鉄を編む

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作者:竜王
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あらすじ

テーマ:10

本文冒頭

 老人は独り、鉄を打つ。牢屋を思わせる暗い作業場できんきんと音を響かせる。振り乱した白髪は炭で黒く汚れ、暑さで紅潮した顔は小皺の一つまで紅が差す。それでも、老人は滝のように流れる汗も拭かずに鉄を叩く。やがて、鉄を叩く律動が遅く繊細になっていく。
その様子を青年は脇目も振らずに見つめていた。老人の手捌きから鉄を叩くのは簡単そうに見えるが、実はそうでないことをよく知っていた。火に通したばかりの鉄は意外に脆く、少し叩く力加減を間違えるだけで曲がってしまう。さりとて慎重に叩けば鉄は冷めてしまい、中途半端な形で仕上がるのだ。それを老人はあたかも楽器のように小気味よい音を響かせて見事なナイフを作り上げる......

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