君の温もりと、ちょこれーと

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やぁ。こんにちは
僕はポケモントレーナー。小さなこの家で、幼いフォッコとアシマリと1人と2匹で暮らしている。ポケモントレナーといっても旅に出るわけじゃぁない。モブみたいな存在さ。
で、今年のバレンタイン。フォッコは渡したかった相手にうまくチョコレートを渡せたんだが、それまでがすごく可愛くてさ
まぁ聴いてやってよ。こいつの可愛い話を。
こいつはフォッコ。5さいの女の狐だ。

そして弟のアシマリ。3さいの男の子。2匹はきょうだいと言えばきょうだいだが、ポケモンだから種族が違うし血も違う。でも、家族で住んで早3年も経って、仲良しこよしな2匹
でも、なんだか2月に入ってフォッコがいつにも増してそわそわしてるようでさ。

それで話を聞いてみたら「フォッコ、ちょこれーとのおかしつくりたい!」って言うもんだ。全くかわいい年頃だよ。

だれに渡すんだい?って聞いたら、「ひみつ!」って。でも、顔のにやにやは抑えられないようだ。

フォッコに、チョコレートで何作る?って聞いたら「ハートのちょこ、つくるの!」って。チョコレートを溶かして、固めて、冷やして。果たしてフォッコにできるのか、は少し疑問だけど、まぁやらせることに、意味があるってもんだ。

それで、みんなで材料を買いに行きたいんだけど、フォッコは「トレーナーさんといきたい!」と言って聞かない。仕方なくアシマリを近所のお友達のところに預けて、フォッコとスーパーへお買い物へ行った。

フォッコを自転車の幼ポケ用椅子に座らせて、出発進行。思えば久しぶりにフォッコの2人きりのお買い物。アシマリが来てからは、いつも1人と2匹。まぁ、フォッコにも寂しい思いをさせてたのかもな。

今前の椅子に座ってるフォッコは、じっとしているようでしっぽがゆらゆら揺れている。フォッコ、と呼んでみると満面の笑みで振り返った。これが、フォッコはかわいいんだ。

冷たい風に吹かれながら自転車をこぐ。フォッコの体に少し触れるとあったかい。しっぽを撫でながら、スーパーに向かった。

スーパーに着いて、自転車から抱っこで下ろす。こいつはモンスターボールには入らない。僕のそばにいたいのか、それともボールが窮屈なのか。

だからスーパーの中でも買い物カートの幼ポケ椅子にフォッコを座らせて買い物をする。チョコレート売り場に向かうと、板チョコだけでも数種類。

フォッコは一つ一つじーっと眺めているが、文字を読めるわけでもないし……と思っていると、一つを手にとって「これ!」といった。板チョコのパッケージを見ると"ミルタンク牛乳100%使用"の文字。いやぁ、メェークル牛乳の方が安いんだが……と、フォッコにいうと「これがいいの!」と。まぁ、たまに買う程度なら良いか。どのくらい必要かはわからないが、とりあえず3枚。

それからマホイップクリームとかオレンのみとかも買った。フォッコは嬉しそうに板チョコを持っている。溶けるからおうち帰ってからな、というとがっつりしょんぼりしてしまったが、仕方がない。

家に着く前にアシマリを受け取り、礼を言ってから帰った。アシマリは相当楽しんだのか、思ったよりも寂しそうな姿は見せなかった。

家に入り、買って来たものを冷蔵庫に入れる。アシマリを部屋で遊ばせて、少し休憩。ソファに座っていると、フォッコが膝に乗ってきた。首を伸ばして、大きなあくび。少し寝る?と聞くと、僕にもたれかかって目を閉じた。

……いつのまにか僕も寝ていたらしい。アシマリは相変わらず遊んでいたが、フォッコに「はやく、ちょこつくろうよ!」と起こされた。どうやら1時間くらい寝ていたようだ。

冷蔵庫からチョコレートを取り出し、袋を開ける。フォッコは銀色の包み紙を器用に前脚で開けていった。

大きめのボールに板チョコを入れ、溶かす。お湯を沸かそうとすると「フォッコがあたためる!」とフォッコが言った。ボールの横に体をくっつけ……衛生面?この姿が可愛いから良いのさ。

