invisible world

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作者:K^2
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読了時間目安:23分
駄作注意。
一応バレンタインSS。

今後微修正する可能性大です。
ここは、自分以外の何の存在もない真っ暗な空間。その空間では空気の振動が感じられない、つまり音が全く聞こえない。さらに、感覚が麻痺するほど冷たく、いや、もしかしたら感覚が麻痺するほど暑いのかも…… しかし、今の自分にとってそんなやことどうでもいい。そんなことよりも、僕は答えが欲しい。僕は…… 僕は…… 何故…… こんなところに…… こんなところで……

そのようにして、彼は今夜も苦悩する。

ピピピ…… ピ ピ ピ…… ピピピ…… ピ ピ ピ…… その空間の、不変と思われた、彼が不変だと信じていた静寂はベルの音によって破られ、またその空間の空気はその音によって大きく揺さぶられた。そして、時間を追うごとに、その揺れは大きくなっていった。

ああ、はるか彼方でベルが鳴っている…… 僕は…… 僕は、今夜も答えを見つけられずに……

自身の意とは反し、彼の視界はベルの音の大きさに比例して明るみを帯びていく。

「嫌だ、まだ、まだこのままいたい。そして、いっそのこと僕の命の灯火が消えるまでここに留まりたい。」

彼は頭の中で苦痛を訴える叫びをあげるが、その空間は、彼の意思を受け入れることはなかった。

彼の視界が光で覆われた。

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「うっ…… もう朝か……」

そう言って午前七時を指してうるさく鳴っている目覚ましを止め、重たそうに布団から腰を上げたポケモンは、赤いと黄色の体毛を持つキツネポケモン…… マフォクシーであった。

彼は布団の周りに多くの物が散乱した四畳くらいの部屋から出て、まだ脳が覚醒しきっていないのか、千鳥足で台所の方へと歩き始めた。

台所のシンクの中には洗われていない皿が積み重なっている。彼は、シンクの中に入っているフライパンを水で流し、三脚とセラミック金網がセットになったもの、いわゆるアルコールランプの加熱台を大きくしたようなものの下に、右腕から取り出した燃えている枝を置き、その上にフライパンを置いた。そして、フライパンが十分に温まったことを確認してから冷蔵庫から取り出した卵を二つ割ってフライパンの上で焼き始めた。

数分後、卵は焼けあがった。フライパンと同じようにシンクの中からランダムで皿を取り、水で洗い流した後に焼けあがった卵をきれいに置き、フライパンをシンクに放り投げた後皿を持って教科書が散乱した机に向かった。

彼はサイコキネシスで目玉焼きを持ち上げ、口へと運んだ。

目玉焼きを食べ終わった後、彼は皿を放り出してカバンに教科書類を詰め始めた。

そして、カバンの用意が出来た後、彼は洗面所に向かい顔を洗い、毛並みを整えた。

「じゃあ、行ってきます……」

自分以外誰もいない家に向かってそう言った後、彼は家の扉を開け、まだ突き刺すような寒さを持った空気の中へと身を投げ出した。

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彼は家を出た後駅に向かい、電車に約一時間揺られてやっと大学の最寄り駅にたどり着いた。

「おはよう!」

通勤ラッシュで多くのポケモンが駅の出口へのポケ混みを作っている中、その人混みを縫うように彼の後ろから歩いてきたポケモンが右後ろから声をかける。

「あ、ゾロアークか。おはよ……」

「どうしたの? 最近元気がないじゃん。」

「そんなことないよ。」

しかし、そう言う彼の目には深いくまが出来ており、前夜にあまり寝てないことを物語っている。

「いや、昨日あまり寝てないことなんて自明だよ。夜はちゃんと寝た方がいいよ?」

ゾロアーク(雌)もその事実に気づかないはずはなく、彼に指摘した。

「まあね。確かに最近あまり睡眠時間がとれていないことは事実だけど、心配するほどじゃないから安心して。」

「なら良かった。」

こうして二人で会話をしているうちにポケモンの密度は下がっていき、彼らと同大学に通うポケモンのみの直線へと変わっていった。彼らの数百メートル前方には周りを背が低い植木の壁で囲まれた大きな建物の集まりが見える。そして、彼らは木で作られた大学の門をくぐった。

