星を想う日

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作者:めがみう
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読了時間目安:25分
二人称視点・ト書き形式のこのお話。貴方様が"オオタチの視点"を通して、お話を"体験"する感覚をぜひ味わって頂けたらと思います……
(台本形式のため、読了時間は表記よりも短いと思われます)
ゴチミル「……あっ! 先輩! こっちです!」




ゴチミル「空の長旅、お疲れ様でした! 飛行機酔いとか大丈夫でしたか?」




ゴチミル「……到着最初の一言が、『お腹空いた!』、ですか……」




ゴチミル「まぁ、その様子なら、飛行機酔いとかは大丈夫そうですね」






ゴチミル「…………先輩、改めて本当にありがとうございます。遠くから来て頂いて……」




ゴチミル「父もきっと、先輩に会えるのを楽しみにしていると思います」





ゴチミル「……」





ゴチミル「…………私もちょうどお腹が空いてきましたね。最近新しくフードコートが出来たみたいなので、そこに行ってみましょうか!」










~フードコート~







ゴチミル「うわぁ、ポケモンでいっぱいですね……」





ゴチミル「フードコートって、やっぱりどこもお昼時になると、ポケモンでいっぱいになっちゃいますよね……席空いてるかなぁ……?」






ゴチミル「……あっ! ここ空いてますね! 席も取れたことですし、何にしましょうか……」






ゴチミル「……キンセツチャンポンにコイル焼き…… なるほど、色々な地域の料理が集まっているみたいですね……」





ゴチミル「…………!」





ゴチミル「…………先輩、あれってビレッジサンドのお店じゃないですか……?」





ゴチミル「…………どうですか先輩? また昔みたいに、一緒に食べませんか?」






ゴチミル「…………わかりました! それでは頼んでくるので、先輩は先に席で座って待っていて下さいっ!」






~3分後~






ゴチミル「先輩~! お待たせしました! ビレッジサンドセット!」





ゴチミル「ビレッジサンドは出来立てが一番美味しいですし、早く食べちゃいましょう!」アムッ





ゴチミル「~~!! 出来立てのこのしっとりさ加減! そして味の決め手の、このきのみのトッピング! 」バタバタッ




ゴチミル「そうですよ! これですよ! これ! やみつきになるんですよね~!」





ゴチミル「こっちの地方だとなかなか売っているお店がなくて……今日ここに来て正解でしたね!」







ゴチミル「…………こうやって先輩とビレッジサンドを食べていると、私達が "ゴチム" と "オタチ" だったころを思い出しますね」





ゴチミル「……先輩、先輩は、私と初めて会った頃のこと、覚えてますか?」





ゴチミル「……あの頃の私達はまだ小さかったですけど、お父さん達が、どちらも "父子家庭" で "一匹娘(ひとりむすめ)" を持つ者同士、って理由で仲良くなって……それがきっかけで知り合って……」




ゴチミル「私のお父さんは長期間遠くの地方で仕事をしないといけない時が多かったですけど、そんな時、先輩のお父さん……オオタチおじさんが、私を先輩の家に泊めて下さって……」





