雨のち迷子

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作者:NIKUNの本棚
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読了時間目安:31分

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

始めまして、NIKUNと申します。
この作品が私の処女作になります。
まだ文章力も乏しく至らない点も多くございますが、
それでもよろしければぜひ読んでいってくださいね・・・!
とある森の入り口。
この森にはほとんどイーブイ系のポケモンしか住んでいないという異色の森。
そのうわさを聞いてか、イーブイをエサとするポケモン、イーブイマニア、密猟者が訪れることは少なくない。
だが、その森に入れたものはここ数年で聞いたことが無いという。戻って来れたが、手持ちのポケモン、身体の一部を失ったものは多く、最悪、命を落とすという話しも聞く。
今日もまた、森に訪れ、そして命を落とそうとしているポケモンが木にもたれて涙を流している。
「止めてくれ。俺の命だけは・・・。もう俺の仲間はお前らに・・・っ」
電撃傷と凍傷でボロボロになった一匹のポケモンが命乞いをしている。
そこに近寄る薄緑のサンダース。返り血で染まり冷たい視線を浴びせる。
メロンソーダ「・・・仲間。な。・・・アンタはその仲間ほっぽり出して逃げた。でも逃げそびれてこれから俺に喉仏喰い千切られて死んでいくわけだ・・・。アンタ等が俺達の仲間にしたようにな。」

メロンソーダ。
森の番人をしている色違いのサンダース
主に悪さをしにやってきたポケモンや密猟者を追い払う役を担っている。
戦闘能力は飛びぬけて高いが、残虐性も高く、ずっとどこかを彷徨っているような目をしている。

獲物を狩る目ではなくどこか迷っていて、この状況を楽しんでいるかのような目を。
「嫌だ。まだ死にたく・・・。」
メロンソーダは喉仏に喰らい付きそれを一気に千切り取った。
メロンソーダ「・・・うるせぇ。汚い声で喋るな。」
喰らい千切った喉仏を地面に捨て、動かなくなった肉と骨の塊をじっと見つめる。
メロンソーダ「はぁ・・・。こんなもの。後いくつ見れば良いんだろうな。」
吐いたため息は何にも届くことなく、雨音に消えてゆく。
メロンソーダの後方からゆっくりと近づくひとつの足音。
ビクリと身体が動き足音のほうを向く。
そこには返り血で染まったメロンソーダを見つめるグレイシアが一匹。
ブルーハワイ「あんたさ・・・やりすぎだよ・・・。仲間が沢山やられちゃって悔しいのはわかるけどさぁ・・・。」

ブルーハワイ。
メロンソーダと共に森の番人をしている。
主に攻撃支援、逃げそびれたポケモンの避難誘導を担っている。
メロンソーダと反対にとても元気で希望に満ちた目をしている。
心臓が弱く、あまり激しい行動は出来ない。

