交連

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読了時間目安:20分
とある秋の夕刻。
森では雄のコロトックやコロボーシたちが翅を振動させて葉や水とともに、雄大でありながら心が落ち着き、小さい音でありながら全身に染み渡る自然のオーケストラを演奏し、街では、家族を持つ者は家族と共に食卓を囲んでその幸せを享受し、家族を持たぬ者は何者にも縛られぬその自由な生活に満足していた。
そしてその街と、森の境目に建っている一軒の家の中。



「ねえエデン、裏と表の間って何があると思う?」


食事中だと言うのに、ヒカリは一枚のトランプカードを右前足でいじりながら僕に尋ねてくる。


「表と裏の間ねぇ...... なんにもないと思うけど。」

有機栽培されたモモンを頬張りながら、テレビに映されたポケモンバトルの中継に目を縛られていた僕は、表情一つ変えずに返事をする。


「でも、このトランプにも少しだけどちゃんと側面があるよ?」


ヒカリはその答えを待っていたかのように食い気味に返事をし、手元にあったリモコンでテレビの電源を消してから、額の赤い宝石を光らせてサイコキネシスを発動させ、右前足に持っていた”スペードのキング”に綺麗な放物線を描かせながらエデンの前に持ってきた。


「でも、その側面には何の役目もないし、トランプで遊ぶときには無くても良いものでしょ。」

僕はそう言って僕は目の前にあるトランプをどかし、手元にあったスマートフォンに前足を伸ばして再びテレビの電源をつけ、少しヒカリを睨んでやった。


「そうきたか...... まあ、確かにそうだわね。よし。ごちそうさまでした。後はお願いね。」


「え、はっや。まあ、いいか。って...... 自分の皿ぐらい下げてよ!」


「テレビばっかり見てたあなたへの罰。」


彼女は既に席から離れ、風呂場の方に向かっていた。


「いやそんな罰を受けても......」


「つべこべ言わずにやる!」


「はい! すみませんでした!」


「じゃあ、先にお風呂に入ってるから。皿洗いは頼んだよ。」


「はいはい。分かったよ。」

彼女は笑顔で部屋を出ていってしまった。
やっぱり、彼女には敵わないな。





「ごちそうさまでした。 はあ、自分の皿くらいサイコキネシスで運んでくれればいいのに......」


エデンが食事を食べ終えたと同時に、大会の優勝者であろうポケモンがシャンパンをかぶって喜んでいるスローモーションの映像が映っていたテレビが暗転した。

エデンは右手に握っているスマホを机の端に置き、机の上に置いてある皿をシンクに運び始めた。


残念ながら僕は、サイコキネシスを覚えていない。戦う時は基本は物理攻撃を使う。まあ、エーフィは特殊攻撃が得意だから、ブラッキーの僕は、特殊攻撃があまり効かない相手とまともに戦うために物理攻撃を使うことにしただけだ。役割分業も、大事だから。

「よし、寝る前にひと頑張りしますか。」

皿を全て台所に運び終えた僕は、水で濡らし軽く絞ったスポンジに洗剤を広げて面と面を軽くこすり合わせた。そうした方が泡が立ち、最初の皿でたくさんの洗剤を消費してしまうということが無くなるので効率的だ。


皿を洗う時間は、彼にとっては一日の反省をしたり、思考を深めるたりする時間でもある。

ある日には冷静になってその一日を振り返り、自分の他人に対する言動が適切であったかどうか、不適切であった場合はどのようにすればよかったのかなどを考え、またある日にはその日気になったことを調べる前に自分の頭で考える。まあ、その疑問の多くは一般人から見たら非常にくだらないものばかりであるが。
そして今日は、彼は彼が先程ヒカリに言われた”表と裏の間にあるもの”について考えていた。


表と、裏。たしかにそれらに二分したらどちらにも属さないものが出てくるのは確かだけど...... それに、どちらをどちらに定義してもどちらにも定義されない集合は変わらない。それになんかの意味があるの? カードゲームとかじゃあ側面なんて重要じゃないし、何かのゲームに生かせそうにもない。
やっぱり、表と裏の間にあるものに意味なんてないんだろうな。

