みんなが嫌いになれば

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 思いの丈をぶつけただけなんで、ぐちゃぐちゃだと思います。
 彼には友達がいない。小さいながらも赤々と燃える命の炎が象徴的な彼には。彼自身が友達を作ろうとしてないだけなのか、それとも周りが彼を避けてるのか…………それは私にもわからない。でも………………なぜかみんなが部活の話とか、昨日観たテレビの話とか、ちょっぴり甘酸っぱい恋の噂話とか、嫌いな先生の話とか、将来の話とか………とにかく色んな話題で盛り上がる休み時間の間でも、教室の廊下側の隅っこにぼんやりと過ごしてる彼の存在を…………いつからか私は気になっていた。


 別に彼とは知り合いでも幼なじみでも無い。種族も全然違うし、多分タイプも違うから物事への価値観とかも理解できないことが多いと思う。共通点があるとするなら…………スピード自慢で守りはニガテとか、じめんタイプがニガテとか、それくらいだと思う。


 私の友達、プリンとピッピがこんな会話をしていた。


「ヒトカゲって、みんなからなんか浮いてるよね。あんまり喋らないし、何が趣味なのかもわからないし、ちょっと変だよね」
「うち、ああいう男ってニガテ。一緒にいても楽しくないし、過ごしてるだけで苦痛って言うか」
「わかる!!表情の無い男ってちょっと不気味だよね~!」


 私はその会話を一歩後ろから聞いていたけど、途中から聞くのをやめた。すると、「ピカチュウはどう思う?」って彼女たちから質問された。「別に。私はそういう人がいても不思議じゃないって思うけどな………」と、なぜか接点があまりない彼を庇うような解答をしたのだ。


 すると、「ふーん………ピカチュウってそんな人だったんだ…………」とピッピの一言。明らかにプリンも彼女も笑ってない。どこか冷めた目で見られてる感じがした。




 ………………そして私は……………その日から友達を失った。彼と同じになったのだ。







 「なんでそのときそんな発言をしたの?接点も無かった僕を庇うような発言を」


 彼は涙ながらに尋ねてきた。あの日以来、私はみんなから仲間外れにされて色々嫌な目に遭わされてる。今日も気付いたら体や心がボロボロだ。でも、あの日からその分だけグッと彼と話をする時間も増えて、彼との距離とも近くなった。


 今日だって私以上に体や心がボロボロな、彼の腕の中にいる。それがとてつもなく幸せに感じた。


 「私にもわかんない。でも、あの一言でなんか重たい荷物を下ろせた感じがするんだ。それに今のあなたの味方って私一人だし、私の味方もあなた一人だけ。なんだか幸せだよ。みんながもっと私やあなたを嫌いになれば…………もっと一緒にいられる時間も増えるよね?」
 「そうだけど……………それでいいのかい?」


 彼は聞いてきた。私はゆっくり笑ってうなずいた。


「うん、だって………多分あなたの存在が気になったあのときから……………好きだったと思うから」


 運命はどこで変わるかわからない。時には色んなものを失うかもしれない。でもその分だけ幸せに気づけるかもしれない。

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感想

お名前:紫雲さん
 読まさせて頂きました。書き殴りの勢いも大事です。

 共依存に陥っていく二人の関係が好きですね。こういうの大好物です。ヒトカゲの尻尾の炎が消えてしまいそうで怖いですが。
 無粋ですが、学校のような狭い社会の人間関係というのは、まあ劇薬のようにある時急激に移ろいゆく、そんな苦しさが凝縮されていたように思いました。
書いた日:2020年02月07日
作者からの返信
 初めまして紫雲さん。この度は短編「みんなが嫌いになれば」を読んで頂き、そして感想まで投稿して頂き本当にありがとうございます。物凄い励みになります…………!

 そうですね。今回は学校を舞台に描きましたが、人間関係って本当にわずかなきっかけでそれまでの関係が崩れることに、虚しさを感じたりします。でも、そんな中でも僅かにでも希望があるのであれば、それを信じて生きて行け………という感じで、勢いで書かせていただきました。
書いた日:2020年02月07日