彼らの通う大学は「パラム工業大学」、通称「パラ工(ぱらこう)」と呼ばれる大学であり、主に理学や工学、数学、そしてひっそりと生物学を教えている彼らの世界でもトップクラスに優秀な大学である。

門をくぐった後彼らは別れ、マフォクシーは理学部応用物理学科棟の方へ、ゾロアークは理工学部化学工学科棟の方へと歩いていった。

「マフォクシーさん! おはようございます!」

ゾロアークと別れてしばらくしてから、今度は彼の左後ろから声がかけられた。彼に声をかけたポケモンは、純白の体毛を持つポケモン、アローラキュウコンであった。彼女はマフォクシーの通っていた町立ワイワイ高等学校の自然科学部の後輩であったため、二つ下の大学一年生にも関わらず彼のことをよく知っている。

「おはよう。」

「マフォクシーさん、最近目の下にくまができてますけど、大丈夫ですか?」

キュウコンもゾロアーク同様マフォクシーの最近の健康面を心配しているようだ。

「うん。大丈夫。心配しなくていいよ。」

「まさかマフォクシーさん、この前のバレンタインで一個も貰えなかったとか……?」

「え、違うよ。全然そんなことないわよ。」

「そうですか、なら良かったです。では、私は失礼しますね。」

「は~い。」

そう言って、キュウコンは応用物理学科棟のすぐ近くにある理科学教養学部棟の方へ歩いて行った。

応用物理学科棟の入り口まで来たマフォクシーは、一呼吸おいてから建物の中に入っていった。応用物理学科棟の中は眼鏡をかけた頭のよさそうなポケモンがチラホラ見えたが、建物の大きさに対してのポケモンの数は大分少ない。

「先生、おはようございます。」

「おお、おはよう。」

マフォクシーは、建物を入ってすぐ右のところにある印刷所でプリントを印刷している応用物理学科の教授であるルカリオ(雄)に挨拶の声をかけ、建物の奥へと進んでいった。

マフォクシーが建物の奥に歩いていていき、入ったのは「HⅣ-B」と書かれた教室であった。

「おはようございます!」

マフォクシーは教室にいる、講師であるニャースに向かっては元気よく挨拶をした。

「おはよう!」

その声に対してニャースも元気よく返事をかえす。

「では、皆さん座ってください。」

ニャースは、マフォクシーがニャースに声をかけてすぐ後に教室中に散らばって談笑していたポケモンたちに自分の席に戻るように促した。

「では、今日の一限目の授業を始めます。昨日配ったプリントの18ページ目を開いてください。」

マフォクシーも、周りのポケモンと同じようにその声に応じるようにして手元にあるプリントの18ページ目を開く。

そこには、大きな見出しとして「EMドライブ」と書かれている。

「今日は理論上燃料不要の宇宙エンジンであるEMドライブについて教えていくよ。」

「EMドライブは、密封された円錐台形状の容器の中でマイクロ波を反射させるだけで電力を推力に変換する装置で、エンジンの軽量化につながるから理論的にはわずか70日でロケットを火星まで飛ばせられ、今とても注目されているものだよ。」

「じゃあ、ここで討論。密封された容器の中でマイクロ波を反射させるだけで電力を推力に変換しちゃうのかな? グループになって話し合って。」

ニャース教授の声がかかったのを境に教室全体が騒がしくなり、マフォクシーも自分の周囲の四ポケと討論を始めた。

「密封された円錐台形状の容器の中でマイクロ波を発するとなぜか力が生まれるって…… 今までのロケットエンジンは高温高圧のガスを噴射してその反作用で推進力を得るというニュートンの第三法則で説明ができるものだったけど…… なにか新しい作用がないと説明できないよね? だって、このプリントに書かれていることを見る限りどう見ても運動量保存の法則を破っているように見えるし。」

