私のポケモンが紳士すぎて辛い

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作者:豆シヴァ
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読了時間目安:6分
昔はポケモントレーナーだった女性と、そのパートナーであるインテレオンのお話です。少女マンガっぽい内容になってますので、それをふまえた上でお読み下さい。
 私の名前はアヤカ。若い頃はポケモントレーナーとして旅をしていたけど、今は普通の会社員として働いています。今日も数々の資料やPCとにらめっこをして、クタクタになりながらマンションに帰宅。

 「ただいま〜。今日も疲れたぁ〜っ!」

 玄関を開けて靴を脱いでる最中に、一匹のポケモンが私を出迎えてくれた。

 「うぉれおん(お帰りなさいアヤカ)」

 礼儀正しいお辞儀をした後、私のコートやバッグをポールハンガーにかけてくれた。まるで紳士のような振る舞いをするこのポケモンは、背が高くてスリムな体をした、黄色い背ビレと長い尻尾が特徴のインテレオンで、私はレオンって呼んでます。
 ポケモントレーナーだった頃から一緒にいて、昔はすぐに泣いちゃうことが多く、色々とお世話が大変だったけど、今では逆に私がお世話されてるというか…。仕事に行っている間、レオンは家事などを完璧にこなしてくれたり、私が帰って来る時間を予測して、事前にハーブティーを淹れておいたりしてくれる。

 「まさかあの泣き虫メッソンちゃんが、こんなに紳士力高いポケモンに成長するなんてねぇ…」

 「うぉれおん(アヤカが一生懸命育ててくれたからですよ)」

 レオンの言葉を完全に理解することはできないけど、彼からは感謝と信頼の気持ちを感じる。恋人にするなら、優しくて頼もしいヒーローみたいな人…って思ってたけど、理想通りの人が現れちゃったかも?

 (だ、ダメよ私…。レオンをそんな風に意識しちゃったら、胸がドキドキしてきちゃう…)

 レオンが淹れてくれたハーブティーを飲んで、胸の鼓動が鳴り止むのを待つ。さてと、夕食の準備をしようかしら…って言っても、一人暮らしの作る料理なので、麺を茹でてソースをあえるだけのスパゲッティにしよう。
 私が台所で食材を出している間、レオンは麺を茹でる鍋を用意してくれた。私の身長だと上の収納棚に届かないから、こういう時にもレオンに頼ってしまう。

 「だ、大丈夫よレオン…私一人で作れるから…」

 「うぉれおん(僕にも手伝わせてアヤカ)」

 私がそう言っても、レオンは華麗な手捌きで調理を始める。こうやって隣同士でいると、本当に彼氏と料理してるみたい…。

 (ま、また胸がドキドキしてきた…!)

 その後、簡単なスパゲッティが完成して、レオンも一緒に食事をとる。人間と同じように椅子に座り、器用にスプーンを使ってポケモンフーズを口に運ぶ。進化してから落ち着いた大人っぽい感じになったなぁ〜と思いながら、私もスパゲッティを口に運ぶ。
 二人だけの穏やかな時間が流れて、あっという間に夕食を終える。食べ終えた食器を運ぼうとしたその時、突然レオンが席を立って私に近づいてきた。お皿を洗い場に持っていってくれるかと思ったら、突然私の頬にチュッと口づけをしてきた!

 「うぉれおん…(ほっぺたにソースがついてますよ…)」

 「わっ、ひゃっ!?い、いきなりどうしたのレオン!?」

 私が慌ててレオンの顔を見ると、彼はハッとした表情で頬を赤らめた後、ティッシュを取って口周りを拭いてくれた。もしかして、ソースがついてたから口で取ろうとしていたの?気持ちはすごく嬉しいけど…どこでこんなことを覚えてきたのだろう?私が仕事で居ない間、テレビの昼ドラでも見て学んだのかしら?
 気を取り直して、レオンが洗い物をしている間、私はお風呂に入る。レオンはみずタイプということもあり、技の「ねっとう」を上手に使って、ちょうど良い湯加減の湯船も用意できる。正直今の生活は、レオンに支えられてると言っても過言ではない。

 「レオンが沸かしてくれたお湯ってだけで、不思議と疲れが取れる気がする…」

 湯船に浸かりながら心身共にリラックス。お風呂から上がった後、ソファーでくつろぐレオンの隣に座る。そして当然のように、水分補給用の冷たいお茶を用意してくれている。

 「いつもありがとうレオン。あなたは最高のパートナーよ」

 「う、うぉれおん…(と、当然のことをしただけですよ…)」

 照れ臭く微笑むレオンと一緒に、私達はテレビを見ながらゆったりとした時間を過ごす。その時、ちょうどポケモン映画が放送されていたので、お菓子を用意してそれを観ることにした。


 そして約二時間後…

 「ひぐっ…ううっ…人間とポケモンの絆…尊い…」

 「うぉ…うぉれお〜ん(僕も…涙が止まらないよ〜)」

 二人揃って涙をポロポロ流しながら、厚手のハンカチで顔を拭う。私がポケモントレーナーだった頃、勝負に負けて大泣きするメッソンを何とか慰めて、その後に私も一人で涙を流していた日々を、ふと思い出した。

 「フフッ、お互い泣き虫なのは昔からだね。でも、だからこそ私達は、心が通じ合ってるって思えるの…」

 「うぉれおん…(涙は感情のつまった雫ですからね…)」

 私達は泣いた数だけ強くなった。だからこそ、社会の荒波に立ち向かえる私がいるし、挫けそうになっても支えてくれるパートナーもいる。

 (いつも一緒にいてくれてありがとう)

 そう思いながら、私はレオンの手をギュッと握った。
こういう乙女チックな小説を書いたこと無かったので、今回初めて挑戦してみました。今後も色んなジャンルで投稿してみようと思います。

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感想

お名前:紫雲さん
 読まさせて頂きました。こういう伴侶ポケモンが隣にいてくれる生活がいいですね。

 アヤカさんが紳士風情のインテレオンの世話にどっぷりと浸かっている様子が面白いです。沼にハマるというのはこういうことでしょうかね?笑
 でもポケモントレーナーとしてメッソンの姿の頃から信頼していた過去があるこそ今日の姿があるところに、ただの乙女チックなお話じゃないポケモンと人間の共生関係が根底にあるところが大好物でした。もっとアヤカさんとレオンの日常を垣間見てみたいところです。
書いた日:2020年02月10日
作者からの返信
紫雲さん、感想ありがとうございます!
人間の生活に欠かせない水分を扱える水タイプポケモンは、日常生活でもトレーナーを助ける存在になると思って、最新作からインテレオンを選んでみました。ゲームの進行上、御三家ポケモンは最初のパートナーになるので、水だけじゃなく炎や草も身近な存在になれると考えています。
まあ建前はこれくらいにして…インテレオンと人間がイチャイチャする短編が書きたかっただけです!脳内で想像しながらニヤニヤしてましたww
書いた日:2020年02月10日