メロンソーダ「さっきの奴と寝てろって言っただろ・・・。ペッ。」
口に残った破片を吐き出し、ブルーハワイの来た方向に歩き出す。
ブルーハワイ「ちょっと!せめて埋めてあげないと!」
ブルーハワイがメロンソーダに殺められた亡骸に触れようとする。
メロンソーダ「触るんじゃねぇ。気分が悪りぃ。帰るぞ。」
ブルーハワイは小声で「ごめんなさい。」とつぶやき速足でメロンソーダを追う。
滑りやすい獣道を無言で歩く。聞こえるのは寂しげな足跡と何かを迷っているような足音そしてそれをかき消さんと鳴り響く雨音。
無言に耐え切れなくなたのか、ブルーハワイが口を開く。
ブルーハワイ「ねぇ、メロン。どうして簡単に、ポケモンや人間を殺せるの?・・・あたしはいつも追い払うだけで良いって・・・。」
ブルーハワイの問いに対しメロンソーダは口を開かずにただただ歩き続けている。
ブルーハワイ「答えてよ・・・。」
メロンソーダは耳を貸さず黙り込んだまま歩く
ブルーハワイは立ち止まり――
ブルーハワイ「答えなさい!この単細胞!」
と大声を上げる。メロンソーダはその声にも脚を止めることは無かったが、口を開き、
メロンソーダ「気に入らねぇんだよ。俺らをエサにしたり見せ物にしようとしてる奴らが。お前だって散々見てきただろ。
目の前で喰われた奴、毛皮を持っていかれた奴、嫌々連れて行かれて戻ってこなくなった奴。俺はもう見たく無いんだよ。
だったらここに来ても良いことなんかひとつも無いって、奴らに見せ付けるしか。」
メロンソーダの黒く歪んだ目が一瞬赤く光る。
その殺気を感じてか、ブルーハワイは「そうだよね。」といったままもう一度歩き出す。
《ガサリ》
と草むらから音がして二匹の身体がビクリとし音がしたほうを向く。
メロンソーダ「・・・まだ生き残りが居たのか。」
といつでも襲い掛かれるように身構えるが、ブルーハワイが物音のほうに歩き出す。
メロンソーダ「おい!生き残りだったらどうするんだよ。」
とブルーハワイを止めようとするが、
ブルーハワイ「メロンはそのまま待ってて、あんたこそ、イーブイだったらどうするの?」
と草むらの中に入り、ガサガサと物音の主を探し始める。
ブルーハワイ「出ておいで~・・・あたしは怖くないよ~・・・。」
と木の枝を前脚で持ち辺りと突いてみると、草むらからロコンが飛び出しメロンソーダのほうへ走ってゆく。
メロンソーダ「っ!」
と反射的に前脚を振りかぶるが、ロコンの姿捉え叩き付けようとした前脚を止める。
メロンソーダを見てかなり怯えているロコン。ずっとメロンソーダを見つめたまま動かなくなってしまった。
ブルーハワイ「ロコン・・・?この辺りで見るのは珍しいね。」
ブルーハワイがロコンに近寄ると、ロコンは近づいてくるブルーハワイに抱きついた。
ロコン「グレイシアのお姉ちゃん助けて。あのサンダース怖いよ・・・。」
ブルーハワイは抱きついてきたロコンの頭を撫でながら
ブルーハワイ「怖がらせてどうするのよ・・・。ごめんね~あのお兄ちゃん今はあんなに怖いけど、ホントはやさしいんだよ~?」
と優しくロコンに声をかける。
ロコン「本当なの・・・?」
怯えた声で訊くロコンに対し、メロンソーダは
メロンソーダ「優しくなんか無い・・・・・・。俺は優しくなんかなれない。」
と言うとそのまま俯く、その姿にロコンは何かを感じ取ったのか、首を傾げている。
ブルーハワイ「まぁ・・・いいや。メロンの事は置いといて・・・君、お家は?」
ブルーハワイがロコンの家を訊くとロコンは
ロコン「わたしのお家?分からない・・・。おさんぽしてたら、お母さんとはぐれちゃったんだ・・・。どうしよう・・・。寒いよ・・・お腹空いたよ・・・おかあ・・・・さん。」
と寂しげな顔をして泣き出してしまう。
ブルーハワイ「あぁ!だ、大丈夫!あ、あたし達がお母さんのところまで連れて行ってあげるからね・・・?だから泣かないで?ね?・・・って寒いのってあたしの所為・・・?」
と慌ててロコンを泣き止ませようとする。するとロコンはブルーハワイの顔を向き、
ロコン「本当に?本当に一緒にお母さんのこと探してくれるの?!」
とキラキラとした目でブルーハワイを見つめる。
ブルーハワイ「うん!お姉ちゃんとあのお兄ちゃんに任せておいて!」
メロンソーダ「俺はいかねぇ。別に迷子の一匹、二匹、ほっといても何とでもなる。」
と慈悲の無い言葉を吐き捨て歩き出す。
ブルーハワイ「じゃあ良いよ!あんたにはもう頼らないから!フンっ。」
と歩いて帰ってゆくメロンソーダにそっぽを向き。
ブルーハワイ「アイツの事は放って置いて、探しに行こっか。」
とロコンに微笑む。それを見たロコンも、安心したのか、ブルーハワイの顔を見て笑顔になる。
ロコン「うん!ありがとう!お姉ちゃん!」
ブルーハワイ「えへへ。じゃ、じゃあ出発!」
と張り切った様子で草むらのほうへ歩き出す。
メロンソーダ「・・・・。」

