雨の音を聞くと、虚しくて、死にたくなる

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作者:ドリームズ
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読了時間目安:3分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

「アイネ、この頃全然笑わないよね。」
「うん。まるで、感情そのものが消えちゃったみたい。」
「しょうがないさ。あんな事があったんだから。」

何があんな事があったんだからだ。同情されても嬉しくない。私の気持ちがお前達に分かるはずない。
私はピカチュウのアイネ。それ以外に言う事はない。元々は良く笑うほうだった。しかし、今は出来ない。笑えないのだ。

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「アイネ、今日はどんな事があったの?」
「えっ?そんな面白い事ないよ。」
「いいの。お母さん、アイネの話、聞きたいわ。」

私の両親は、私が幼い頃に離婚して、母が女手一つで育ててくれた。私の事を十分に分かってくれるのは、母しかいなかった。しかし、母は去年、病に倒れた。私は学校帰りに病院へ見舞いに行く事が日課になった。母は、毎日来る私を笑顔で出迎え、いつも通りに接した。そのせいで、私は油断してしまった。母の病が、難病と言われている事を忘れてしまっていた。

「ねぇ!待ってよ…私を置いて逝かないで…」
「ごめんね…アイネ…ずっと一緒に…いてあげられなくて…」
「お母さん?お母さん!?お母さん!!」

母は病気になってから、数ヶ月で帰らぬ人となった。私は何の反応も示さなくなった、母の亡骸を前にして、泣き叫んだ。その時は雨が降っていて、まるで、自分の心を表しているかのようだった。

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あれから、丁度一年経った。今は梅雨時で、雨が降っている。雨の音を聞くと、あの頃を思い出して、虚しくなる。でも、泣く事は出来ない。我慢しているとかそんなのではない。本当に泣けないのだ。あの時に、私の涙は枯れてしまったのだろう。
ああ…死にたい。こんな苦しんで生きていくなら、いっそ死んでしまったほうがマシなんじゃないだろうか。もう、今日死んでしまおうか。善は急げと言うだろう?










その日の放課後、私は屋上へ行った。まだ、雨が降っている。しかし、そんな事はこれから死ぬやつには、関係のない事だ。私は雨でずぶ濡れになりながら、塀の上に立つ。やっと、楽になれる。やっと、母のもとへ行ける。私の体はどんどん斜めになり、足が浮いた。飛んだのだ。私は飛んだのだ。
そして、数秒後に、体に衝撃が走り、私の意識はなくなった。

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目覚めると、そこは白一色でまとめられた個室だった。私はベッドの上に寝かされていた。体には包帯が巻かれ、腕に点滴が打たれている。
失敗した。私は失敗したのだ。生き延びてしまった。
外は雨が降っている。
ああ…今日は








どう死ようか…
雨が降ると何だか憂鬱になりませんか?
でも、簡単に死んでしまうと、後悔するし、苦しみながら生きるのも、またしんどい。
そこら辺が難しいんですよね。

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