「よし、洗い終わった。」


皿を洗い終え、前足を拭いている時に浴室のほうから


「お風呂空いたよ〜」


という声が聞こえてきた。


「はいよー。」

僕はヒカリの声に応え、風呂場に向かった。





エデンが風呂から上がった時にはヒカリは既に寝室に向かっていたが、彼は身体の表面に残っている水分を飛ばすのも兼ねて家の外に出て、森の独特の冷たい空気と、重い雰囲気に包まれていた。
夜の森は、夜になっても明るい街とは対照的で、発光器官を持つポケモンが遠くで微かに光っているだけで、月とそれ以外に光源はない。
それらは、街の明かりのような目に刺さるものではないとても優しく柔らかいもので、身体全体を包んでくれているかのようにさえ思われる。
それに、今夜は風がほとんどないから葉がこすれる音もほとんどないし、聞こえるのは川のせせらぎだけだ。


はぁ...... この音、この匂い、この明るさ、この雰囲気、この温度感。やっぱり心が落ち着くなぁ......


彼は二十分弱その場に留まった後、家の中に戻って行き、寝室へと向かった。
寝室ではヒカリがエデンを待っていたかのようで、仰向けに寝転んでいた。


「あ、ごめん。今日はナシで。」

せっかく気分を落ち着かせたのに、また高揚させるなんて嫌だ。今日はこのまま寝たほうが幸せだ。


「ええ〜、こっちはその気で待ってたのに。まあ、そっちがそう言うのなら仕方ない。」


「ごめんね...... 今日は気分も落ち着いたし、このまま寝たい。」


「むぅ...... 私達、陰陽で表せるくらいに対照的だけど、その間にも私達を隔てる何かがあるの?」


「いやいや、そんなもんあるわけないじゃないか。僕たちはいつでもピッタリくっついているし、硬い絆で結ばれているよ。それは君が一番知っているじゃあないか。」


ヒカリのわざとらしい声色の発言に対してもエデンは大真面目に返す。


「ならいいけど。」


「じゃあ、そろそろ眠くなってきたから寝るよ。」


「おやすみなさい。」


「はい。おやすみ。」





翌朝、二人はほぼ同時に目を覚ました。


「う〜ん、おはよう。」

ヒカリはその場で大きく背中を反らし、あくびをした。


「おはよう......」

すぐに目を覚ましたヒカリにとは対照的に、エデンはあまり目覚めは良くないようだ。


「ほんと朝に弱いね...... エデンは。」


「何度も言ってるけど、ブラッキーは元々種の長期的な進化の過程で夜行性だから仕方ないよ。」


「まあね。」


その後ヒカリはエデンの脳が完全に覚醒するまでしばらくの間ベッドの上で一緒に寝っ転がっていた。


「ふぁ〜、じゃあ、そろそろ朝ごはんでも食べようか。」


「そうね。」


二匹はダイニングに向かい、一緒に朝ごはんの用意を始めた。





「「いただきます。」」


朝ごはんの準備をすませ、彼らは席について朝ごはんを食べ始めた。


「よいしょ。」


エデンは前足を伸ばしてギリギリ届くか届かないかの位置にあったリモコンを引き寄せ、電源ボタンを押した。

電源がついたテレビからは、アナウンサーの明るい声が響いてきた。


「明日は実に340年ぶりにこの地方で皆既日食が起こるということで、本日は皆既日食特集をやっていきたいと思います! 明日は快晴になる予報ですので、綺麗な皆既日食が見られるでしょう! また、明日の皆既日食は7分29秒と長いものに......」