平然と答えるマフォクシーに、同じグループの人も圧倒されたようだった。

「そ、そうだね。 でも、どうしてこんなことが起こるのだろう。」

「う~ん…… 」

周りのグループからも徐々に会話が減っていき、しまいには教室がシーンとしてしまった。

「じゃあ、慣性の法則から考えていこう。皆は慣性の法則がなぜ起こるという根本的な話は知っているかな?」

ニャースが助け舟を出し、その後教室が少しざわついたが、すぐ静まった。

「皆さんが知らないようなので、ある一説を紹介します。」

「慣性の法則は、フリング・デイビース・ウンルー効果によるものだという説があります。フリング・デイビース・ウンルー効果は皆さんが知っているように、慣性系にある観測者が何も観測しないような環境であっても、加速系にある観測者は国体放射を観測するであろうと予言する、仮説上の効果です。(別の言葉で言い換えると「あなたが移動すると、宇宙が加熱される」ということを意味する)」

皆は依然頭を抱えている。

「では考えてみてください。」

「人工衛星などが天体の近くを通過する時に引力を利用して加速や軌道変更を行うスイングバイの時に、理論値と実際の結果に誤差が生じるフライバイ異常と呼ばれる現象があるって聞いたけど、諸説はあるけれども、それはウンルー効果によって物体の慣性が影響を受けるために、軌道に誤差が生じると論じているポケモンもいるからね…… それを慣性の法則とウンルー効果とを結びつけるものとして使えればEMドライブの説明できるんじゃあないかな?」

マフォクシーの隣に座っているジャローダ(雌)が言った。

「じゃあ、こう考えればいけるんじゃないかな。」

「EMドライブに推力を与えているのも、このウンルー効果による作用であると考え、もし、光子が慣性質量を持っているとすれば、何かに反射する際に慣性力を発生させるわけだから、つまり、EMドライブの場合においてはマイクロ波が慣性質量を持っており、円錐状の容器の中で反射を行うことで慣性力が発生し、結果として一方方向への推力が発生すると考えることもできる気がするよ?」

マフォクシーもジャローダの発言から何かを感じ取ったのか、素早く返答した。

「そういうこと。」

ジャローダも、マフォクシーの発言に満足したようだった。

「でも、それだと光子に慣性質量が存在し、波長が変化する事で光の速さが変化するという前提がなきゃ成り立たないよ?」

マフォクシーの後ろにいるエルレイドも負けじと言い放つ。

「だよね…… 」

「だけど、そこにもなんかの理論が……

「はい、そこまで。」

ニャースの声が、マフォクシーの声を抑え、ざわついた教室を一瞬で静まらせた。

「皆さんいい議論をしていますが、ここで答えを言いたいと思います。何故かは…… まだわかっていません。」

「なんだよ!」

「え~~~~?」

ニャースの回答に多くのやじが飛び交うが、ニャースはそれを気にすることなく続けた。

「しかし、先ほどのマフォクシーさんの発言、いいですよ。常識を疑うところから新しい学問が生まれます。光に慣性質量があり、波長によって速さが変化するとしたら、相対性理論が根本から破れることになる。しかし、実際に精密に観測した事ではないので相対性理論が間違っている可能性は否定できません。ここの教室にいるポケモンから新しい学問を生み出すポケモンがこの中から出てくれることを祈っています。」

