雲間

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作者:早蕨
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本文冒頭

 ビルの屋上のフェンスにもたれかかりながら、たくさんの人が行き交う姿を見下ろしていた。公園の滑り台の下をウロウロしている蟻達のように、僕の見下ろす先には人間やポケモン達がいる。ヤマブキシティに住む人達は、皆忙しそうだ。毎日毎日せかせかと町をかけまわっている。そんな様子を見ていると、こっちまで疲れてしまい、ため息をつきたくなって、ふう、と息を吐く。漏れたのは息だけか。あとは、なんだろうな。そんな風に、なにとなく空を見上げる。地上を窮屈にする薄暗い灰色の雲が、町を覆っていた。
 静かで、何もない。この町にお似合いな車のエンジン音と風の音だけが聞こえる。それでも、この町の風はやはり少しだけ急いでい......

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