世紀の大発明

 
作者:けもにゃん
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本文冒頭

 その日、多くの人々がある一つの発表会を前に固唾を飲んでその瞬間を今か今かと待っていた。
 ある者は煌々と照りつけるモニターの明かりの向こうを。
 またある者はその発表会の会場で。
 喧騒にも近い騒々しい会話の声をかき消すように、一つマイクを通じた緩やかで何処から来た誰でも聴き取りやすいような女性の声が場内へと響き渡り、喧騒は喝采へと姿を変えながら場内の照明と共に静かに消えてゆく。
 それは正に映画の始まる直前のような感情の高まり。
 呼吸の音だけが聞こえ、自らの心音が一番煩く感じるようなある意味で最も楽しい時間。

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