ゴチミル「おじさん、私が寂しがってないかって……時間ができる度に、私達を遊園地へ連れて行ってくれて……」





ゴチミル「たくさん遊んだ後は必ず、先輩と一緒に、屋台のビレッジサンドを食べてから帰ってましたよね……」





ゴチミル「あの時のビレッジサンド……とても温かかったな……」






ゴチミル「……って、 先輩!? 私がしんみりとしている間にもう食べ終わったんですか!? 食べるの早すぎません!?」






ゴチミル「…………もう……太っても知りませんよ……」






ゴチミル「…………ほう、太らない体質だからいい、と……」





ゴチミル「なるほど、それはつまり、私に対する宣戦布告と受け取っていいんですね……?」ゴゴゴゴ







ゴチミル「…………もう。ほんとズルいですよ、先輩は」





ゴチミル「何ですかそれ。好きに食べてもずっとスレンダーでいられるって、それもう最強じゃないですか」ムスッ








ゴチミル「私なんて、ちょっと食べ過ぎただけで、ぼーん! といくのに……」







ゴチミル「…………フフッ、そんなに慌てなくても、別に怒ってはないので大丈夫ですよ♪」






ゴチミル「……まぁ、少しピキッとはしましたが」クスッ





ゴチミル「あ、そうだ! 今のうちに今日行く経路確認しておいた方がいいですよね。タウンマップタウンマップ……」ガサゴソ





ゴチミル「えーと、あった!」





ゴチミル「ここからだったら……電車を乗り継いでから隣の港町へ行って……そこから船に乗れば行けそうですね」





ゴチミル「ハムハム……ごちそうさまでしたっ! ……さて、私も食べ終わったことですし、目的地へ向かいましょうか!」







~カイナシティ~







ゴチミル「あぁ~潮のかほりがします~」







ゴチミル「隣町だから、そんなに時間はかかりませんでしたね」






ゴチミル「こういう海に面したところって、大抵風強いですよね。あと強い風に当たると異常にテンション上がるのって私だけでしょうか」





ゴチミル「えーと確か……船着き場はこの市場を突っ切った方が早いみたいですね! 行きましょうか♪」








~船の上~







ゴチミル「先輩! 先輩! ここめっちゃ風ビュオオオオってなってますよ! 凄くないですか! これ! 」




ゴチミル「いやぁ~やっぱり船の甲板で当たる風は最高ですね!」





ゴチミル「…………フフッ、そうですね♪ 父もたぶん、今の私と同じように、風に当たって興奮してたと思います」





ゴチミル「お父さん、自然の調査の仕事で長期間帰らないことが多かったですけど……」






ゴチミル「帰ってくると必ず、出先で見た景色、夜に見える星々のこととか、沢山のことを私達に教えてくれて……」






ゴチミル「休みが入った時には、私達を色々な所に連れて行ってくれましたよね」






ゴチミル「……船に乗ると毎回、私と一緒に風に当たってはしゃいでましたっけ」クスッ






ゴチミル「……あっ、見えてきましたよ!」






ゴチミル「 ……はい、あの島です。降りる準備、しましょうか」









~シーキンセツ~






ゴチミル「ふーっ! やっと着きましたね! 今日の目的地!」





ゴチミル「ここ、一見したら船に見えますけど、実際は昔、資源の採掘のために造られた人工島なんだそうです」






ゴチミル「そんな自然とはまるで正反対のような所に、今では独自の生態系ができているってことで保護区になっているんですから、世の中って不思議ですよね……」









ゴチミル「…………せ、先輩? どうしましたか、急に私の顔覗き込んで……」











ゴチミル「……あ、手、震えてましたか……」










ゴチミル「…………そういった所も全く変わらないですね、先輩は……」








ゴチミル「…………はい。14年前の今日、あの日、父は、この島で……」






ゴチミル「……」






ゴチミル「……あの、先輩。 少し、手を繋いでもらってもいいですか……?」







ゴチミル「……ありがとうございます。……先輩、昔よりもモフモフ度がパワーアップしてますね」フフッ









ゴチミル「…………あの日のことは、今でもよく覚えてます」









ゴチミル「……あの日は、オオタチおじさんが、私達を遊園地に連れて行ってくれる約束の日でしたよね」







ゴチミル「でも、オオタチおじさんが父の件で行けなくなって…… 」







ゴチミル「……」








ゴチミル「あれ以来、おじさんは父の葬儀の手伝いで忙しかったですし、葬儀が終わった後も、私がこの地方に住んでいるおばあちゃんに引き取られることになって……結局遊園地には行けませんでしたね……」







ゴチミル「…………先へ進みましょう、先輩」









~採掘所跡地~








ゴチミル「この先が、父が亡くなった場所だそうです」







ゴチミル「……あの日の地震で崩れて、今はもう、こうして入り口の前に立つことしか出来ませんが……」








ゴチミル「こうやって現場を見ると……もし、現地のリーダーだった父が、調査に訪れていた同僚の方達を、サイコキネシスで入り口まで飛ばさなかったら……被害はもっと大きかったんだろうなって思います」