少し歩いたところで、ブルーハワイは何も分からないまま歩いても自分まで迷って取り返しのつかないことになってしまうと思い、ロコンの事について色々と聞くことにする。
ブルーハワイ「ロコンちゃんは、どんなところに住んでるの?」
と訊くとロコンは
ロコン「ポケモンが沢山いて、木が沢山あって、お母さんがいるところ!」
と、全くロコンの家へのヒントにはならないが、子供だから仕方ないかと思い
ブルーハワイ「そ、そっかぁ・・・。ポケモンが沢山いるんだね?お母さんはどんなポケモン?」
ロコン「お母さんはね、キュウコンなんだよ!それでね。お母さんはね。すっごい優しくてね、すっごい強いんだ!わたしもお母さんみたいになるんだ!」
と母のキュウコンについてとても嬉しそうに話すロコンに、ブルーハワイなんだか胸がほっこりとしてしまう。
ロコン「お姉ちゃんのお母さんはどんなポケモンなの?」
と笑いながら訊いてくるロコンに
ブルーハワイ「あたしのお母さん?・・・そうだね。あたしのお母さんは、リーフィアで、頭が良くって、よく、あたしに人里についてお話ししてくれたんだ。でも、あたしがイーブイのころ・・・いや。今はお空の上から見守っていてくれるんだよ?」
と何処か淋しそうだが、ロコンを心配させまいと必死に笑顔を作りロコンに話す。
ロコン「そうなんだ!じゃあお姉ちゃんのお母さんはいつも見ててくれるんだね!」
ブルーハワイ「う、うん!やっほー!お母さん!」
と空に向かって話しをかける。
ロコン「お姉ちゃんのお母さん、なんていってるの?」
と、ロコンも空を見上げて
ブルーハワイ「う~ん、元気?だって、あたしは元気だよ!」
もちろん、雨音しか聞こえていないが、ロコンのことを楽しませようと必死にロコンに合わせる。
ブルーハワイ「・・・ママ。」
と小声でつぶやく。

《ガサッ》
とどこかから音がする。木の間を何かが通り抜けたようだ。
ブルーハワイ「・・・?なんだろう。今の・・・」
と一度立ち止まりうろうろと辺りを見る。
ロコン「お姉ちゃ・・・」
ブルーハワイ「しっ・・・静かにしててね・・・。」
ロコンをその場で座らせ、不安にならないように笑いかける。
《ガサッ・・・!》
と別の場所からも音がしてブルーハワイの身体から冷気が出始める。
ブルーハワイ「誰?何処にいるの?」
ロコン「お姉ちゃん・・・?怖いの?」
ブルーハワイの身体は震えていた。
いつもはメロンソーダと戦闘をし、ブルーハワイだけで戦ったことがない。
ブルーハワイ「だ、大丈夫だよ!あ、あたしは怖くなんか無い!」
すると、草むらの中から5頭のグラエナが飛び出してきた。
ブルーハワイ「えっ・・・嘘。」
ロコン「お、お姉ちゃん!」
グラエナの群れに怖がりブルーハワイの前脚に隠れるロコン。
ブルーハワイ「だ、大丈夫!あたしの下に入って隠れて・・・!」
とロコンのことだけは助けようと身体の下にロコンを隠すが、心の中では
「誰か助けて・・・。これじゃあ共倒れになっちゃう。」
と思っている。そのせいか、身体の震えがさらに大きくなってゆき。
「なんだよ、こいつ、威嚇してるくせに震えてやがるぜ?」
とブルーハワイと取り囲み笑い始めるグラエナ達
「どうする?喰っちまうか?」
「いや、下のロコンはここで喰って、あのグレイシアは帰ってからゆっくり喰わないか?」
と震える身体を抑えて
ブルーハワイ「あたしたちはアンタたちのエサなんかじゃないっ!かかって来なさい!この単細胞!」
とグラエナ達に舐められないように挑発する。
「何だよこいつ。まずはお前から喰ってやるよ!」
と一匹のグラエナがブルーハワイに飛び掛る。
それに合わせ、別のグラエナも襲い掛かる。
ブルーハワイoO(震えて脚が動かない・・・どうしよう・・・)
とブルーハワイの横を何かが掠める。
それはグラエナの目に命中し、グラエナが痛みにもだえ始める。
「ぐあぁあ、な、なんだよこれ・・・。」
とそれを見たグラエナが怯み、立ち止まる。
そして、雨と共にブルーハワイとロコンの周りの地面ににミサイル針が突き刺さる。
ロコン「これ、サンダースのお兄ちゃん?」
ブルーハワイは目を開け「え?」と上を見る。
すると上からメロンソーダが飛び降りてくる。
メロンソーダ「何怯えてんだよ。もう少しで殺されるところだったじゃねぇかよ・・。」
とブルーハワイの横に着地し。目を穿ったグラエナに近づく。
メロンソーダ「アイツらに近づくんじゃねぇ、次、近づいたら、俺がその喉仏食いちぎってやるからな・・・?」
と刺さった針に圧を加えながら。
「わ、わかった・・・だからこれ以上は止めてくれ」
メロンソーダ「あっそ。」
と強引に目に刺さった物を抜く。
メロンソーダの殺気を感じてか、ほかのグラエナ達はブルーハワイ達に手をさすことは無く、そのまま木の間に逃げてゆく。
メロンソーダ「殺しては無い。生きて返したぞ。」
とブルーハワイの方を向いてポツリと言う。
ブルーハワイは安心して力が抜けたのか、その場に崩れ落ちて
ブルーハワイ「ありがとう・・・・あたし、もうだめかと・・・。」
と震えながら言うと
メロンソーダ「早く立て。そいつの家見つけるぞ。」
とブルーハワイの顔を見ないまま来た道を戻ってゆく。
ブルーハワイ「そっちじゃないよ・・・。」
ブルーハワイがそういうと、メロンソーダは「そうなのか。」と言って反転し、
ロコン「サンダースのお兄ちゃん、ありがとうね!」
と言ってロコンはメロンソーダの隣を歩く
ブルーハワイ「ちょ、ちょっと待って!置いて行かないでよ!」

