本文冒頭
「僕……世界一のポケモントレーナーになれるかな?」
「勿論なれるとも! なんたって私達の自慢の息子なんだから!」
枯れ枝のように痩せ細り、病が原因で生まれる特有の大きな窪んだ眼と隈をキラキラと輝かせながら、全身に管を繋いだ少年は両親に訊ねた。
少年の命は誰の目からももう幾許と無いことは言うまでもないような状態だったが、それでも彼の両親はその両親よりも老いて見える手をしっかりと握って力強く答える。
それが少年と両親の交わした最後の会話だ。
しかし何故か彼の亡骸を前に泣き崩れる母親と、歯を食いしばって止ま
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