「はい……」

教室が一気に静かになった。

その後もその調子で授業は続行された。

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「はぁ、帰りますか。」

彼はカバンに入れるものをカバンにいれ、教室から出ようとしていた。

「マフォクシー君」

彼の後ろから声がかかる。彼は視線を後ろに向けた。

そこにいたのは先ほどマフォクシーの隣に座っていたジャローダだった。

「一緒に駅まで行こう!」

「うん、いいよ。」

そのやり取りを経て彼らは歩き出した。

建物から出ると、そこには駅に向かう多くのポケモンの姿があった。

その中に、一匹、憂鬱そうな表情でマフォクシーのことを見つめるポケモンがいた。しかし、そのポケモンはすぐにポケ混みの中に姿をくらました。

「で、今日の授業、どう思った? ニャース先生のやつ。」

「そうねぇ…… 慣性の法則について調べてみようかと思った。」

「え!? 慣性の法則!? その原理を調べるのか…… 流石だねぇ。」

「まあね。」

「でも、ダランベールの原理とか色々考えてみると分かると思うのだけれどもねぇ……」

「まあね。まあ、その話はここまで。 ジャローダはバレンタインでいくつチョコを貰ったの?」

「もちろん0個。」

「あら、それは残念。」

「私からあげればよかったかな。」

「いや、いいよ。チョコレート苦手だし。」

「そう。なら逆に貰わなくてよかったじゃん。」

「うるさい。」

彼らはこんな調子で談笑で盛り上がり、いつの間にか駅についていた。

「じゃあ、また明日!」

「は~い、来年はチョコレートを貰えるといいね。」

その声を最後にジャローダの姿は見えなくなった。

そして、マフォクシーも自身の乗る路線の方へ歩いていった。

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「ただいま~」

一時間後、彼は家についていた。

彼は家に入るなりまず洗面所に向かい手洗いを済ませた。そして、部屋に入りカバンを下した。

その後少し座り込んでボーっとしていた彼だったが、いきなり立ち上がるとパソコンの前に座りこんで検索エンジンを立ち上げて「慣性の法則」と入力し、enterキーを押した。

そして、トップで出てきた文章は「外から力が作用しなければ,物体は静止または等速度運動を続けるという法則。 ニュートンの運動の法則の1つで,運動の第一法則ともいう。 運動の現状をそのまま保持しようとする物体の性質を慣性という。」であった。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より引用)

彼は少し考え込んだ後、何かを決心するように目を見開いた。そして、台所に向かった。

彼はシンクの上にある棚の中から今まで一度も使われたことのないスポンジと食器用洗剤を取り出し、スポンジを水で濡らした後洗剤を垂らした。彼はそのスポンジを数回軽く握り、スポンジが少しずつ泡立ってきた。そこでシンクの中にある乱雑に積み重なった皿の中から適当に一枚を選び出し、洗い始めた。

その後もマフォクシーは皿を洗い続け、みるみるうちに積み上げられた皿の量は減っていった。

皿を洗い流した液体は、どす黒く、今までに溜まっていた汚れが全て取れたようであった。

皿を洗い終わった後、彼は風呂に入り、今までしていたよりも丁寧に体を洗い流した。

「ふぅ、気持ちよかった。」

風呂から上がった彼は、ベランダに出てその場で“フレアドライブ”を使い、体についた余分な水分を蒸発させた。

そしてその後すぐにベッドに向かい、突っ伏すようにして眠り始めた。

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僕は、今日もここに…… 何故、ここに…… 何故……

うっ…… 頭が痛い…… 

………………

「ねえ、マフォクシー、あなたは私のことをどう思うの?」

「え? どうって…… そんなこと言われても……」

「もう、いじわる。素直に“好きだ”言いなよ。」

「え……」

「もう、本当に素直じゃないんだから。はい。チョコレート。貴方、今日がバレンタインってこと忘れてたでしょ?」

「え、僕チョコレート苦手だから要らないんだけど……」

「はぁ? あなた乙女心って分かる?」

「いや、全然。」

「ひどくない?」

「僕は科学で説明できないものは嫌うからね。その乙女心ってものを数式化してみてよ。」

「そんなのわたしにできるわけないでしょ! あくまでも医学部志望なんだから! あなたみたいな変態じゃないし!」

「ですよね。」

「まあ、いいや。先に帰るよ。じゃあね。 あ、チョコレートはちゃんと食べてね!」


「あ、サーナイト! 車が来て

キキーーーーーーーーー!!!!!!!!

ドンッ!!!!!!!!