しばらく歩くとロコンが
ロコン「サンダースのお兄ちゃんはどうしてそんなに強いの?」
とメロンソーダに尋ねる。メロンソーダは「黙れ。」と言って小声で言い、早歩きで歩いてゆく。
ブルーハワイ「ちょっと!それはひどいんじゃ・・・げほっ・・・。もう少しやさしくしてあげて・・・。」
ブルーハワイは咳をしてその場で立ち止る。
ロコン「お姉ちゃん?大丈夫?」
とロコンが心配してブルーハワイの方を見ると顔が赤くなっている。
ブルーハワイ「だ、大丈夫だよ・・・ほら・・・おいていかれちゃ・・・。」
《バタリ》
その場でブルーハワイが倒れてしまう。げほげほと咳をして息がかなり荒くなっている。
ロコン「お姉ちゃん!大丈夫?!ど、どうしよう・・・!サンダースのお兄ちゃん!お姉ちゃんが倒れちゃったよ!」
メロンソーダは足を止めて倒れたブルーハワイを見て
メロンソーダ「はぁ?・・・全くどこまで面倒かけさせる気なんだよお前は・・・。」
ブルーハワイに駆け寄り額に触る。高熱が出ているようで、グレイシアではありえない体温になっている。
メロンソーダ「全く。風邪を引く氷タイプなんでどこの世界に居るんだよ・・・。何処か雨宿りできる所は・・・」
とブルーハワイを担ぎ上げ背中に乗せる。
ブルーハワイ「はぁ・・・はぁ・・・・。ごめん・・・ねぇ・・・。」
メロンソーダ「黙って寝てろ・・・。耳元で喋られるとくすぐったくてたまらねぇ。」
と何処か雨宿りできる場所を探していると、ロコンが小さな洞窟を見つける。
ロコン「お兄ちゃん!あそこはどう?」
と前脚で洞窟の方を指しメロンソーダを誘導する。
メロンソーダ「仕方ないな・・・。止むまで少し待つか・・・。」
と洞窟に急いで向かい、中に入る。ブルーハワイを降ろす。
メロンソーダ「これじゃ当分動けないな。。。全く止みそうにねぇ。」
ロコン「サンダースのお兄ちゃん、お姉ちゃん、元気になる?」
と不安げな顔でメロンソーダに尋ねる。
メロンソーダ「あぁ。静かに寝てれば元気になる。」
ロコン「うん!じゃあ静かにしないとね。早く元気になってね。」
とブルーハワイにやさしく静かに声をかけ、洞窟の入り口から外を見るメロンの隣に座る。
ロコン「雨、止まないね。」
メロンソーダ「・・・止まないな。・・・俺の事は良いからアイツと寝てろ。」
ロコン「お姉ちゃんが早く元気になるように静かに寝かせてあげるの!だから、わたしはお兄ちゃんの隣でお休みする!」
と無邪気な笑顔を浮かべるロコンに負け
メロンソーダ「・・・勝手にしろ。」
と一言。
ロコン「うん!じゃあ、わたしも寝ちゃうね!」
メロンソーダの近くで丸くなり寝てしまう。
メロンソーダ「・・・はぁ。ガキの相手は苦手なんだ・・・。」
一人雨音を聞きながら前脚についた血を見る。ふと思い返すと。この「番人」と言う役割を始めてから、ずっと何かを殺めてきた。自分が嫌になるほどに。いつか。こんな自分を喰らい殺して、それを最後に殺し屋なんて異名、捨ててやりたい。ただ、自分の住む森を安全にしたいだけで、自分は殺しなんかしたくないんだ。でも。そう考えれば、考えるほど。血を見て断末魔を聞いてしまう。いつの日からか、その断末魔が、血のかかる生ぬるい感覚が、快感へを変わり始めてしまっている。
メロンソーダ「・・・クソッタレ。」
と一言呟くと、ブルーハワイの元に行きもう一度額に触れる。息もまだ荒く、顔も赤みが増している。
