崩壊石

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作者:雪椿
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あらすじ

あの言葉を言われた日から、彼はずっと石垣が崩れるのを見続けている。一番近くで聞こえる音の正体に、気付かない振りをしたまま。

本文冒頭

この作品には残酷表現があります。苦手な方は注意してください

 常村和人という男は一言で語ると「普通」で終わるような、印象らしい印象のない男だった。何かの集まりで行っても名前を確認されるまで「あ、そこにいたんだ」となるほど影の薄い人間だった。
 彼自身はそれを仕方のないことだと思い、特に何かを変えようとはしなかった。……否、変えることを諦めていた。
 始めの頃こそ、彼は幼少期から付きまとうそれを何とかしようとした。髪を染める、話し方を変える、服装を変える……。見た目から中身まで誰かの印象に残るようにと、とにかく変えに変えてみた。
 しかし彼がどれだけ努力を積み重ねても、返ってくるのはどれもこれも似たような言葉ばかり。

「髪を染めた? 言われる......

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