本文冒頭
「やいヌオー! 今日こそ真面目に手合わせしろ!」
住処の前で怒鳴る。迷惑など知ったこっちゃない。今日こそ、さんざんはぐらかされ続けた決着を付けるのだ。今日のために二つのホタチをいつも以上に丁寧に研いだ。体調も万全。あとは全力を叩きつけるだけ。
しかし肝心のヌオーと言えば、俺がどなってからしばらくして、ようやくのそりのそりと住処から出て来た。
「やっと出てきたかうすのろめ! さあ、とっとと構えろ!」
「うるさいなあ。何度来てもやらないと言っただろう」
やる気に満ちあふれて早口になる俺とは対照的に、ヌオーはのろのろとマイペ
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