ゴチミル「……自然が誰よりも大好きで、自然の調査のために、世界中のあちこちを飛び回るような父でしたけど……」







ゴチミル「仕事で家を離れている間、私が寂しくないように、毎日メールを写真付きで送ってくれたり……」







ゴチミル「休みができれば、一緒に居られなかった分よりもたくさん、私達に尽くしてくれて……」






ゴチミル「私達だけじゃなく仕事場でも、自分よりも同僚のみなさんのことを第一に考えていて、とても信頼できるリーダーだったって、仕事仲間の方々も仰っていて……」






ゴチミル「…………私は、そんな父を持つことができて、とても誇らしいです」







ゴチミル「この地方は、この島以外にも自然が満ち溢れていて……父は、調査してみたい所がまだまだ沢山あるって言っていました」








ゴチミル「…………私は今、父がやりたかった調査を受け継ぐのが夢なんです。」







ゴチミル「そしていつか、父のようなポケモンになれたらいいなって……」






ゴチミル「……あっ……そろそろ船が出る時間ですね……」







ゴチミル「……行きましょうか、先輩」










~ゴチミルの家~






ゴチミル「ふぅ~!やっと着いた~!」







ゴチミル「あっ、荷物はそこのリビングの所に置いといて大丈夫です!」








ゴチミル「……家に賑わいがあるのって、なんだか久しぶりな気がします♪」








ゴチミル「父の仕事仲間の方が紹介してくださったこのマンションも、 "一匹" になると、とても広く感じるんですよね……」









ゴチミル「…………お腹、空きましたね。夕飯、どうしましょうか?」









ゴチミル「…………あ、それいいですね! 一緒に料理、作りましょう!」









~キッチン~






ゴチミル「…………こうやって先輩と台所に立つと、昔よく、先輩に料理を教えて頂いたのを思い出しますね」






ゴチミル「幼い頃の私がフライパンに敷く油の量間違えて……炒め物つくる筈が、揚げ物になっちゃったりとか、色々ありましたよね……」








ゴチミル「…………そういえば先輩って、小さいころからほんと料理上手でしたよね」







ゴチミル「私は先輩から教えてもらいましたけど、先輩は誰から教わったんですか?」








ゴチミル「オオタチおじさんは確か、料理、苦手だったと思いますし……」










ゴチミル「…………お母さん、ですか……」








ゴチミル「私、母の記憶があまり無いんですよね……」







ゴチミル「母は昔から病弱だったみたいで、私が卵から孵った数日後に亡くなったそうなので……」






ゴチミル「お父さんやおばあちゃん越しにしか、母のことはあまり知らないんです。」







ゴチミル「…………えっ! 先輩のお母さんって、料理教室開いていたんですか! 道理で先輩が上手いわけですよ……」







ゴチミル「……お店の料理を食べただけで材料や調味料の配合がわかるって……先輩のお母さん凄いですね……」







ゴチミル「なるほど……先輩は、先輩のお母さんみたいに、料理教室を開くのが夢なんですね♪」







ゴチミル「先輩なら料理も教え方も上手ですし、絶対評判になりますよ!」







ゴチミル「あ、こっち出来ましたよ! 蓋開けますね!」







ゴチミル「~~! あぁ……いい匂い……めっちゃ美味しそう……」






ゴチミル「あ、先輩の方も完成したみたいですね!」






ゴチミル「それじゃあ、向こうに持っていって食べましょうか!」










~寝室~






ゴチミル「ふぅ……いやぁ~温まりましたね~」





ゴチミル「昔もよく一緒にお風呂に入ってましたけど、私達が進化してからは、今回が初めてになりますよね」





ゴチミル「いやぁ……お湯をかけた時の先輩の姿が、もう衝撃的でしたね……」






ゴチミル「あのときの先輩の姿といったらもう……あ、ダメです思い出すとまた笑いすぎてお腹がよじれそうです」クスクスッ








ゴチミル「…………もう、そんなに拗ねなくてもいいじゃないですかぁ……」







ゴチミル「あ、そうだ! この地方には有名な温泉街もあるので、今度来るときはそこ行きましょう!」




ゴチミル「それに、温泉だけじゃなく……名物の "お煎餅" も、ありますよ?」ニヤッ






ゴチミル「……わかりましたっ! 今度いらっしゃる時までに、色々調べておきます♪」クスッ









ゴチミル「…………明日でもう帰っちゃうんですよね」








ゴチミル「…………いえ、忙しい中時間をつくって下さったこと、本当に感謝しているんですから……」







ゴチミル「それに、テレビ電話でいつでも会うことが出来るじゃないですか♪ なので大丈夫です!」







ゴチミル「…………ふあぁ……眠くなってきましたね」







ゴチミル「……はい、明日も早いですし、そろそろ寝ましょうか」








ゴチミル「布団二枚敷いてあるので、先輩はこちらの方を使ってください」







ゴチミル「……はい、おやすみなさい…………」












 ̄ ̄
