揺蕩う煙に包まれて

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作者:CoLor
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本文冒頭


 気がつくと、俺は白黒映画のような色味の、見覚えのある石造りの街に何も持たずに立っていた。窓はあるが、どの建物にも扉は見当たらないような、そんな街。
 どこで見たのか、ここがどこなのか、それはまるで分からないが、とにかく見覚えはあった。

 色々なものにモヤがかかったような頭のまま、辺りを見回す。

 不思議なことに、人の姿は見当たらない。それどころか、生き物の気配というものすら感じられない。大きな街で太陽が上がりきっているというのに、妙な話である。

 よくは分からないが、とにかく歩くことにした。歩けば何か見つかるという、どこか確信めいた判断。ただ、歩くのは目の前に見える大......

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