その後も皆既日食の原理や楽しみ方について放送されていたが、彼らの耳には入っていなかった。


「340年ぶりね...... 凄いってことは分かるけど、そんなに騒ぐことなのかな?」


「綺麗だし、子供が宇宙の神秘に触れる機会になるからいいんじゃない?」


「まあ、そうね。ところで、私達も見られるの?」


「もちろん。遮光板も2つ買ってきたし、準備は万端だよ。」


「それはよかった。なかなか楽しみね。」


ヒカリはかなり嬉しそうに笑みを見せ、またご飯を食べ始めた。





「じゃあ、行ってくるよ。」


エデンが玄関でヒカリに声をかける。


「ちょっと待って! 今日生ゴミの日だから!」


ヒカリはエデンを玄関に繋ぎ止め、家の中にある生活ゴミのゴミ箱からゴミを集めていた。


「そうか、今日は木曜日だったね。待ってるからゆっくり集めていいよ。」


「はい。よろしく。」


ヒカリはゴミを集め終え、袋の口を縛ってからエデンに渡した。


「はいはい。じゃあ、行ってくるよ。」


「行ってらっしゃい!」


エデンは朝の暖かい光の中に身を投げ出し、ごみ捨て場に寄った後職場へと向かっていった。





「おはようございます!」


「「「おはようございます!」」」


エデンは職場に入って大きな声で挨拶をし、職場にいたポケモンたちもそれに応えた。
エデンの職場には、机が多く並び、それぞれにディスプレイとキーボードが置いてある。そして、エデンが入った頃には多くのポケモンがキーボードを打っており、打鍵音が響いていた。
エデンは自分の机に向かい、パソコンの電源を入れた。そして、立ち上がったデスクトップでCADソフトのアイコンをクリックし、手元にある液晶タブレットを引き寄せてペンを持ち、仕事を始めた。

エデンが着席して少し経った後、エデンの隣の席にポッタイシがやってきて座った。


「エデン、おはよう。」


「ああ、クロバか。おはよう。」


クロバと呼ばれたポッタイシは、エデンの小学校時代からの同級生で中学高校大学、そして、就職した企業まで、全く同じ経歴をたどってきた唯一のポケモンである。


「そういえば、明日340年ぶりに皆既日食が起こるんだって?」


「らしいね。」


エデンとクロバは作業を休ませること無く会話を始めた。


「太陽と月が重なるなんてまるでヒカリとお前みたいだよな。」


「まあ、間違ったことは言ってないな。」


「いつも太陽の光に照らされてばかりの月が太陽と重なる時、非常に綺麗な姿を見せる。うん。お前らだな。」


「過去の話はやめろって。」


「いやだってお前、照らされてばかりだったもんなぁ......」





エデンとヒカリが初めて出会ったのは、彼らが大学生の頃のこと。

その当時のエデンはかなりの根暗だがとても優しく、たいていは影で目立たないように他のポケモンをサポートをしているような存在だった。
だが、そこに現れたのが、ヒカリ。名前の通り、彼女は光のような存在で、その光はエデンが紛れていた闇までをも明るく照らした。

彼女の何気ない言葉によってエデンは信頼を手に入れ、そして徐々に性格まで変えるようになってきた。
今、彼が比較的明るい性格で周りから信頼されているのはヒカリがいたからと言って断言してもそれは間違ってはいない。

彼女も彼女でエデンがヒカリに好意を抱く前に彼に対して好意を持ち、積極的にアプローチをしたが、最初はエデンも闇に慣れていたので光源が少し眩しすぎたのか、最初は避けていた節があるが、その後紆余曲折を経て同棲している今に至っている。