メロンソーダ「・・・。まだ治るワケ無いよな。」
と入り口を覗きに行こうとすると、ブルーハワイに「待って。」と呼び止められる。
ブルーハワイ「・・・メロン、さっきから肩の力入りっぱなしでしょ・・・?たまには力抜いて休んだら・・・?」
と咳をしながら言うブルーハワイに
メロンソーダ「余計な心配しなくて良い。ひとまず雨が止んだらあいつの家を探す事になる。そうしたらお前が治ってなかろうがでる事になる。俺が担いでは行くが・・・それまで休んでおけよ。」
とブルーハワイに気を使わせないために、不器用ながらもゆっくり休んでくれ、と伝える。
ブルーハワイ「うん。ありがとう。どっちにしろ、もう暗くなっちゃうから、寝れそうなときには寝ておきなよ?さすがのメロンも、今日は疲れたでしょ?」
メロンソーダ「・・・あぁ。」
と言うと洞窟の入り口に戻ってゆく。外はもう暗くなり始めたにもかかわらず、まだ雨や止まない。
《ギュルルル・・・。》
メロンソーダ「そういえば、腹減ったな・・・。と言ってももうこんな夜じゃ何も取りに行けねぇか・・・。我慢するか・・・。」
お腹が鳴るが二人を置いて食料を取りに行くことも出来ず、そのまま我慢して目を瞑る。
メロンソーダ「・・・。」
《ねぇねぇ、君、なんて名前?あたしはブルーハワイだよ!》
《・・・メロンソーダ?》
《メロンソーダ?なんだかおいしそうな名前だね!・・・じゃあメロン!》
《違うよ。僕はメロンソーダだよ。》
《呼びやすいように呼んでいいの!あたしのことも短くして呼んでもいいからね!》
《う、うん。てか帰ってよ。》
――夢・・・?イーブイの時の俺と、ブルーハワイ?――
《お兄ちゃん、お兄ちゃん!》
「おにいちゃん!」
メロンソーダ「ん・・・。」
ふと目を開けると、もう雨は止んでいる。真っ暗のはずの洞窟は月の光で照らされている。
ロコン「サンダースのお兄ちゃん!お星様一杯だよ!一緒に見ようよ!」
空を見るとロコンの言うとおり空には満点の星が輝いている。
ロコン「きれいだね!」
メロンソーダ「あぁ。きれいだな。」
と空を眺めていると、まだ熱の下がりきらないブルーハワイが歩いてくる。
ブルーハワイ「ホントにきれいだね。」
メロンソーダ「おい、まだ寝てろよ。明日に応えるぞ・・・。」
ブルーハワイ「大丈夫。すぐ寝るから。・・・メロン。その目・・・。」
ブルーハワイがメロンソーダの目を視ると、それは今まで視た事が無い。
透き通って鮮やかな、青緑色をしていた。メロンソーダはそれに気づいていない為、
ブルーハワイを不思議そうな顔で見ながら
メロンソーダ「お前。やっぱりまだ寝てたほうが良い。俺の目ん玉なんかみても汚いのが移るだけだぞ。」
と言うとロコンは
ロコン「お兄ちゃんの目、お星様みたい!すっごくきれいだよ!明日は良いことありますように!」
メロンソーダ「や、やめろよ・・・。俺に願うんじゃなくて、お星様に願うんだ。」
と空を指差してからロコンの頭をぽんぽんと撫で、
ブルーハワイ「な~んだ。良いところあるじゃないの。お兄ちゃん。」
とブルーハワイが冗談を言ってメロンソーダを弄ると、すこし顔を赤くして
メロンソーダ「や、やめろってば・・・。雨は止んでる。明日朝早くには出るからな・・・?もう寝るぞ。」
と言い洞窟の中に戻ってゆく。そのまま身体を寄せ合い眠りにつく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。