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_______________











とても深い 深い場所に 私はいた










どっちが上なのか 下なのかがわからない









あたりを見まわしても





今にも吸い込まれてしまいそうな暗闇が 続くばかりだった










『オタチちゃん……?』










『ねぇ……どこ?オタチちゃん……』










『オタチちゃん!いたらへんじをして……』










『おねがい……わたしはここにいるよ……?』











『ひとりはこわいから……いっしょにいてよ……』












怖さと寂しさに押し潰されそうになったその時








暗闇の中から1つ また1つと







無数の星が現れていく








暗闇が星の灯りで徐々に照らされてゆき









暗闇はいつの間にか









見渡す限りに広がる星空に変わる










そんな果てしない星の海の中に










一際強い輝きを放つ星が見える











『おとうさん? …………おとうさんだ!』








『おしごと ようやく おわったんだね!』








『きいて おとうさん!』









『おとうさんが いない あいだに ね! オタチちゃんに また りょうりを おしえて もらったの!』








『だからね! おとうさんに、わたしの つくった りょうりを たべてほしいの!』









『あと、おとうさんが みた けしきの はなしも、たくさん きかせてね!』















『…………おとうさん?』










『なんで なにも しゃべらないの? おとうさん』








『…………! まってよ! おとうさん!』










『おねがい! いかないで!』

















『…………おばあちゃん! おばあちゃんは私と一緒に居てくれるよね!?』











『おばあちゃん……何で何も話してくれないの……?』












『ねぇ……どこ行っちゃうの……』











『…………嫌だ……怖い……もう独りになるのは嫌……』












『…………お願い』












ず っ と わ た し の そ ば に い て






 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

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___











ゴチミル「ッーー!…………はぁ……はぁ……」










ゴチミル「…………あ、すみません先輩。起こしちゃいましたか……?」










ゴチミル「……いえ、なんでもないですよ、先輩。先輩も明日早いんですから、迷惑はかけられませッーー!?」

















ゴチミル「…………もう。ほんとずるいですよ……先輩は」














ゴチミル「そうやって私のこと、何でも【おみとおし】なんですもん」
















ゴチミル「…………そういえば、私のおばあちゃんのことは、まだ話してませんでしたね」











ゴチミル「…………まだもう少し、こうやって私を抱きしめていて貰ってもいいですか……?」












ゴチミル「……父が亡くなって、こっちに引っ越して来た後、おばあちゃんはとても温かく迎え入れてくれて……」









ゴチミル「家に帰れば、いつもおばあちゃんが居てくれるってことが……本当に嬉しかったんです」








ゴチミル「…………でも、2年前に病気にかかって……この地方にはその病気を治せる施設がなくて、別の地方の病院に入院することになって……」









ゴチミル「…………でも結局、治療の甲斐もなく……1年前に……容態が急変したって知らせを聞いて駆けつけた時にはもう……」












ゴチミル「…………お父さんもおばあちゃんも……私にとって大切な存在が……私の遠く離れた所で消えていって……」









ゴチミル「…………怖いんです……もし、大切な……大好きな先輩が! 私の遠く離れた所でいなくなってしまったら……!」










ゴチミル「そしたら私……私……!……ヒグッ……ウッ……」











ゴチミル「……グスン……先輩……先輩ってほんと、モフモフしてて、あったかいですね……」










ゴチミル「先輩のにおいに包まれながら、先輩の鼓動を聞いていると……なんだか少し落ち着いてきました」








ゴチミル「…………なるほど、先輩も、先輩のお母さんに、同じようにやってもらっていたんですね……」








ゴチミル「…………父が亡くなった時の私を、先輩のお母さんが亡くなった時の先輩の姿と重ねていたって……それ、今初めて知りました」











ゴチミル「…………先輩、知ってますか? ゴチルゼルになると、他のポケモンの寿命が見えるようになるらしいです」








ゴチミル「寿命を見るのはサイコパワーをかなり消費するらしいので、病弱だった私の母には見ないように父がさせていたみたいですけど……」