「うるさい。お前は早く自分の仕事でもしろ。」


「へいへい。」


彼らのその会話はそこで途切れ、彼らの間を満たす空間には無機質な打鍵音だけが響いていた。


そして、その後も取引先との連絡など色々とあり彼らは仕事を終わらせた。


「今日も仕事は終わり! よし、明日は土曜日だから休みだ!」


「お疲れ様! じゃあ、行こうか!」


クロバはエデンに声を掛け、二匹並んで職場を後にした。





「ただいま〜」


エデンは帰路の途中にあるT字路でクロバと別れ、家に帰ってきていた。


「おかえり!」


ヒカリはエデンが帰ってきた玄関に駆け寄ってきて、鞄を受け取ってリビングの方に行き、その後にエデンが続いた。


「今日のお仕事はどうだった?」

ヒカリは僕の方を見ながら問いかける。


「結構順調に進んだよ。予定の120%くらいかな。」


「おお、凄いじゃん。で、今設計してるその建物はどんな感じの形になりそうなの?」


「先方から円柱形にしてっていう注文があったから、外観はそのとおり設計してるよ。内装に関してはまだまだいくつかの候補があって詳細な設計自体はしてない。」


「へ〜、どんな建物になるか楽しみだね。」


「一応秘密にしなきゃいけない事項だから誰にも言わないでね。」


「もちろん誰にも言いませんよ。はい、じゃあ、ご飯にしよう。」


「そうだね。」





翌朝。

「おはよう......」


「おはよう......」


二匹はまたほぼ同時に起き、例のようにベッドの上で寝っ転がっていた。


「皆既日食は10時から始まるからそろそろ起きなきゃだよ......」

僕は現れたり消えたりする意識の中で無意識に声帯を震わせたようだった。


「皆既日食...... そうだ、今日は340年ぶりの皆既日食だ!」


時計の短針が10に近づいているなか、長針は既に9の上にあった。


「あなた! 起きて!」


ヒカリは必死になって隣に寝ているエデンを揺さぶって起こそうとする。


「うう...... ヒカリ? どうしたのって...... そうだ! 今日は皆既日食の日だ!」


エデンはでんこうせっかの速さよりも早く飛び起き、床に着地した。


「今何時!?」


エデンは少し間を明けて、これまた目にも止まらぬ速さでヒカリの方に振り向き、口を動かした。

「9時45分過ぎ。」


「良かった...... 間に合った......」


エデンは相当緊張していて、その緊張が解けたのかその場にへなへなと座り込んだ。


「こうしちゃいられない。遮光板を取ってくるから先に行ってて。」


「分かった。」


二匹は寝室を出てヒカリは外に向かい、エデンはリビングの隣にある自分の部屋へと入っていった。


「あれが月ね......」


外に出たヒカリは少しの間空を見上げ、月と太陽の位置関係を確かめた。


「はい。遮光版を持ってきたよ。」


少し遅れて外から出てきたエデンは二枚持ってきた遮光板のうちの一枚を渡す。


「ありがと。」


二匹はそれぞれ遮光版を空にかざし、太陽を見上げた。


「あと8分で始まるね。」


「うん。」


「ねえエデン、あれは何?」


ヒカリは顔を遮光板から離し、森の方を見た。


「ん?」


ヒカリにつられてエデンも森の上の方を見る。


彼らの視線の先には”空間に空いた穴”があった。

白色の線が穴の向こう側の白い空間に向かい、その白い線に沿って寒色系の色によるグラデーションが床屋のサインポールのように白い空間の中に吸い込まれている。

その穴は本当にこの世界に存在しているのかを疑ってしまうようなものであり、見ていると今までに感じたことのないような不思議な気分になる。


「なんだろうね...... ちょっと行ってみようか。」


「え!? 日食は!?」


「日食よりもあっちの方が面白そうでしょ!」


エデンは既に森の方に走り出し、後ろを振り向きながら言った。


「ったく...... 仕方がないわね......」


一匹取り残されたヒカリもエデンの後を追って走り始めた。





「さっきの穴ってどこら辺にあったんだっけ......」


二匹はかなり走ったが、先ほど見た穴は見当たらない。そして、背の高い木が日光を遮り、更に日食も起きているという状況の中で視界もかなり暗くなっていた。


「困ったなぁ...... ここら辺にあったと思ったんだけどなぁ......」


「見つからないんじゃあ仕方ないわね。今からでも日食を楽しみましょう。」


「そうだね。仕方ないけど少し悔しいな...... よし、あそこに行って見よう。」


エデンは森の中で、周囲よりも明るい、背の高い植物が無いぽっかりと空いた穴を指しヒカリと共にそこに向かった。


「凄い...... 太陽が月みたいになってる......」


ヒカリは遮光板を通して空を見上げて言った。


「凄いね......」


エデンは驚嘆の声を上げ、ヒカリに身を寄せる。


「お前ら、誰だ?」


空を見上げる二匹を挟むようにして、エデンの側からは白く光る鬣を持つポケモンが、ヒカリの側からは星空のような深い色の胴体に三日月のように光を放つ翼をもつポケモンが現れた。