朝になり、メロンソーダが目を覚ます。ロコンがメロンソーダのお腹を、ブルーハワイが太ももを枕にしてしまっている為、身体が動かせない。ブルーハワイの顔は赤みが引ていてすやすやと気持ちよさそうに眠っている。
まだ日が昇り始めたばかり。もう一眠りするかと、そのままもう一度目を閉じる。

「メロン。もうお昼になるよ。起きて。」
《メロン!もうお昼になるよ!まだ寝てるの?》
ブルーハワイ「メロン!・・・もう。いつまで寝てるの?朝早く出発するって言ったのはメロンでしょ?」
とメロンソーダが目を開けるとすでに太陽は真上に昇っている。
ブルーハワイはメロンソーダの事を揺さぶっている。
ロコン「お兄ちゃんおはよう!よく寝てたね。」
メロンソーダ「あぁ、おはよう・・・。」
とまだ少し夢見心地のまま立ち上がる。
ブルーハワイ「あんた。なんか表情が柔らかくなったね。なんか良い夢でもみたの?」
とブルーハワイに聞かれるが、断片的にしか覚えておらず。メロンソーダは「知らん。」と一言いいそのまま乾いた血のついた前脚を近くの水溜りで洗い流す。
雨に打たれ、返り血のほとんどが洗い流されている。前脚の血を洗い流すと、
「・・・行くか。」と呟き洞窟を後にする。
ロコン「うん!お姉ちゃん、行こう!」
と満面の笑みを浮かべ、ブルーハワイの顔を見る。それを見て、ブルーハワイも笑い返し、
ブルーハワイ「うん。いこっか。」
と言ってメロンソーダのあと追う。