ゴチミル「父は仕事柄家を離れることが多いですし……妻の最期の時には傍に居たいと、意を決して寿命を見ることにしたそうです。」









ゴチミル「寿命を知った時は、それはもう嘆き悲しんだらしいです。」









ゴチミル「……でも、寿命を知ることが出来たおかげで、その残された時間を、ずっと私のお母さんと一緒に過ごすことが出来たって……言ってました」









ゴチミル「…………もし大切なポケモンの寿命が、あと僅かであるのが見えてしまったらって考えると……正直怖いです」








ゴチミル「…………でも、その大切なポケモンの光が消えていく時、確実に一緒に居られるって考えると、決して悪くはないのかなって思うんです」










ゴチミル「…………もし先輩の寿命があと僅かだったらどうするか、ですか……」







ゴチミル「そうですね……」










ゴチミル「一時も離れたくないので、私がこのまま先輩を監禁しちゃうってのも良いかもしれませんね♪」






ゴチミル「……ってちょっと! 冗談ですのでガチで引くのはやめて下さい!」






ゴチミル「そんな危ないヤツを見るような目で私を見ないで下さいっ~~!!」








ゴチミル「…………でも、私が先輩とずっと一緒に居たいのは本音です」






ゴチミル「……まだもう少し、一緒に居ることが出来たらなって……」







ゴチミル「…………すっかりおそい時間になっちゃいましたね。先輩のおかげで、だいぶ落ち着きました」






ゴチミル「…………ただ、まだもう少しワガママを言わせてもらうと……このまま先輩と一緒に寝ていたいです」







ゴチミル「…………すみません、ありがとうございます……それでは、おやすみなさい…………」












~朝~






ゴチミル「……あっ、先輩!おはようございます!」






ゴチミル「先に起きてらしたんですね……」






ゴチミル「すみません、朝ごはんまでつくって下さって……」






ゴチミル「……え? これから3日間空いてるか……ですか?」





ゴチミル「私は長期休みの間なので、先輩を送った後は特に用事はありませんけど……」






ゴチミル「…………えっ!? 私も一緒に飛行機乗るんですか!?」







ゴチミル「…………あの時の、行けなかった遊園地の約束を果たしに行く、ですか……」







ゴチミル「…………朝早く起きてまで、飛行機の席探して下さったんですね……」







ゴチミル「…………はい、わかりました。行きましょうか! あの遊園地に♪」










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___









『あ! ねぇ、オタチちゃん! また りょうり、おしえて ほしいの!』









『こんど おとうさん が かえった ときに、つくって あげたくて……』









『……やった! ありがとう、オタチちゃん!』

























『オタチちゃん……あのね……』










『メールを なんかい おくっても……ヒグッ……』









『おとうさんから……ウッ……かえって……こないの……グスッ……』


















『オタチちゃん……うん。わたし、おばあちゃんのところに ひっこすことに なったの……』







『……うん! はなれていても、ずっと いっしょだよ!』















『オタチちゃん! わたしのいえも、テレビでんわ、 つかえるようになったよ!』






『これで、とおくても いつでもあえるね!』

















『……! オタチちゃん、しんか したんだね!』








『おめでとう、オタチちゃん! 』









『……あっ、そっか、これからは "オオタチちゃん" 、だね♪』


















『オオタチちゃん! ほら見て! 私も進化したんだ!』







『……うん、ありがとう! オオタチちゃんは中学生になったから……お互いおめでとうだね!』



















『オオタチちゃん! 私も今日中学生になったよ!』









『あっ、そうなるとオオタチちゃんは "先輩" ってことになるのかぁ~』








『……えぇ~、いいじゃん! "先輩" って響き、何だかいいんだもん!』








『それじゃあ……』










『これからも、よろしくお願いしますね♪ 先輩!』







 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


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__






ゴチミル「せ……い……せん……い、先輩!」






ゴチミル「……あ、起きた! 先輩、飛行機もうすぐ着きますよ?」






ゴチミル「……ええ、それはもうぐっすりと♪」






ゴチミル「私の名前をちょくちょく呼んでましたけど、どんな夢見てたんですか?」







