死が追い付かない場所で

作者:シガラキ

本文冒頭

「君の思うがままに――」



 ***


 アキヒトは真っ白な横開きのドアを静かに開けた。405号室。中にはポツンと一つの白いベットがあって、寝たきりの少女が窓の外を眺めていた。いつも通りの光景。アキヒトに気づいた少女は窓から視線をそらし、笑みを浮かべて歓迎する。

「いつもありがとうね」
「幼馴染の務めさ」

 アキヒトも応えるように笑って、静かにドアを閉めた。外ではポッポが群れをなして飛び交っている。その光景は彼女のパー

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