太陽と雪

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 私は昔から、キラキラしたものが好きでした。色んなガラクタを集めては、その美しさに目を輝かせていました。しかし、私はそれだけでは満足できずに、もっとキラキラしたものを求めて、森の中を探し回りました。そして私は、とある一匹のポケモンに出会ったのです。

 「きみ、だあれ?」

 「私はモスノウ。キラキラしたものを探してるの。あなたは?」

 「ぼくはメラルバ。みんなをてらす太陽になるために、ここへやってきたんだ!」

 「そ、そうなの?あなた面白いポケモンね…」

 「…おかしなやつっておもった?うん、そのとおりだけどね」

 自慢げに話すメラルバというポケモン。彼の言動や仕草から、心身共に幼いという印象で、変わったポケモンだと私は感じた。
 でも、彼はとても真っ直ぐな目で、太陽になることを目指しているみたい。それがどういう意味か私は分からなかったけど、彼の姿はどんな宝石よりも光り輝いているように見えた。


 それから私とメラルバは、最初に出会った森でよく会うようになった。彼は太陽になる方法を探し求めてるようで、色んな場所を旅しているらしい。毎日というわけではないけど、こうやって二人が出会った後は、他愛のない会話をしながら、最近見つけた絶景の場所へ向かう。

 「ここだ。このがけのばしょ
なら、太陽のあたたかさをかんじる」

 「メラルバって凄いね。虫タイプなのにも関わらず、火や熱に怯えないんだね」

 「とうぜんだよ!ぼくは太陽になるんだから、どんなあつさにもたえられるようにならないといけないんだ!」

 「…本当にメラルバは凄いわね。私には絶対に真似出来ないよ」

 「…しょうじき、ぼくもたまにくるしくなるんだよね。太陽にからだをやかれていくゆめを、さいきんよくみるんだ…」

 メラルバが初めて見せた弱さ。彼だって私と同じ虫タイプ、心のどこかで炎を恐れている。彼の輝きを鈍らせないように、私はメラルバに寄り添う。そして私は、メラルバに一枚のカードを見せた。

 「見てメラルバ。このカード、太陽の絵が描かれているでしょ?他にも白馬に乗った子供と、背後にはひまわりが咲いてるわ」

 「…ほんとだ。よくわからないけど、これをみてるとなんだかげんきになってきたような…」

 「このカードをあなたにあげるわ。もしあなたが不安で押し潰されそうになったら、このカードを思い出して」

 「…ありがとう。ぼくもいつか、あの太陽みたいにでっかくあつくなってみせるよ!」

 その時のメラルバの姿こそ、太陽と同じ輝きをしていると私は感じた。彼の魂の輝きこそ、私が探し求めていたものかもしれない。


 その日から、私の体に異変が起こり始めていた。いつものように空を飛べなくて、全身が鉛のように重い。原因は薄々ながら分かっていた。
 メラルバの特性である「ほのおのからだ」。彼に触れた部分がずっと熱くて、体が溶けてしまいそうな感覚に襲われる。

 「私、このまま…消えちゃうのかな?」

 私の体から水滴が落ちている。このままだと本当に消えてしまう。でも、故郷の雪国へ行けばきっと治る。そう思った私は、この地方を旅立つことにした。最後に私は、メラルバと一緒に過ごした、思い出の崖に向かう。

 「もし故郷に帰ったら、メラルバともしばらく会えない…。せっかく見つけた私の太陽から、すぐに離れないといけないなんて…」

 太陽に触れられない己の運命を呪う。もし私が臆病じゃなかったら、命を顧みずにありのままの気持ちを伝えられたかもしれない。でもそんなことをしたら、メラルバは深く悲しむだろう。私が太陽に消されるところなんて、彼に見せてはいけない。

 「例え離れ離れになっても、私はあなたを見守ってます。さようなら、私が恋い焦がれた太陽さん」

 そして私は故郷へ旅立った。それ以来、あのメラルバとは一度も会っていない…。









 しかし数年後、太陽の化身と呼ばれるポケモンが、白くて美しいポケモンを探し求めてると噂になっていた。そして私は、再びあの太陽に出会う時が来るのだが、それはまた別のお話…。

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