『ねがいごと』が叶う前に。

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作者:抹茶
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読了時間目安:4分
西暦2313年2月14日、ポニの原野にて。
「最近は人間があまり来ないから、ゆっくりしていられるな」
俺の親友である赤いアブソル、アラレは言う。
「そうだな。のんびりしているのが一番だ」
「そうだ、ハヤテ、頼みがあるんだが」
その一言で、俺はとても驚いた。
なぜなら、彼はすでに自立しており、ほぼ何でもできたからだ。
「どんな頼みなんだ?」
俺は、何でもないフリをして訊ねる。
すると彼は、とんでもないことを言った。

「自分を、やめたくなった」

***

「お前、言ってることがおかしいぞ。なんで『ねがいごと』が使えないのに、『自分をやめたい』って願いが叶っちゃうのかもしれないんだ?」
「俺の家系はよくわからないんだが、ジラーチから、技『ねがいごと』を授けられているらしいんだ」
「それで、間違えて、『ねがいごと』しちまった、つー訳か」
「だから、自分の願いから逃げたい。わかったか?」
わかるようなわからないような。
「自分をやめたい、ってことは、もし叶ったら」
「死ぬ、もしくは他の誰かに転生する、ということ」
「それってやばいんじゃないか」
「だから手伝ってほしいんだ」
明らかにやばい。どうすればいいかも、わからない。
「それって叶うまではまだ少しあるんだよな」
「あぁ、そういう技だからな」
「叶わないことも、あるんだよな」
「技が失敗した、ってやつだ」
つまり、無理矢理この技を失敗に持っていけばいい、ということだ。
「心理的なものなら心の持ちようだ」
「なら、まだなんとかなるかもしれない」
「だとしたら、その、心理的なショックはなんだ?」
俺が聞くと彼はさも深刻そうに言った。





「チョコをもらえる約束だったのに…」




「おいおい、お前、そんなことで死にかけてどうする?
そうかんたんに死なれちゃ、こっちがだるい」
「悪かったな」
「まあ、俺だってもらえてないんだし」
「お前はそもそも興味がないんだろ」
「まあな」
チョコに命を賭けるなんて、馬鹿だな。
俺はそう思ったが、こいつは本気だ。
なんとかしなくては。

***

「もう、人生終わりだ」
「そんなこと言うな。まだ日が変わるまでは8時間ある。今日中ならセーフじゃないのか」
「だといいんだが」
そんなことを話しているうちに、日が暮れてきてしまった。
「やっぱり俺は死ぬんだ」
「だから…」
俺がそう言っていると、後ろの方から声がした。
後ろを見る動きが、きれいにシンクロした。




「アラレ君、おそくなってごめんね」
そこにいたのは、小さな包を持って尻尾に乗ったライチュウがいた。
「ソラ…」
「今日はちょっと忙しくって」
「大丈夫、ずっと待ってた」
「死にかけながらな」
「あはははは、アラレ君らしいや」
ソラは、笑い出す。
「だよな」
「ったく」
アラレが、ため息を吐く。
「大変だったのは、俺だよ」
「あたしだって、アラレ君のために頑張ったんだよ。
 そうだ、ハヤテ君、なにか欲しいの、ある?」
ソラに訊ねられたが、俺は首を振った。
「俺は大丈夫だ。これから、二人で楽しんでこい」
「そんなのできないよ。もう夜だけど、3人で遊ぼうよ」
「俺もか?」
「うん。早く準備して!」
「工エエェェ(´д`)ェェエエエ」

ハッピーバレンタイン、良い一日を。
どうも、高音ユズです。
明日は、バレンタインデーなのでそれに合わせて、投稿させていただきました。
貰えそうな方も、そうでない方も(僕はこちらです)。
ハッピーバレンタイン!

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