マフォクシーの視界は絶望の色に包まれた。

………………

うっ…… そうだ、だから、僕はこんなところに…… 取り残されて……

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うっ……

マフォクシーが気づくと、もう既に目覚ましのベルは鳴り終えていた。

「ヤバい!」

そうマフォクシーは言うと、サイコキネシスを使って一度に様々な用意を始めた。

そして、八分後、彼は玄関から飛び出していた。

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大学の最寄り駅に着いた後、通勤ラッシュで多くのポケモンが駅の出口へのポケ混みを作っている中、その人混みを縫うように彼の後ろから歩いてきたポケモンが右後ろから声をかける。

「おはよう!」

その声の主は昨日と同じ、ゾロアークだった。

「またゾロアークか。おはよう。」

「またってひどいですね。 大学まで一緒に行きましょう!」

「はいはい。」

このようにして彼らはまた一緒に大学へと向かった。

そして、その十数分後、彼らは大学の門をくぐった。ゾロアークは普通はは大学の門をくぐってから別れるはずだが、話を長引かせ、なかなか別れようとしなかった。

「ごめん、ゾロアーク、そろそろ授業が始まっちゃうから今日はここまでにしよう。」

「そうですか…… 分かりました。では、帰りに続きの話をしましょう。」

そう言って彼らは別れた。

その後、マフォクシーはいつも通り授業を受け、荷物をまとめて建物から出てきた。

そのマフォクシーを視界に捕らえ、素早くマフォクシーによって来たポケモンがいた…… ゾロアークである。

「行きましょう!」

「うん。」

その後も彼らの会話は続き、駅に入ろうとしているところでゾロアークは立ち止まり、マフォクシーを呼び止めた。

「マフォクシーさん、ちょっといいですか?」

「うん。いいよ?」

「あの、これを受け取っていただけますか?」

「これは……」

「遅れてすみません。バレンタインのチョコレートです。私が躊躇してしまったばかりに、遅くなってしまいましたが、今こそ本当の気持ちを伝えます。私…… 今までずっと

「ちょっと待って。少し考えさせて。」

マフォクシーはその言葉に続く語句を察したのか、途中で割込み、ゾロアークの元から走り去っていった。

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「はぁ…… ただいま……」

「なんか疲れたから、もう寝よう……」

そう言って、彼は家に帰るなり布団に潜り込んだ。

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僕は、また、ここに……

ああ、少し光が差してきた……

向こうから手を差し伸べているのは…… ゾロアーク……?

僕は…… この空間から…… 出ていいのか……? 僕は…… 最悪のことをした僕が…… また、相手を傷つけかねない僕が……

僕は何かのきっかけがないと全く動かない。慣性の法則に従って、まるででくのぼうのように……

いや、違う。これはチャンスだ。だからもう、これを最後にしよう。自分で葬り去った記憶から、解放されよう。

僕はもう、これを最後に慣性の法則を破る。誰かに「やれ」と言われないとやらないのは、もう嫌だ。大切な人を傷つけないために、自分で考え、自分の判断で行動する。無気力だったから、あの時サーナイトも……

「だから、これからは、自分として生きていこう。」

その瞬間、元々は暗闇に包まれていた世界暖かな光で包まれ、記憶の中に葬った自分と、その分の“自分”が欠如した自分が一つになった。
ここまで我慢して読んだ方、正直言って凄い。

なんかすごく読解しにくそうな作品になってるけど、許してください()

一応解説を作っときました→ https://privatter.net/p/5488192

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感想

お名前:紫雲さん
 読まさせていただきました。

 解説は読んでませんが、過去のサーナイトの死を引きずっていた主人公のマフォクシーが、怠惰な日常から解き放たれようと成長する物語であったと思います。そのベースにあるのが彼の支えである科学であり、慣性の法則が主人公を象徴するワードであることが明確に示唆されていました。これを駄作と評するには勿体無いと思います。「僕はもう、これを最後に慣性の法則を破る。誰かに「やれ」と言われないとやらないのは、もう嫌だ。」この台詞のメッセージの強さが心地良かった。
 それだけに、誤字脱字、不可解な言い回しが散見されており、実在する専門用語や理論を交えた台詞とのちぐはぐとした乖離が否めません。学生らしさならプリントではなくレジュメですよね。そういう細かなところに書き手の実体験や素養等も出てくるものです。
 指摘させていただきましたが、お話の構造が本当に好きで、だからこそ世界観の深まりに期する作品でした。
書いた日:2020年02月18日