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あらすじ
《「うらみこえみらい」 その5》僕の選ぶべき道。
僕の望むもの。
僕は、なんて言おう?
これはもう一つの「声」の物語。
シリーズ
この作品はシリーズ「うらみこえみらい」に所属しています。
本文冒頭
僕はあの子に嫌われている。
放課後の図書室は静かでのどかだ。カウンター越しに閲覧テーブルのほうを見やると、窓からやわらかい西日が射している。何人か読書をしていたり自習をしていたりしているものの、人はまばら。僕は軽くひと息ついて手元の本に視線を戻した。
「おい」
と、すぐにもう一人のカウンター当番――チドリくんが脇腹を肘で小突いてきた。顔を上げると目の前には女の子が二人。薄紫色の髪を快活にかき上げた背の高い子と、その後ろにちょこんと、少しはねた緑髪の小柄な子。見知った顔に自然と笑顔になる。
「ナバナちゃん、アスミちゃん」
「図書委員おつかれ、テンジくん。それもポケモンの本?......
放課後の図書室は静かでのどかだ。カウンター越しに閲覧テーブルのほうを見やると、窓からやわらかい西日が射している。何人か読書をしていたり自習をしていたりしているものの、人はまばら。僕は軽くひと息ついて手元の本に視線を戻した。
「おい」
と、すぐにもう一人のカウンター当番――チドリくんが脇腹を肘で小突いてきた。顔を上げると目の前には女の子が二人。薄紫色の髪を快活にかき上げた背の高い子と、その後ろにちょこんと、少しはねた緑髪の小柄な子。見知った顔に自然と笑顔になる。
「ナバナちゃん、アスミちゃん」
「図書委員おつかれ、テンジくん。それもポケモンの本?......