水溜りの上を歩いてゆく3匹。メロンソーダは昨夜の晩からなぜか心が軽く、ワケのわからない迷いが消えている。
どうしてだろうか考えるが、全くわからず。「まぁ、いいか。」と心の中で呟き。ロコンを見る。
ロコン「お兄ちゃん、怖くなくなったね!」
メロンソーダ「そうか・・・?俺は変わってないぞ・・・。」
ブルーハワイ「確かに、なんだかいつものメロンじゃないね。なんか楽しそう?」
メロンソーダ「わからん。なんか、心が軽いんだ。いつもより空が明るく見える。何でだろうな・・・。」
ブルーハワイは、すこし考え、メロンソーダの目を見て
ブルーハワイ「何でだろうねぇ。ちょっとやさしくなれたんじゃないかな。命に触れて、命を知ったのかな。」
《ガサリ》
また草むらの中から音がする
メロンソーダ「っ・・・このにおい・・・。昨日の・・・。」
ロコンはブルーハワイに張り付き震えている。
メロンソーダがあたりを警戒していると。草むらの物音はさらに大きくなってゆく。
《ガサッ、ガサガサ・・・》
と片目を閉じたグラエナがメロンソーダの前に飛び出したきた。
「昨日はよくもやってくれたな?気取り屋君。しっかりお返ししに来たぜ?」
と殺意に満ちた目でメロンソーダを威嚇する。
メロンソーダ「・・・・。」
ブルーハワイがあたりを見ると、周りを大勢のグラエナに囲まれてしまっている。
ロコン「お姉ちゃん・・・」
ブルーハワイ「大丈夫。お兄ちゃんとあたしが居るからね・・・。メロン。囲まれてる・・・。あたしも手伝うから、急いで倒して・・・。」
メロンソーダ「待て。俺に任せろ。」
と、目の前のグラエナへと近づいてゆく。
メロンソーダ「昨日も言ったが、次こいつらに手を出したら、俺はお前の喉仏を喰い裂くって言ったよな・・・?俺は、できればそんな事をしたくない・・・手を引いてくれないか・・・?」
と普段なら、殺意を感じた途端に相手に襲い掛かるメロンソーダだったが、どうしてかそんな気が起きなくなっている。
「何だ?怖気ついてるのか?番人様も落ちたねぇ・・・。じゃあロコンかグレイシア、どっちかを渡せ。それで許してやる。」
ブルーハワイ「誰がそんな・・・!」
「黙ってろよ。お嬢さん?」
と一匹のグラエナがブルーハワイを地面に押さえつける。
メロンソーダ「ブルーハワイ!」
ロコン「お姉ちゃん!」
「どうする?そのままアイツを俺らに渡しちまうか?はぁっはっはっは」
と片目のグラエナが笑うと周りグラエナもメロンたちを嘲笑し始める。
メロンソーダ「・・・。俺はもう誰も殺したくねぇ。また、殺し屋に戻る前に、手を引けつったんだ。」
と身体は電気を帯び始め、少し力むと、ブルーハワイを押さえてつけていたグラエナの脳天を雷が命中する。そのグラエナが失神し地面に倒れる。
「っ・・・!」
メロンソーダ「なんだ?怖気ついたか?グラエナさんよう。どうする?俺の仲間を置いておとなしく木の実でも食ってるか。それともここで全員皆殺しにされるか・・・?」
メロンソーダの目はその透き通った目を保ったまま瞳孔が赤くなっている。
その目を見て恐怖を感じたのか、
「・・・・お前ら、退くぞ。」
と片目のグラエナが言うと周りのグラエナもその場を後にして草むらに逃げてゆく。
ブルーハワイ「メロン・・・どうしたの?いつもならすぐに喉仏食いちぎってやるって飛び掛るのに。」
と何処かうれしそうに訊くと、メロンソーダは
メロンソーダ「お前が殺すなって言ったんだろ・・・。早く行くぞ。」
と言って再びまっすぐに歩いてゆく。
ロコン「おにいちゃん!まって!」
とロコンがメロンソーダの隣を歩きそれを見るメロンソーダを見て
ブルーハワイ「命の尊さを知ったんだね。」
とうれしそうにメロンソーダを追いかける。
ブルーハワイ「二人とも待ってよっ・・・げほっ、げほ・・・。」
メロンソーダ「あぁ・・・わりい・・・。」
とブルーハワイの顔をみて申し訳なさそうに謝る。

しばらく歩いていると、少し開けた場所に出る、メロンソーダが辺りを見回すと、
そこには、一匹のキュウコンの姿が見える。
ロコン「あ!おかあさん!」
とロコンがキュウコンのほうに駆け寄ってゆく。
ロコン「おかあさん!」
母キュウコン「あ!どこに行ってたの?!心配したじゃないの。」
とキュウコンはロコンのことをぎゅっと抱きしめる。
ロコン「あのおにいちゃんとお姉ちゃんが助けてくれたんだよ!・・・あれ?」
と後ろを指すが、二人の姿はどこにも無い。
母キュウコン「うん・・・?」

