本文冒頭
「あんたって子は、人前に出るなって何度言ったら分かるの!」
かつて夢幻ポケモン一番の淑女と名高かったラティアスとて、まったく親の言うことを聞こうとしない娘を前にすると、頭からツノを生やして雷を落とす鬼婆と化すのである。
海に囲まれた島、水の都と謳われる『アルトマーレ』に隠された、ここ『秘密の庭園』から穏やかな日々が失われて久しく、その渦中にはいつも小さなラティアスがいた。満月が彼方の海にくっきりと映るほど凪いだ夜に生まれた彼女は、その海のごとくお淑やかで美しく育つことを祈って、『ルーナメア』と名付けられたのだが、4歳を迎えた彼女の言動たるや、風のない日でも嵐を起
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