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本文冒頭
「よう。まだ生きてやがったか」
白い景色。雪原の中、台地の上に立ち、黒い背中を向けていたそいつは、こちらの気配に気が付くと、ゆったりと振り向いてそう言った。強い風雪などお構いなしと言いたげな、昔と変わらないニヒルな笑顔だった。
何が、まだ生きてやがったか、だ。お前の方が、よっぽど死に近い生き方をしているんだろうに。そんな悪態の一つ二つでもついてやるのが、昔は友誼の証明だったし、今でもきっと向こうはそんなつもりでいる。
けれど、そうはしなかった。
「変わらんな、お前は」
そう言って、俺はアシガタナを引き抜いた。
「違うね。変わっちまったのは、オマエの方さ」
そう言って、そ......
白い景色。雪原の中、台地の上に立ち、黒い背中を向けていたそいつは、こちらの気配に気が付くと、ゆったりと振り向いてそう言った。強い風雪などお構いなしと言いたげな、昔と変わらないニヒルな笑顔だった。
何が、まだ生きてやがったか、だ。お前の方が、よっぽど死に近い生き方をしているんだろうに。そんな悪態の一つ二つでもついてやるのが、昔は友誼の証明だったし、今でもきっと向こうはそんなつもりでいる。
けれど、そうはしなかった。
「変わらんな、お前は」
そう言って、俺はアシガタナを引き抜いた。
「違うね。変わっちまったのは、オマエの方さ」
そう言って、そ......