じんわりと板チョコの表面が溶け、ヘラで混ぜていくと段々と柔らかくなった。興味津々な様子で覗いていたから、小さなスプーンの先にチョコをつけ、フォッコに渡す。

小さな舌でぺろりと舐め、「おいしい!」と喜んだ。まったく、かわいい。

溶けたチョコレートにマホイップクリームを混ぜる。最近は幼ポケ用の調理器具も発売されている。フォッコに小さな泡立て器を渡すと、くるくると楽しそうに回している。クリームをすくいあげ、にこにこ笑う姿を見ながら、料理をするこの瞬間が楽しい。

フォッコとおかしを作っていると、足元にアシマリがやってきた。どうした?と聞いて抱きかかえるとうつらうつらとしている。

眠そうなアシマリをベッドに寝かしつけ、再びおかし作り再開。しばらく混ぜたあと、型にいれて固める。

棚から星やハート、丸の型を取り出し、フォッコに見せる。「これ!」と選んだのはハートの型。机の上に型を並べ、一緒にチョコレートを注いだ。

1つ、2つ、3つ。ハートのチョコが出来上がる。冷蔵庫からオレンのみを取り出し、水で洗った。

幼ポケ用の包丁もあるのだが、まだフォッコには早いだろう。こんな時にうちに"きりさく"を持つポケモンでもいれば良いのだが、あいにく包丁を触れるのは僕だけだ。

まぁ、5さいともあって、興味はあるのだろう。切ろうとした時に包丁に前脚を伸ばしてきた。手でフォッコの前脚を持ち、一緒に包丁の柄を持つようにしてオレンのみを砕いた。

小さくなったオレンのみをぱらぱらとチョコレートの上に乗せた。それから型を冷蔵庫に入れ、冷やす。

それから、濡れたタオルでフォッコの前脚をぬぐう。くすぐったいのか少し体をくねらせいる。

リビングに戻り、フォッコにちょっと休憩しようね、と声をかけると疲れたのか抱っこを求めてきた。アシマリは相変わらずぐっすり寝ている。

ソファに座り、フォッコを抱きかかえる。眠そうに頬ずりをしてきた。頭を撫でながら、寝かしつける。すぐにすぅすぅと寝息を立て始めた。気づいたら僕も寝ていたらしい。

その日の夜、冷蔵庫から固まったチョコレートを取り出す。前脚でぺちぺちと叩き硬さを確かめている。うまくできたね、と声をかけると、嬉しそうににこにこしている。とてもかわいい。

次の日、朝ごはんを食べおわった時に「トレーナーさん、チョコレート、いまからわたす!」と言った。今から?と聞き直すも「うん!」と言う。冷蔵庫からチョコレートを取り出してフォッコに渡す。にこにこした中に少し緊張した表情が隠れている。

その様子を遊んでいるアシマリが不思議そうに眺めていた。フォッコはチョコレートを両手で持って、渡すタイミングを伺っているようだ。

アシマリに渡すの?と聞くと、少し照れた表情で「うん……」と頷いた。

フォッコがアシマリに近づき、「ねぇ、アシマリ……?」と話しかける様子をそばで見守る。アシマリが遊びの手を止め、振り向く。「いや……うぅん。なんでもない」とフォッコが答えると、不思議そうに顔を見つめている。フォッコの顔が赤くなっている。かわいい。

そろそろ渡さないとチョコレートが溶ける気もするけど……。それからしばらくして、フォッコがまたアシマリを呼んだ。「これ……ちょこれーと、つくったの!」と、恥ずかしそうに手渡す。アシマリがチョコレートを受け取った時、型からチョコレートが垂れた。

これは……ジュース?、とでも言いたげなアシマリの顔。フォッコが「ちょっと待ってて!」というと、急に駆け出していった。

しばらくして戻ってくると、口に2本の枝を咥えている。

なるほど、よく考えたじゃないか。フォッコなりの精一杯の答え。「これにつけて、ぺろっとするの!」フォッコが枝を持って、チョコレートにつける。チョコレートフォンデュのようなおやつになった。アシマリもお姉ちゃんの真似をして、チョコレートをつけて舐める。美味しそうににこにこと笑っている。

フォッコとアシマリとのこれからも、かわいい日常が続きそうだ。


〜お わ り〜

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