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あらすじ
「あらゆるものは幸せであるべきだ」私は常々そう考えている。
そう考える私もまた幸せであるべきだ。
ゆえに私は彼女を求める。
彼女との幸せを求める。
それが全てだった。
シリーズ
この作品はシリーズ「短編集「よくあるはなし」」に所属しています。
本文冒頭
マユリと出逢ってからは本当に長い。私が思春期真っ盛りだった10代半ばの頃からの付き合いだから、もう25年にもなる。
我々人間も、ポケモンも。あらゆるものは幸せであるべきだと私は常々考えている。むろん私自身も例外ではない。だから長い時間、それを必死に探し続けた。具体的にはマユリとの幸せな未来を。
出逢いはあの暑かった日、ポケモントレーナーとしての道を歩むと決めた数か月後のことだった。日陰を求め入ったほら穴に現れた彼女にすぐさま目と心を奪われ、なけなしの小遣いをはたいて買い集めたモンスターボールを少しも惜しむことなく投げ続けた結果、彼女は私の元にやってきたのである。諦めな......
我々人間も、ポケモンも。あらゆるものは幸せであるべきだと私は常々考えている。むろん私自身も例外ではない。だから長い時間、それを必死に探し続けた。具体的にはマユリとの幸せな未来を。
出逢いはあの暑かった日、ポケモントレーナーとしての道を歩むと決めた数か月後のことだった。日陰を求め入ったほら穴に現れた彼女にすぐさま目と心を奪われ、なけなしの小遣いをはたいて買い集めたモンスターボールを少しも惜しむことなく投げ続けた結果、彼女は私の元にやってきたのである。諦めな......