手の弱点を突こうとするのは得策ではない、自分のわかりやすい弱点をわかっているからこそ、その補完がされていると考えるべきであり、うかつに攻めれば相手の思うツボだ。 ならば正面から、一気に勝負を決める!
 二匹が気配を感じて飛び退くと、先ほどまで立っていたその地面からテラキオンの[ストーンエッジ]が突き上がった。
 着地後にブイレッドはブイイエローの顔をみて、アイコンタクトをとる。
「最初っからクライマックスで必殺技をぶっとばしていくぞ! オデンだ、いいな?!」
「ああ!」
 ブイレッドとブイイエローは二匹の合体必殺技の構えに入る。
「集いし絆が更なる力を紡ぎ出す! 光射す道となれ!」
「ワロス」
 技の口上の最中であるにも関わらず、卑怯にもテラキオンは[でんこうせっか]のロケットダッシュからつないだ[インファイト]で、妨害の先制攻撃を仕掛けてきた。
 だが2匹はそれを読んでいた。ブイイエローがブイレッドの背中をたたくと、ブイレッドはテラキオンに負けない速度で加速し、テラキオンの豪腕から繰り出される連打を、カイリキーに並び立つと評される持ち前の怪力で受け止める。
 テラキオンの強さとは、その圧倒的な物理攻撃力と素早さである。その2つを超えられるポケモンなど、そうは居ない、 だが。


 一匹では超えられないだろう。
 だが、二匹ならば超えられる!
 苦しいときも悲しい時も、一匹じゃ敵わない時でも、
 仲間と力を合わせて悪いやつらをやっつけるのだ!


 ブイイエローの[てだすけ]でブイレッドにアシストすることによりサンダースの俊足をブースターのブイレッドに与える、ブイレンジャー最速の足とブイレンジャー最強の力を組み合わせて、テラキオンの攻撃をすべてさばききり、最後に足を払ってその巨体を転ばした。
 そして仕上げにブイイエローは、弱い[でんじは]でテラキオンの動きを一時的に奪いとった。
 これでもう邪魔されることは無い、二匹は今度こそ本命の合体必殺技の口上を共に叫ぶ!
「炎と雷、今ここに交わる!」
「ハジけて爆ぜよ!」

「「 オーバー! ×(クロス)! デンジ! 」」

「うはww テラチートww ワロエナイww  アッ――――!!」

 炎と雷の奇跡のCPカプリングが作り出す、合体必殺技《オーバークロスデンジ》は
 高電圧からほとばしる電磁網が交錯して火花となり、大きな弾ける火炎の渦になって、テラキオンを包み込み。
 その一撃によって勝負は決したのだった――。













**********

「あー もー 信じられないんだけど!」

 戦いが終わり、ブイレンジャーの秘密基地にて……。
 ブイレッドとブイイエローは仲良く小さくなって、ブイホワイトのお説教を受けていた。
「貴方達が喧嘩なんてしている時にあたしがどんな目にあっていたと思っているの?ねえ!私は岩タイプも格闘タイプも苦手なんだけどぉ!ほんと死ぬかと思ったわ!あいつやけにすばしっこいし あいつの攻撃速すぎてよけられないし とっておきの氷結蹴りは空振るし というかそれ以上にあいつの口調がウザくてイラっとくるっ なんであたしがあんな奴に負けなきゃいけないのよ!」
 ブイホワイトはわざわざグレイシアにブイチェンジした上で、くどくどと説教をしていた。彼女が熱く叱るほど冷気は増すため目の前で聞いている二匹は寒くて仕方が無かったが、だからといって寒いと言うものなさばそのままブイホワイトの冷凍ビームで凍り付けにされることは目に見えていた。

「おい、そのくらいでやめておけ、ホワイト。今回も無事に全員生還できたのだからそれでいいだろ」
 少し離れたところで腕をくんで椅子に座っているブイブラックが、ブイホワイトをいさめた。
「あいつらも仲直りできたのだから」
「……そうね まあ、いいわ」
 ブイホワイトは変身を解除して、元のイーブイの姿へと戻ったので、二匹はほっと胸を撫で下ろした。

「……で、お前ら。喧嘩の理由はなんだったんだ?」
「え…… それは、どうだったっけな? なあ、レッド」
「忘れちまったな、イエロー」
「お前ら……」
 実はつまらない理由で喧嘩していたため、慌ててとぼける二匹に、ジト目であきれるブイブラックとブイホワイト。
 そんな様子をブイブルーは、何も言わず和やかな笑顔で見守っていた。


 仲間割れからリーダー離脱の危機にも直面したが、テラワロスキオンとの戦いでより一層の絆と、男の熱い絆を再確認したブイレッドとブイイエローだった!
 だが次なる敵はすぐ目の前にまで迫っている! 負けるなブイレンジャー! 進めブイレンジャー!


 世界に平和はおとずれるのだから!

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