ジラーチにねがいを

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ささのはさらさら のきばにゆれる
おほしさまきらきら きんぎんすなご

七月七日。七夕

天からジラーチが降りてきて、たった1つの願い事を叶えてくれる日

今年の一番ポケは誰になるのかな?


「ふわぁぁ」

とある森の中に1つの光を放つ繭がありました。繭からぴょこんと顔を出したのは、ジラーチ

大きなあくびをして、その大きなひらひらを広げ、空中にふわふわと浮かびます

「んーもう、七夕……?」

「めんどくさいなぁ、もう。早く願いを叶えてまた寝なくちゃ」

……このジラーチ、どうやら怠け者な様子です

─いたぞ!!

─捕まえろ!

─願いは、俺のものだ!

ジラーチが浮いていると、近くからポケモンの声があがりました。ジラーチを捕まえようと追っていたようです。

「はぁ……またこうでしょ、こうやって追いかけられて……」

ジラーチはふわふわと浮かび、追いかけてくるポケモンに照準を当てました

「もぅ!ねんりき!」

パッと周りの空間が歪み、紫色の光が広がります。追いかけていたポケモンの足が止まり、一瞬ひるんだあと……ふわふわと宙に浮いていきました

─おい!おろせ!

─やめろっ!

「ボク、追いかけられるの嫌いなんだけど?」

ジラーチが微笑むと、パッと光が広がり、そして光が消えた時そこにジラーチの姿はなく、数匹のポケモンが倒れていました

「はぁ……まったく……」



───

それからしばらく、ふよふよと浮かんで移動していたジラーチは、前を歩く1匹のポケモンを見つけました

「うん……?あの子も、追っかけ?」

ジラーチは近くの木の影に隠れながら様子を見ていました。

「……ん……?誰かに見られてる?」

前を歩くポケモンは、リオル。ジラーチはふわふわ浮かびながら、歩くリオルを追いました。

「えへへっ……まだ、気づいてないみたい」

「うーん……やっぱり見られてるような……」

リオルは時折立ち止まって辺りを見回します。でも、隠れるのが得意なジラーチはなかなか見つかりません

「そうだ!波導……!」

リオルは思い立ったかのように手に力を込め、周りを見渡しました。

「やっぱり……いる!」

リオルは真後ろの木に向けて波導を放ちました

「えへへ……ばれちゃった?」

「わぁっ。ジラーチ!」

木の間からひょこっと顔を出したジラーチ。ふわふわと浮かんでリオルに近づきます

「ねぇキミも、僕の追っかけ?」

「えっと……追っかけって?」

リオルは頭にはてなを浮かべてジラーチを見つめました

「僕はね、1つだけお願いを叶えることができるんだ。だから、みんなから追いかけられてて……」

「それは大変だね……」

「お願いを1つ叶えたら眠って繭に入るから楽なんだけど、ほら、そういうポケモンにお願いするの嫌でしょ?」

ジラーチはやれやれといった表情で話しました

「たしかに……でも、ぼくはお願いないからなぁ……」

「あれ?そうなの?珍しい……」

「それよりさ、ジラーチくんはお願いないの?」

リオルに聞かれたジラーチはしばらく考えて言いました

「僕はね、追いかけられずにいろんなポケモンと遊びたいなって……」

「そっか……それなら、お願い叶えなければ……消えないんじゃない?」

「あっ……そっか……でもさ、追いかけられないようにするのが難しいんだ……」

「じゃあぼくのお家においでよ!一緒に遊ぼ!」

「いいのっ?」

リオルの誘いにジラーチは喜びました。ひらひらを大きく広げて、リオルの横を歩いて家に向かいました

───

「お家ー!ここだよ!」

「広いねぇ……庭が大きい!」

とても広いリオルの家にジラーチも大興奮な様子です

それから、ジラーチはリオルと一緒に遊んでいました。何時間かが経ち、少し休憩となったころ、ジラーチの背後で声が響きました

─おい!ここにジラーチがいるぞ!

─捕まえろ!

「わぁっ!ジラーチくん!逃げて!」

「もぅ……めんどくさいなぁ」

ジラーチがまたねんりきを繰り出そうとしました。

─次はさせねぇ!

─しばりつけろ!

「ぐっ……やめっ……」

「ジラーチくん!」

ジラーチはポケモンたちのツルでしばりつけられてしまいました

「ジラーチくんはぼくが守る!」

「はっけい!」

─応戦だ!つるのむち!

─エナジーボール!

「ぐっ……」

「やめて……」

「僕のお願いは……リオルくんを助けたい!!はめつのねがい!!」

ジラーチのお腹の目が開き、一瞬の静寂のあと光が飛び散りました。大きな音と強い風が辺りに響き、また静寂が訪れました

次に煙が落ち着いた頃、追いかけてきたポケモンとリオルが倒れていました

「リオルくん!」

「ジラーチくん!お願いをしたら、消えちゃうって……」

「うぅん。いいの。大切なポケモンにお願いができた。それなら僕は大丈夫」

ジラーチの体を光が包み、ふわふわと空に昇っていきます

「ジラーチくん!また、会える?」

「うん!きっと、会えるよ!」

「ありがとう……!またね……」

ジラーチを包んでいた光が大きくなり、やがて1つの玉になって浮かんでいきました



七夕。織姫と彦星が出会う日

あなたは、どんな願いを込めますか?


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