pyron 不明瞭なシルエット

本文冒頭

「とうちゃん、浜にほえっこがあがっとう!」
憎たらしくもかわいい息子(マキヒコっちゅうんだ)が狭い我が家を駆け、息を切らして飛び込んできた。
もうすぐ高校を卒業して街に行くのだと、方言を抑える練習をしていたのにこれだ。よほど興奮していたのだろう。

おう、とだけ応えて立ち上がる。ほえっこはホエルコのことだが、浜に打ち上げられることはそれほど特別なことではない。
だが俺たちの浜では初めての事であることは違いない。わかったような顔をしながら、俺も少し興奮しながら息子の後を追った。

 浜に着くと俺が舟

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