ゴチミル「……えぇ~、教えてくれたっていいじゃないですかぁ~!」








ゴチミル「いや~それにしても先輩の寝顔、ほんと可愛かったなぁ~」









ゴチミル「ほら見て下さいよ! この先輩の寝顔の写真!」





ゴチミル「もう堪らなくて200枚近くカメラに……」










ゴチミル「ってちょ……先輩! 何してるんですか! お願いしますから消すのだけはやめてくださいぃ~!!」









~空港~






ゴチミル「~っ! 久しぶりの大地!」








ゴチミル「何だか懐かしいにおいがしますっ!」







ゴチミル「…………それにしてもこの空港、だいぶ変わりましたね……」





ゴチミル「……まぁ、14年もたつと変わりますよね」





ゴチミル「そういえば、オオタチおじさんとは遊園地で合流でしたっけ……?」





ゴチミル「飛行機代もオオタチおじさんが出して下さったんですよね……」






ゴチミル「本当に、後でなんとお礼を言えば良いか……」






ゴチミル「……って! あんまり話していると遊園地閉まっちゃいますね! 急ぎましょう!」






~遊園地~








ゴチミル「はぁ……はぁ……着きましたね……」






ゴチミル「今が20時で……閉園が23時でしたよね」






ゴチミル「…………オオタチおじさんは少し遅れるみたいですね。でも、確か閉園までには間に合うんでしたよね?」






ゴチミル「…………そうですね♪ 一足先に入りましょうか!」








~遊園地内~






ゴチミル「懐かしいなぁ……ここは全然変わってないですね……」






ゴチミル「……この遊園地はいいですよね」







ゴチミル「そこまで大きくはないですけど、楽しむには申し分ないですし……」







ゴチミル「…………えっ、この遊園地、もうすぐ無くなっちゃうんですか……!」








ゴチミル「…………どうりで先輩、ここまで来るのに半ば強引だったわけですね……」









ゴチミル「…………遊園地に来るまでの景色もだいぶ変わっていて……」









ゴチミル「こうして私達の思い出のままの場所が、また1つ無くなっていっちゃう、って考えたら……何だか寂しくなりますね……」







ゴチミル「…………あ! あれ! ビレッジサンドの屋台じゃないですか!」







ゴチミル「行きましょう! 先輩!」








~ビレッジサンドの屋台前~







ゴチミル「屋台のおばちゃん、私達のこと覚えていてくれたんですね……驚きました……」







ゴチミル「まぁ、確かに常連でしたもんね」







ゴチミル「…………ビレッジサンド1つしか残ってませんでしたね。どこで食べましょうか……」







ゴチミル「…………あっ、そういえばここの観覧車は飲食大丈夫でしたよね? そこで一緒に食べませんか?」







ゴチミル「……はい! それでは行きましょうか♪」










~観覧車~






ゴチミル「昔は夜でもポケモンの行列が出来てましたけど……今日はすんなりと乗れましたね」








ゴチミル「…………それにしても、この観覧車もだいぶ古くなりましたね……昔ってこんなにミシミシいってましたっけ?」








ゴチミル「…………そうですね、ビレッジサンド、半分こにしましょうか♪」










ゴチミル「せーのっ!」











ゴチミル「…………お! なかなか良く綺麗に分けられましたね! それでは頂きます♪」







ゴチミル「ハムハム……うん。やっぱりこのビレッジサンドが一番ですね♪」








ゴチミル「フードコートで食べた方も美味しかったですけど……」







ゴチミル「食べると心も温かくなるこの感じは、このビレッジサンドでしか出せません。」













ゴチミル「…………あ、先輩、見て下さい」








ゴチミル「星……空一面に広がってますね……」








ゴチミル「これだけ空に雲1つ無いのって、珍しくないですか?」







ゴチミル「……昔もよく、遊園地に着いたらまず最初に、この観覧車に乗って……」







ゴチミル「閉園間際になると、今度は夜景を見るために、こうして乗ってましたよね……」







ゴチミル「そして、お父さんが仕事先で撮ってくれた星を、ここから見える星空の中から探して……」







ゴチミル「それを見つける度に、この星空は、お父さんの見ている星空と繋がっているんだって思って……」







ゴチミル「お父さんと私が遠く離れていても、繋がっているって感じるんです」










ゴチミル「……私達も同じです」






ゴチミル「今こうして私達が見ている星は、きっと……私が向こうの地方に戻っても……私達がどんなに離れていても、私達を繋げていてくれるんです」







ゴチミル「先輩」








こ れ か ら も ず っ と 

繋 が っ て い ま し ょ う ね




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The・END

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