猫に小判

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作者:雪椿
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あらすじ

この技は俺に一番寄り添っているようで、実は一番嗤っているのかもしれない。

本文冒頭

 家でのんびりごろごろしているニャースが羨ましい。俺もできるのならそっち側に行きたかった。何度目かわからない羨望を胸に、俺は会社を出た。行きは軽やかだった足取りは重い。まるでトリックルームを使われたかのようだ。
「……はあ」
 トリックルームの仕掛け人――不採用の言葉と共に突き返された履歴書を片手に、一人家へと急ぐ。これで一体何十度目の「不採用」だろう。今回落ちた原因は前回落ちた原因とほとんど一緒。どうやら俺は本音を建前で覆い隠すことがとことん苦手らしい。
 正直なのはいいことだが、それは時と場合によるだろう。全てが全て本音だけで成立していたら物事が上手くいくこともあるにはあると思う。そ......

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