「お前らこそ誰だ。」


身体を寄せ合っていた二匹はそれぞれに近づいてくるポケモンの方を見て臨戦態勢をとる。


「私はルナアーラ。そして、そっちの方がソルガレオ。私たちはあなたたちと戦う気はないわ。」


その声に二匹は驚きの表情で顔を見合わせた。


「もしかして、あなたたちって......」


「そう。伝説とされているポケモンよ。」


二匹は再び顔を見合わせ、力を抜いた。


「何故伝説とされているポケモンがこんなところに?」


「いや、今この世界では皆既日食を観測できるということで来ていたんだよ。私たちはそれぞれ太陽と月の使者だからね。」


「「なるほど......」」


「そういえば...... 伝記にはもう一匹あなたたちとは別のポケモンがいたと記されているはずだが......」


「ネクロズマのことか。あいつがどうなっているのかは言えないな。」


「言えないのはいいとして、そのネクロズマってのはどのような存在なんだ?」


「あいつは俺たちのバランスをとる存在だな。俺は太陽の活動によってさまざまな世界に与える光の量を変えてしまう。太陽の活動が落ち着いている時はルナアーラが俺の光を吸収してバランスをとるのだが、ルナアーラは吸収する光の量は調整できないし、太陽の活動が活発すぎたり弱すぎたりするとルナアーラだけではバランスが崩れてしまうんだ。その時にネクロズマが登場する。ネクロズマは光を放出することも出来れば吸い込むことも出来る。だから、その過不足分をどうにかするのがネクロズマってわけだ。だが、今はとある奴らのせいであいつが上手く機能できていなくてな。」


「「なるほど......」」


エデンとヒカリは同時に点頭する。


その時、やり取りをしている間に完全に月に隠されていた太陽の光が四匹を照らした。


「うわっ!」


瞳孔を広げていた二匹の目に剣のように突き刺さる光にエデンとヒカリはとっさに目をつむったが、遮光板を通して恐る恐る空を見上げた。


「きれい......」


太陽から差し込んだ光は、六芒星の形をして彼らの目に映った。


「これがダイアモンドリングだな。」


ソルガレオとルナアーラも空を見上げる。


四匹は日食が完全に終わるまで無言で空を見上げていた。





「じゃあ、我々は帰るとする。」


ソルガレオとルナアーラはエデンとヒカリの方に振り向き言った。


「じゃあな。」


「じゃあね。」


エデンとヒカリも返す。


二匹は彼らの返事を聞き、咆哮を上げた。
すると、先ほどヒカリとエデンが追いかけていた”空間の穴”が彼らの視線の先に浮かび上がり、ソルガレオとルナアーラの二匹はその穴の向こうに消えていった。


「そういえば、ここに来た目的を忘れてたね。」


「あの穴はソルガレオとルナアーラが来たときに空いた穴だったのね。」


彼らは顔を見合わせて笑いあった。


「そういえば、表と裏にあるものの意味、やっと分かったよ。」


エデンが口を開いた。


「何?」


「表と裏の間にあるもの、それは表と裏を両立させるものだ。」


「両立させるもの......ね。」


ヒカリはまだ疑問があるような口調で呟く。


「例えばカード。一枚のカードには表と裏があるけど、それらは支えるものが無きゃ成り立たないでしょ? 昨日は表と裏の間にあるものなんて何の意味もないし役に立たないと言ったけど、表と裏の間にあるものが無ければそもそもどのカードゲームをすることもできないんだよ。


俺たちを成り立たせているのも、俺たちの間にある”愛”だろ?」

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