メロンソーダとブルーハワイは、もう既に来た道を戻っていた。
ブルーハワイ「よかったの?お母さんに顔見せなくて。」
メロンソーダ「お前こそ、よかったのか・・・?」
ブルーハワイ「あたしはあんたを追っかけてただけだよ。折角なら、お母さんと離してみたかったなぁ。」
と喋りながら歩いていると後ろから走ってくる足音が聞こえそちらの方を向く。
すると、キュウコンとロコンが二人を追って走ってくる。
母キュウコン「うちの娘を見つけたいただいて、ありがとうございました!」
と深々と二人に頭を下げる。
ロコン「おねえちゃん、おにいちゃん!ありがとう!」
とロコンはうれしそうにメロンソーダとブルーハワイの前脚に順番に抱きつき、
母キュウコン「つまらないものですが、よろしければ、これ、持っていってください。」
と尻尾のかけていたかご一杯の木の実をブルーハワイに渡す。
ブルーハワイ「い、いいんですか?!じゃ・・・」
メロンソーダ「ブルーハワイ・・・。」
と舞い上がるブルーハワイを沈め、かごの中から二つの木の実を取り出し。
メロンソーダ「これだけで良い。あとはその子と食べてくれ。」
と言いその場を後にする。
ブルーハワイはキュウコンに頭を下げロコンに手を振ってその場を後にする。
母キュウコン「ありがとうございました。じゃあ。帰りましょ?」
ロコン「うん!」
二人は立ち止まり。親子並んで歩いてゆくキュウコンとロコンを見えなくなるまで見届ける。
ブルーハワイ「あんた、どうして木の実2つしかもらわなかったの?・・・?!」
とブルーハワイがメロンの方を見ると顔がかなり赤くなっている。
メロンソーダ「・・・重いから・・・これじゃ運べないし。。。落としたらもったいない。。。だろ。」
とブルーハワイの風邪が移ってしまったようだ。
ブルーハワイ「ちょっと!ひどい熱じゃないの!早くあたしの家帰るよ!」
メロンソーダ「無理、断る・・・。げっほげほ・・・。」
ブルーハワイ「だめ!あんたどうせ無理して仕事しようとするんだから!」
と引っ張られて二匹はその場を去ってゆく。

・・・・それから2年後の事。
とある森の入り口。
この森にはほとんどイーブイ系のポケモンしか住んでいないという異色の森。
そのうわさを聞いてか、イーブイをエサとするポケモン、イーブイマニア、密猟者が訪れることは少なくない。
だが、その森に入れたものはここ数年で聞いたことが無いという。
みんな怖いものを視たような顔をしておびえながら逃げていくと言う。
昔は死者や重傷なものが多くでたと言うが今は無傷、軽傷のものだけだという。
その森の中には、二匹の番人が居る。

今日もまた、その番人は森の入り口を守り終え、家に帰ってゆく。
ブルーハワイ「うーん・・・今日もお仕事おっしまい!メロン、お疲れ様!」
ブルーハワイ。
森の番人をしている。
主に入り口近くの偵察、ポケモンの避難指示を担っている。
現在は色違いのルガルガンと結婚している。

メロンソーダ「あぁ。お疲れさん。」
メロンソーダ。
ブルーハワイとともに、森の番人をしている。
主に、悪さをしに来た人間、ポケモンを追い払う役目をしている。
昔は残虐性が高く、返り血を毎日浴びていたが、ある日を境に、
入ってきたものを殺す事はなくなったという。
その目は透き通って鮮やかな青緑色の目をしている。

ブルーハワイ「じゃあ。帰ろっか。」
と二人並んで帰り道を歩いてゆく。
そして、少しの沈黙の後ブルーハワイがメロンソーダに
ブルーハワイ「ねぇねぇ、今日、あたしの家でご飯食べていかない?」
と訊くとメロンソーダはブルーハワイの目を見て
メロンソーダ「良い。家帰って寝る。」
と無愛想に返す。
ブルーハワイ「ちょっと、たまには食べていきなさいよ。折角誘ったのに。」
メロンソーダ「はぁ・・・。旦那が居るのに悪いだろ・・・。あきらめろ・・・。」

《ガサリ》
と、突然草むらから物音がし、そちらを見る。
すると一匹のポケモンがゆったりと二人の元へ歩いてゆき
「お二人とも、おひさしぶりですね?」
ブルーハワイ「もしかして・・・あの時の・・・?!」
メロンソーダ「・・・久しぶりだな。」


おしまい。
いかがでしたでしょうか。
書き終わったときに気づいたのですが。
投稿日の6月5日は「ロコンの日」なんですね笑
狙ったわけではなく、偶然で驚いてしまいました笑
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!
本当に初めてだったので、怪しい部分があるかもしれませんが、
温かい目で見てやってください笑
ではまたお会いできる日を・・・!

NIKUN

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