本文冒頭
登場キャラクタ
『大丈夫 君が生きる意味はちゃんとあるよ』
放課後寄り道した雑貨屋さんできれいな赤い石のネックレスを見ていたら、そんな歌の出だしが聴こえてきた。隣に居た同じ制服の子が友達と一緒にそれを口ずさみ始める。私は途端にスゥっと気持ちが芯から冷えてゆくのを感じて、棚に伸ばしていた手を引っこめた。
目の前で美しくきらめく石に対して自分はひとり、なんて不釣り合いで惨めなんだろう。そんな思いがにわかに頭を支配する。流れている曲はひとりでに軽快な盛り上がりをみせてゆき、隣の合唱もそれに続く。居たたまれない。
――私が生きる意味。ない
全文はこちらから